FXをやる上で「ダウ平均」の基礎知識は必須
FXの世界でのゴールデンタイムは、
何といってもロンドン市場とニューヨーク市場が重なる時間帯です。
世界中の投資家の多くが市場参加をする時間帯で、
二つの取引所が絡んだ時から米国の経済指標が発表されるあたりが、
FX市場が最も活性化していると言われています。
FX市場において、アメリカ経済の状態を短期でリサーチする上でも大切で、
特にドルの動向にも影響を与えるのがNYダウ(NYダウ平均)です。
NYダウは、英語名ではDow Jones Industrial Averageといいます。
日本で言うと日経225に当たります。
NYダウとは?
NYダウは米国の代表的な株価指数で「ダウ工業株30種平均」の事を言います。
米国の有名な経済新聞である
ウォールストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)の発行元である
ダウ・ジョーンズ(Dow Jones&Company)が、
優良30銘柄を独自に選考して、株価をもとに計算している平均株価指数です。
優良30銘柄は時代に合わせて入れ替えをするそうです。
日本の日経新聞が日経225において225社を選考し、入れ替えも行うのと同じイメージですね。
(実際にはWS社の編集部が入れ替えを管理しています)。
優良30銘柄は、1896年に指数算出を始めたころは12種でしたが、
20種を経て、1928年に現在と同じ30種になりました。
英語名のIndustrial (工業・産業)がついてはいますが、
選考基準は公共事業や鉄道を除外した広域な産業が対象となっています。
30社の構成 ※参考データ:2016年11月
- アップル(IT)
- アメリカンエックスプレス(金融)
- ボーイング(航空機)
- キャタピラー(重機)
- シスコシステムズ(情報通信)
- シェブロン(石油)
- デュポン(科学)
- ウオルト・ディズニー(娯楽)
- GE(コングロマリット)
- ゴールドマン・サックス(金融)
- ホームデポ(小売)
- IBM(IT),インテル(半導体)
- ジョンソン&ジョンソン(ヘルスケア)
- JPモルガン・チェース(金融)
- ザ・コカコーラ・カンパニー(飲料)
- マクドナルド(外食)
- スリーエム(化学)
- メルク(衣料品)
- マイクロソフト(ソフトウエア)
- ナイキ(その他製品)
- ファイザー(医療品)
- P&G(日用消費財)
- トラベラーズ(保険)
- ユナイテッド・ヘルス(保険)
- ユナイテッド・テクノロジーズ(航空、宇宙)
- ビザ(その他金融)
- べリゾン・コミュニケーションズ(通信)
- ウォルマート・ストアーズ(小売)
- エクソンモービル(石油)
上記を見てみると、ほとんどが世界有数の実績豊かな企業ですが、
金融・保険関係も多く入っていることが分かります。
関連指数
NYダウ先物
NYダウは現物株価指数ですが、
これを先物取引化したものを「ダウ先物」と言っています。
ダウ先物はシカゴのCMEにて取引され、
取引相手はもちろん米国を含めた世界中のトレーダーたちです。
取引の際には、米国内の証券先物の口座を開設する必要があるのですが、
最近では日本の楽天証券とその他一部のFX会社などが、
海外先物口座を用いてリアルタイム、取引が可能になりました。
米国証券との業務提携によって、東証・大証と何の変わりなく
板を見ながらの取引が可能になっています。
S&P500
S&P500とは、米国の格付け会社で有名な
投資情報会社のスタンダード・プアーズ社によって
ナスダック、NY証券取引所、アメリカン証券取引所に上場している企業の中から
500銘柄の株価を算出している株価指数を言います。
S&P500は数多くある上場企業のデータから算出されており、
選択する企業分野も隔たりが無く、米国株式市場全体の動きを表しています。
ナスダック株価指数
米国の2大証券市場のひとつである
「NASDAQ」に上場している企業から算出される株価指数です。
ナスダックにはバイオ産業が多く上場しているため、
新興産業の株価動向を表す傾向が強い。
NYダウの推移(年次)
参考:http://ecodb.net/stock/dow.html
NYダウとドル円の相関性
参考:http://lets-gold.net/market/chart2_usdjpy-ny_dow.php
上記のチャートで理解できるように、
2016年6月から10月までの間ではドル円とNYダウの相関性は殆ど見られていません。
2015年の夏ごろには強い相関性が見られていた時期もありましたが、最近はまったくの別物にみえます。
NYダウとドル円には相関関係が少なく、
世界主要国の株価下落も含めて世界経済の景気が悪く低迷しているときは
リスクオフの円買い、世界情勢安定・世界の株価上昇となり、
リスクオンで成長国・新興国外から、円売りとでも覚えておいた方が無難かもしれません。
ちなみに、米国債10年物利回りとドル円の相関性も
ダウ平均同様に最近(同時期)は以前と比較して弱くなってきていましたが、
2016年6月以降はその相関性が強まってきています。
下記のチャートは、日経225とダウ平均の相感性を調べてみたものです。
ダウ平均と日経225の相関性
参考:http://lets-gold.net/market/chart2_usdjpy-ny_dow.php
一応、こちらはチャート上でも相関性が見えますし、
ある程度は連動しているようには見えますね。
相関性を見るにあたり、判断の仕方は相関係数が示しています。
上記のチャートは、相関係数+0.65353でありましたが、
相関係数はマイナス1からプラス1の間の数値で示されて
プラス1に近ければ正の相関関係(強い。類似した動向)、
マイナス1に近ければ負の相関(逆相関)となり、
(相関性は弱い、違った動向を示す)ということになります。
あとは、NY時間にトレードしていると
NYダウの動きの激しさに閉口する時が多々あります。
例えば、ダウ平均がマイナス100ドルぐらいから、
クローズ時間にはプラス100ドルぐらいで引けたりと
情報も原因もはっきりわからないままに終了するケースが結構ありました。
ダヴには世界の投資家の巨額な資金が動いている
このような動向は日経225ではあまり見られません。
指数を出すための対象企業が30社と少数からなのか、
マーケットの特性なのかいまだに不明でありますが、日経225を動かす資金より、
ダウのほうが世界の投資家の巨額な資金が動いているのは間違いないです。
恐らく、為替の世界であるポイントで
ファンド筋が強引に巨額の取引で為替市場を脅かすように
株式市場でも見えないところで暗躍しているのかもしれません。
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