このことは、FX取引を長く行っている投資家の方や
今後の円安を見込んでFX を始めようと考えているFX初心者の方にも知っておいてほしいことです。
それでは、金融危機・通貨危機とは一体どんなものなのでしょうか?
この記事で考えていきましょう。
「通貨危機」という言葉の始まりは1997年アジア通貨危機
元来、「通貨危機」という言葉が使われるようになったのは、
私の認識では1997年のアジア通貨危機だったと思います。
「金融危機」としては、古くは1929年のウォール街の株価大暴落と
記憶に新しい2009年のリーマンショックが代表的ですが、
ギリシャの財政危機がきっかけのユーロ危機もまた、世界中の金融・経済界を揺るがしています。
通貨危機とは?
通貨危機とは、何らかのきっかけ(主に出金融危機)で
特定の通貨の価値が急速なスピードで下落してしまい、
その国までもが崩壊してしまうのではないか?という強烈なインパクトを与えてしまうことです。
1997年のアジア危機の検証
当時、タイバーツを含むアジア通貨の多くはドルペック制という方法を採用した。
1995年当時、米国経済が好調な歯車で加速していた影響で、
アジアの通貨も順調に上昇を継続していた状況下でした。
【ファンドはタイバーツを多く購入していた】
そんな中、タイバーツは1997年に
「タイバーツが過大評価過ぎる」と
大手ヘッジファンドからターゲットされました。
そして、タイバーツを中心にした投資資金が引き上げられ始め、
アジア通貨に一斉の空売り攻撃が仕掛けられました。
その結果、世界中を恐々とさせるアジア危機が起こったのです。
タイバーツの突然の急落は大手ヘッジファンドによるもの
世界的に有名なジョージ・ソロス率いる
ヘッジファンドと大手ヘッジファンドの巨額の資金に任せての空売りで、
1997年7月にタイバーツが突然急落。
ファンド連中は、それにより巨額の収益をたたき出しました。
その内容は暴落以前に24.5B/US$周辺であったのがわずか半年の間に50B/US$、
次の年にはなんと207B/US$まで信じられないような下落を見せました。
その影響は大きく、インドネシアルピーや韓国ウォンの暴落を招く結果にもなりました。
そして、通貨切り下げ拒否の姿勢だったタイの首相は
やむを得ずに「変動相場制」への移行を実施したのです。
ドルペック制とは何か?
自国通貨と米国ドルの為替レートを一定化するために設定するのだが、
自国通貨を米ドルに連動させる仕組みです。
世界的な基軸通貨である米国通貨と連動させることによって為替変動を抑制して
米国との貿易採算を安定化させる目的。
急激なドル高になる場合は自国の通貨政策や経済状態に
計り知れない影響を与える大きなリスクが存在します。
世界各国で起こった通貨危機
その後にはロシア通貨危機と、
やはりソロスが暴落を演出してBOEを苦しめたポンド通貨危機、
2008年の韓国危機、2010年欧州危機などは記憶に新しい。
要は、安定を目的としたドルペック制は
タイや韓国に見られたようにその国に不安なイメージが浸透すると
その国に投資していた巨額の資金が流出してしまい、
固定レート制度はとてもではないが維持できなくなってしまうのです。
そして米国を中心とした主要国の巨額な資金が流出すれば、
ドルを中心とした外貨建て資金を取りこんでいたタイなどは
資金のやり取りが困難になってしまうのです。
韓国は特にウオン暴落時に、財閥系企業をメインにドル建て資金を借りていたので、
ウオン建て資産の取り崩しで資金を作り、
ウオン建てで資金を調達してドルで借金を返済する義務が生じてきたのです。
(ウオン売りドル買い加速)
その結果、ウオン売りスパイラルとなった市場に対して
韓国中央銀行は精いっぱいのウオン買い介入を実施するも、
外貨準備のUS$も底をついて韓国経済は深刻な状況になり、
IMFや日本に救済を求める結果になりました。
結果的に、IMFの財政指導のもとに韓国は奇跡的な回復を遂げてはいます。
通貨危機リスクの存在は常に認識しておこう
中国を筆頭とするBRICSやNEXT11・新興国の通貨は、
そのような通貨危機リスクが存在していることを認識しなければいけません。
というのは、米国のような大国でもリーマンショックのように、
通貨危機から決して無縁だとは言い切れないからです。
ギリシャからのユーロ危機も同様で、その後に世界経済に与える影響は大変大きくなります。
FX取引をする上でも、上記のようなリスクに常に隣り合わせということを肝に据えて
もしもの時のリスク回避に対する準備をする事が重要です。
(ストップオーダーを徹底しましょう!)
本格的に資金500 万ほどでFX 始めようと思って勉強してます。