国際決済銀行・BIS

国際決済銀行

ここ20年余りで金融環境を左右する出来事が多数ありました。

1997年のアジア通貨危機から始まって、
1999年のユーロ発足2007年のパリバショック、サブプライムローン問題
2008年のリーマンショック・AIG破綻による歴史的なクロス円の大暴落、
2011年東日本大震災時のドル円76.25円を記録、
そして記憶に新しいのは2015年のスイスフランの大暴落など
有事の際には、金融機関が破綻することがありました。

 

金融機関が破綻することになると預金者や利害関係者が路頭に迷い、
預金の払い戻しができなくなったり、融資が滞ったりする事になります。

そのようなバックボーンがあったことから、
破綻に至る事態から回避できるように
自己資本比率が一定以上であることを銀行に義務付けるようになったのです。

このルールをBIS規制といいます。

 

BIS規制の詳細

BIS規制のBISとは国際決済銀行のことであり、
国際決済銀行がBIS規制のルールを定めたことを意味しているのです。

BIS=Bank for International Settlementsは、
スイスの小都市バーゼルにあり、世界(58カ国)の中央銀行が加盟しています。

BISは中央銀行間の決済に関与しているのですが、設立は1930年で、
中央銀行の中央銀行と言われていて世界の銀行に、
BIS規制という自己資本規制を課すことで知られています。

BIS規制では、国際的に業務を行う銀行の
自己資本比率が8%以上であることを要求して
上記で述べたリーマンショックスイスフラン暴落などの
世界各地で様々な金融危機が今後起きうる可能性を想定すると
BIS規制によって銀行の財務健全性を確保することは今後とも必要になってきます。

 

 

BIS規制の歴史

歴史的には、国際決済銀行は創立目的としては、
第1次世界大戦後の賠償金支払いにドイツが苦慮している状況を打開するために設立されたということで
結構長い歴史を持つ銀行であることは間違いないのです。

国際決済銀行は各国の中央銀行間の連携を促すなどして、
国際金融市場の安定に努めていて
市場の安定性をより高めるために導入されたのがBIS規制というわけです。

国際決済銀行はあくまでも中立的な立場から金融市場をウォッチしていますが、
IMF(国際通貨基金)などと同様に時代ごとに国際的に非常に大切な役割があるのです。

 

BISの業務

国際決済銀行・BISは、1930年に設立された中央銀行をメンバーとする組織で、
スイスのバーゼルに本部があり、
ドイツの第1次大戦賠償支払に関する事務を取り扱っていたことが知られています。

中央銀行間の協力促進のための場を提供しているほかに
中央銀行からの預金の受入れ等の銀行業務も重要な業務です。

BISには、2016年6月末時点で
日本を含め60か国・地域の中央銀行が加盟していて
BOJ・日本銀行は、さかのぼって
1994年9月以降に理事会のメンバーにジョインしています。

 

BISで行なわれている中央会議

BISの中央会議は、原則として隔月開催されています。

会議には各国中央銀行総裁が参加しています。

 

代表的なもので

  • グローバル・エコノミー会議(主要30か国・地域の中央銀行総裁による会議)
  • 拡大総裁会議(すべての加盟中央銀行の総裁による会議)

などがあり、これらの総称を「中央会議」といいます。

中央会議では、各国の経済・金融の状況や金融政策、
国際金融市場の状況などについて話し合いが行われています。

 

尚、グローバル・エコノミー会議の下に位置付けられている

  • グローバル金融システム委員会(CGFS)
  • 決済・市場インフラ委員会(CPMI)
  • 市場委員会(MC)

 

などの各種委員会では、
国際金融などの問題に応じたテーマについて検討が行われています。

現在、BISでは、毎年6月または7月に年次総会が開催されるのですが、
それ以外にも検討内容に応じてメンバーを入れ替えています。
 

中央銀行総裁会議・総裁会議

(1)G10総裁会議
(Meetings of the Governors of the G10 Countries:11か国の中央銀行総裁による会議)

(2)グローバル・エコノミー総裁会議
(Global Economy Meetings:主要先進国とエマージング・マーケット諸国の中央銀行総裁による会議)

(3)拡大総裁会議(All Governor’s Meetings)

 

