米国債券の中で長期金利の指標として注目されるのは10年物国債ですが、
今までのデータを見てみると、短期的な米国の動向を確認するのには
償還期間が短い2年物が有効だということが分かります。
為替相場は対象通貨ペアの金利差、
特に2年物債利回りで一定の相関性をもって変化するといいます。
下記の2つのチャートはドル円の2通貨の2年物債の利回りを表しています。
市場では2年物債券利回りの差は
短期で2国間通貨ペアの為替動向を判断するのに有効とされていますが、
動向が変化する時(トレンド確認)やファンダメンタルズ分析と違った動きをしている時
などにもチェックできる大切な指標です。
▼1976-2016年の米国2年債利回りの推移
参考:Japan / U.S. Foreign Exchange Rate -Federal Reserve Bank of St. Louis-
参考:http://www.m2j.co.jp/market/rates_correlation.php
2000年以降は2年債の金利差と為替レートの相関はかなり高くなっています。
基本的には日本国債の2年物利回りが低下すると円安トレンドが生じることになります。
2012年7月から2013年7月にも急激な円安トレンドが発生していましたが、
このときは、0.1%から下落しなかった日本の2年物国債利回りが
急に下落(日銀の量的緩和発表)したことが要因でした。
上記のチャートでは2016年3月の日米金利差のピークアウトとみられていましたが、
最近は米国の国債利回りが上がってきています。
そのため、日米金利ピークが更新されれば
ドル円はドル高要素が強まり、円安方向へ移行する可能性が出てきます。
参考:http://fxandone.com/2year_rate/
上記チャートは2011年までのものデータですが、
理論としては、上に行くほど、アメリカの金利が高い形で日米の金利差が広がることになっていて、
逆にチャートが下に行くほど、日本の金利が高い形で日米の金利差が広がることを表しています。
つまり、為替レートが「金利の高い方の通貨が強くなる」という見方を前提としますと、
下記の2点の可能性が強くなるということです。
- アメリカの金利が相対的に高くなると(チャートが上向き)
→ドル高圧力で円安に移行する - 日本の金利が相対的に高くなると(チャートが下向き)
→円高圧力で円高に移行する
ちなみに現状の両国の利回りは、日本国債2年物利回りはマイナス0.26%、
アメリカ国債2年物利回りは0.839%となっています。
どの通貨ペアでも主要国通貨でしたら、同じ理論で確認できるので調べてみても面白いと思います。
短期でのスイングトレードやトレンドをチェックする時、
ドル円相場の動向を確認する意味でも
日米2年物債利回りの差を10年物利回りを同時に確認する事はとても大切なので実行いたしましょう!
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