序説
先日10月3日に9月の日銀短観が発表されましたが、内容は簡単にお話しすると以下のようなものでした。
企業の景況感を示す業況判断指数(D1)が、大企業製造業でプラス6であった。
前回の6月調査のプラス6と全く同様で横ばいの結果となりました。
前回の6月調査からは外国為替市場での円高定着や英国のEU離脱決定などがあったものの、
景況感に底堅さが見られました。
市場関係者へのインタビューの結果としては、
株、総じて悪くない結果であって企業の見通し上向きへという内容であるという結果でした。
ここで日銀短観とはどのようなものなのか勉強してみましょう!
日銀短観
日銀短観とは、正式には全国企業短期経済観測調査のことで統計法によって
日本銀行が行う統計調査で年に4回(3.6.9.12月)実施されています。
全国1万社の企業(大手企業と中小企業、製造業と非製造業と分ける)を対象に四半期ごとに発表されますが、
景気の現状と先行きについてどう感じているのかをインタビュー項目としていて
業績状況や設備投資の状況、雇用状況などを具体的に実績と見通しを聞いているといいます。
短観は回収率が非常に高いらしく、調査の翌月に公表されています。
但し、なぜか12月だけが当月に発表されます。
この結果、景気動向を占う非常に大切な経済指標と言われています。
いわゆる、景気の良いか悪いかという認識が、我々庶民の日常生活の中で感じることはできるのであるが、
特に企業は、消費者心理を敏感に吸収して物やサービスを提供しているので
近い将来には積極的に設備投資を実施しようと感じている企業が多ければ、
景気が良くなる可能性が強くなることであって、
投資を見送る企業が多くなれば、景気は減速する可能性が強くなるということです。
短観には企業経営者のそのような経営方針が集約されていて、経済を予測する上で重要な指数とされています。
出典:http://usdjpy.fxrec.com/cat61/index_3.html
上記の表のように今回の短観によると企業の景況感を示す
D1(業況判断指数は大企業製造業で+6(予想+7)、前回同様でした。
事業計画の前提としている想定為替レート(大企業・製造業)は
1ドル107.92になりましたが、前回は111.41でありました。
今回は6月時点では1ポイントの過剰だった生産・営業用設備投資判断が0に改善となった。
ポイントとしては、雇用人員判断は19ポイントの不足で6月と比較して2ポイントの不足幅が拡大し、
さきゆきの負億幅が3ポイント拡大となり、人手不足の実態が明らかになりました。
しかしながら、人手不足がどのように賃金や物価上昇に影響を働くかは明確ではなく
今後の流れを注視する必要があるでしょう!
短観発表と外国為替市場
ここでFX市場に短観がどのような影響があるのかを整理してみましょう。
日銀短観の結果が予想や前回よりも良くなった場合
- 景気が良い
- 収入、消費活動が盛んになる
- インフレに傾斜
- 金利を上げてと物と金のバランスを取る・為替レートの上昇
上記のように市場関係者の間では、
短観の結果が良好であれば、理論的には円買い要因となり、
円高が進み、短観の結果が悪化すれば、円売り要因となり、円安になりやすいという認識です。
ちなみに今回の10月3日の日銀短観の発表時の市場の反応(ドル円相場)は、ほとんど反応していませんでしたが、
簡単ですが短観の認識はFXを取引する以上これぐらいでいいと思います。
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