上記の 3つの会合(総称して中央銀行総裁会議・総裁会議)が開催されていますが、
G10の会議に報告する様々な常設委員会
バーゼル銀行監督委員会、支払・決済システム委員会、グローバル金融システム委員会など)
がありますが、BIS自己資本比率規制は、その一つであるバーゼル銀行監督委員会で定められます。

 

BISの理事会メンバー

BISの事実上の最高意志決定機関である理事会のメンバーは

  • アメリカ
  • イギリス
  • ドイツ
  • フランス
  • イタリア
  • ベルギー

から派遣される職権理事6人と任命理事6人、
それに日本、カナダ、オランダ、スウェーデン、スイスが派遣する選出理事5人の、
合計17人の理事で構成されています。

 

バーゼル合意

バーゼル合意とは、
バーゼル銀行監督委員会が公表している
国際的に活動する銀行の自己資本比率や流動性比率等に関する国際統一基準のことですが、
日本を含む多くの国における銀行規制として採用されているのです。

  • バーゼルI = 1988年に最初に策定される。
  • バーゼルII = 2004年に改定される。
  • バーゼルIII = 2007年に夏以降の世界的な金融危機を契機として、
    再度見直しに向けた検討が進められ、2010年に新しい規制の枠組みなどに合意。

 

バーゼルⅠ

バーゼルIは、国際的な銀行システムの健全性の強化と、
国際業務に携わる銀行間の競争上の不平等の軽減を目的として策定されました。

これにより、銀行の自己資本比率の測定方法や、
達成すべき最低水準(8%以上)が定められ、
日本では、1992年度(平成4年度)末から、バーゼルIが本格的に適用されました。

 

バーゼルⅡ

バーゼルII

  1. 最低所要自己資本比率規制(リスク計測の精緻化)
  2. 銀行自身による経営上必要な自己資本額の検討と当局によるその妥当性の検証
  3. 情報開示の充実を通じた市場規律の実効性向上

を3つの柱として策定されましたが、
バーゼルIIでは、達成すべき最低水準(8%以上)はバーゼルIと変わらないものの、
銀行が抱えるリスク計測(自己資本比率を算出する際の分母)の精緻化が行われました。

日本では、2006年度末から(先進的なリスクの計測手法を採用する一部の銀行は翌2007年度末から)
バーゼルIIに移行しました。
 

バーゼルⅢ

バーゼルIIIは、金融危機の再発を防ぎ、
国際金融システムのリスク耐性を高める観点から、
国際的な金融規制の見直しに向けた検討が行われた結果、合意が成立しました。

具体的には、金融危機の経験を踏まえ、
自己資本比率規制が厳格化されることとなったほか、
定量的な流動性規制や、
過大なリスクテイクを抑制するためのレバレッジ比率が新たに導入される予定です。

 

バーゼルIIIは、世界各国において2013年から段階的に実施され、
最終的には、2019年から完全に実施される予定です。

自己資本規制の強化においてバーゼル3で要求される自己資本は10.5%です。

 

シンプルには、デリバティブの規制になるはずです。

現在において自己資本比率が特に低いのは
ドイツ、フランス、英国の大手などの
次の金融崩壊(欧州)がターゲットになってくるのでは?
ということが推測されています。

2018年に金融機関が危険なことになるという噂は、
このオペレーションが実施されるからです。

中央銀行の上に立つBISの金融権力を考えると、
世界の中央銀行に対する支配力で真の世界銀行はBISであって、
BISに対して支店の位置で世界銀行やIMFではないということが言えそうです。

BISの中国問題

あとは市場で危惧されているのは、
中国で2016年の銀行による融資は急増していて
その多くが住宅ローンの借り入れというわけで、
中国の銀行は2008年の金融危機以来の住宅ローンの申請に応じているということです。

不良債権問題の影は微塵も感じられないとはいうものの、
そこでBISは2016年9月にGDPの2.5倍に膨れあがった中国の債務総額が、
今後3年間で深刻な問題を引き起こす兆候であるとの重大警告を発していることです。

 

同様にIMFが同様の警鐘を鳴らし、
中国政府に企業債務に対処するよう要請、
中国経済の崩壊への懸念は払拭出来なくなってきています。

 

最後に、最近BISが発表した日本のGDP長期予想を載せておきます。

BIS発表、日本のGDP長期予想

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