株式、商品市場ともに取引高が減少してきている昨今ですが、
FX市場は順調に参加者数、規模を伸ばしてきています。
驚くことに2016年現在おおよそ700万ものFX口座(取引されていない口座も含む)が開設されているそうです。
金融知識のある投資家だけではなく、主婦やリタイア層の投資家も増加していて巨大市場と変貌しました。
プロ以外の投資家の増加を受けて、
金融庁によるFX会社や証券会社などへの監視、規制等も年々厳しくなってきています。
そのおかげで、過剰な顧客勧誘や証拠金の横領などで一時世間を賑わせた悪徳業者はほとんど姿を消したようです。
結果、FXの業界はコンプライアンス(法令遵守)や
顧客への法的規制のアナウンスが実施され、かなり安全なものとなりました。
さて今回は、FX取引において利益を出した場合の注意点についてお話しさせていただきます。
FXの場合は株式の取引とは違って得た利益の一部を源泉徴収される事はありません。
下記にFXトレードに関連した税金項目についてまとめました。
これからデイトレードを行う方も、既にデイトレードで利益を出されている方もぜひご参照ください。
FXデイトレードにおける税金項目まとめ
雑所得
FX取引で生じた所得は雑所得として扱われます。
雑所得とは本業以外の原稿料や講演料などの収入、
国民年金、厚生年金等の公的年金(控除額の控除後)を指します。
雑所得が一定額を超えた場合は確定申告が必要
例えばサラリーマン(給与所得者)の場合に年間所得2000万円以下で
給与所得と退職金以外の所得合計が20万円以下を除いて確定申告する必要があるのです。
以下に該当する場合は確定申告の必要はありません。
年収が2000万円以下のサラリーマンで給与以外の所得が20万円以下の人
無職や専業主婦で所得が38万円以下の人
パート収入が65万円以下でFXなどの所得が38万円以下の人
※詳細は国税庁のHPをご参照ください。
申告分離課税方式
2012年度の税制改正により、FX取引は総合課税から申告分離課税へと変更されました。
他の所得と分離して確定申告を行う方式で、
給与などの所得とは合算せずに、FXの利益に税率を乗じて税額とする方式です。
現在は利益に対して一律20.315%(0.315%は復興特別所得税)が課税されます。
必要経費
ご存知ない方も多いと思いますが、
FXでも確定申告時に利益から必要経費を差し引いた分が課税対象所得となります。
FX取引で生じた電話代や資料代、図書代やパソコン購入(減価償却費)などが
経費で認められる可能性が大きいようです(絶対ではありません)。
そのためには大学ノートなどに詳細を記録して領収書もしっかり保存することが必要です。
※詳細は所轄の税務署へお問い合わせください。
スワップ金利
スワップ金利による収益も利益として換算されます。
つまり、為替差益とスワップ金利を通算して利益額を出すことが必要になります。
為替差益がマイナス300万円でスワップ金利収益が400万円の場合、合計して100万円が利益とみなされます。
しかし、ポジションを決済しない限りはその対象になりません。
期間
FXの損益は1年間の単年度で合計します。
対象年度の1月1日から12月31日までに
「決済した取引」で利益が出たか否かが課税対象となります。
証券会社やFX会社の取引画面や定期的な年間損益計算書は、必ず大切に保管しておきましょう。
未決済取引
先程もお話ししましたが、課税対象は「決済した取引」だけです。
ポジション未決済で含み損がでていてもスワップ金利収益が口座に利益として振り込まれているケースは、
その利益は課税対象となってしまいます。
損失
FXの損失と給与所得を通算することはできませんので気をつけてください。
例えば、年間給与所得が1,100万円の給与所得者がFXで200万円の損失を出したとしても
総所得が900万円との計算にはなりませんから税金は軽減されません。
申告漏れ
FXの収益で申告が必要な額を超えているにも関わらず申告することを忘れてしまった場合には、
申告期間が過ぎていても税務署に申し出ることが大切です。
これは期間後申告と言って自主的に申告した場合の加税率は5%だからです。
もし、税務調査などで申告漏れが発見された場合は、
加税率+重加税率で最大40%アップとなってしまうこともありますので注意しましょう。
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