EUの行方に暗雲だの、何かザワついてきています。
イタリアの銀行債務問題が表面化して
もう1年ぐらいになるので大して気にもならないですが、
さすがに先進国の一角として存在感のあるフランスがグラグラとすると
心穏やかならざるものがありますね。
しかしながら、このようなどさくさ局面こそ、
ポジションの仕込み時だというイベント投資主義者もいるもので調べてみました。
まず5年物ドル建てソブリンCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の
スプレッド(=保険料)の推移を表したのが下記チャートです!
いや~、凄いものです。
今年に入って50bpsを超えて爆発的に加速、
市場が以下にフランスのリスクを意識しているかわかろうというものです。
因みに同じラテン系のスペイン、イタリアの状況は…
イタリアはもともと2015年6月末のスタート台が
140bpsとかなり高いところから始まっていて、
直近では200bps近辺ということで
それに比べればフランスはまだまだ大したことないように見えますが、
イタリアと比べること自体がナンセンスということもあるようです。
次に、フランスの10年物国債の利回り及び
ブレークイーブンインフレ率(=予想インフレ率)は、下記のチャートで読み取れます。
こちらは昨年後半から利回りが上昇に転じ、
トランプ勝利はその流れを加速させる働きをしたことが見て取れるかと思います。
利回り上昇な即ち価格下落ということで、
2026年11月償還ものの現物フランス国債の価格はこんな感じです。
当該国債は昨年8月終わりに10年物国債として発行された訳ですが、
その後6カ月足らずの間に価格は8%ほども下落してしまいました。
酷いものですが、落ちている時こそ買い時だという発想もできなくはないです。
昨年のドイツ銀行の劣後債も記憶に新しいです。
次に、エキゾチック通貨の対円レートの推移をみてみます。
上記のチャートは、2006年の最終金曜のクローズを100として、
ランド、レアル、メキシコペソ、トルコリラの対円レートを基準化してその推移をみたものです。
比較対照としてドル円も同様に2006年末を100として基準化しました。
いやはや、トルコリラは2014年末あたりからほとんど一直線に対円で減価していますね。
メキシコペソも似たようなものです。
メキシコの場合はトランプ勝利のとばっちりという
不幸なイベントがあったため可哀そうなことになってしまいましたが、
意外と直近では下げ止まりの様相となっています。
対円で持ち直しの傾向が鮮明なのはブラジルレアル、そしてその次にランドって感じですか。
いずれにせよ、これら4通貨の対円レートは
ドル円の推移とはっきり異なる軌道を描いており、
ドルが全面高で推移していた(特に2014年以降)ことがわかります。
金利収入で埋め切れていないんではないですかという疑問が出てきます。
しかしながら、さっきのフランスの債券ではないですが、
全面安の局面からの反発を取るという戦略を選ぶなら
こういった通貨への投資はこれから陽の目を見るという可能性が大きくなります。
2017.3.5(参照-ブルムバーグ)
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