25年ぶりに見た初期女性ディーラーである大先輩の夏の終わりのコメントです。
センス尊重の為、そのまま原文をご紹介します。
金融政策などのイベント結果待ちを理由に様子見、薄商いが続く硬直したマーケットですが、
実際は、さらに先にある不確実性を意識しているのかもしれません。
注目イベントの中で最も不確実性が高いのは?
目先の材料は再び「米利上げ」
世の中的には、オリンピック、高校野球などのイベントも終了し、今年も夏休みが終盤となりました。薄商いが続いていた市場も、そろそろ参加者回帰で活気づくか?と期待したいところですが、いやいや、薄商いは夏休みのせいだけじゃない、のが本当のところかもしれません。
そんな中、目先の材料は、再び(性懲りもなく?)米国の追加利上げ。そのヒントになる発言が出るかもしれない
直近のFOMC(米・金融政策決定会合である連邦公開市場委員会)の議事録では、雇 用状況の改善、海外要因(特にBREXITの影響)による不確実性が減った、との2点が注目されたものの、マーケットの反応は利上げを織り込みでドル高に動くより、逆にドル安が進みました。その後のニューヨーク連銀総裁ダドリー氏の「追加利上げが適切となる時期が近づいている」というインタビュー・コメントには大きく反応しませんでしたが、週末に聞こえてきたサンフランシスコ連銀総裁の「利上げは早い方がいい」との発言には週明けマーケットがドル高反応しました。ただ、東京時間が終わる頃には元へ戻してしまい、エネルギー枯渇状態のサインを見るにいたりました。
さて、注目されるイエレン議長の講演ですが、題目は「連邦準備制度の金融政策手段一式」で、質疑応答はないとのこと。金融当局が同種の題目で行ってきた講演では、これまでは「一段の緩和実現のための手段が存在する」という内容で行われたのが大半のケースだったとの指摘もあり、となると利上げを示唆するような内容にならない可能性もあり、高まりつつある追加利上げ期待を裏切る形になるかもしれません。
直近の市場予想では、これまで後退していた9月の利上げ予想がやや増えたものの、確率28%。もし、9月に利上げが決定されたとしたらサプライズになります。
一方、今年12月の利上げ確率は月初の38%から58%に上昇してきた点には注目しておきたいと思います。
米ドルの対主要通貨パフォーマンス
ここで、外為市場における8月月初からの米ドルの対主要通貨のパフォーマンスを見てみましょう。
8月に入って直近まで、基調はドル安です。最も上昇したのは、ノルウェー、スウェーデン等の北欧通貨、日本円と続きます。逆に、下落した数少ない通貨はシンガポールドル、南アフリカランド、英国ポンドです。下落率は1%未満ではありましたが、ドル安基調の中での各通貨安でした。
ただ、今週になって米利上げ近いとの観測から、中南米通貨や一部資源国通貨が下落(ドル上昇)しています。
南アフリカランドは国内の政情悪化が理由で、材料は財務相が警察当局から出頭命令を受けたと報じられたことです。ブラジルレアルも中央銀行の出方次第が注目され、また、メキシコペソの下げは、米国の格付け会社がメキシコの格付け見通しをネガテイブに下げたことも影響しているでしょう。
このところのドル円相場は、101円-103円を挟んで神経質な値動きが続いています。100円は心理的な節目でもあり、また、2014年の前半から8月半ばまでの間、100円をボトムに何度もじっくりと揉んだ往来相場の場所でもあり、簡単には大きく破れないだろうとは思っています。
9月の日米金融政策委員会を前にして、さまざまな思惑、期待が交錯するでしょうが、99円半ばから100円ゾーンはサポートとして作用していくだろうと思っています。ただ、米利上げ観測が出ても、ドル円の上値の重さは気になります。
9月以降の注目イベント
ECBやOPECなどの政策決定機関が、本格的に始動してきます。日米の同日金融政策決定会合も注目されるでしょう。
ただ、それ以上に気をつけておきたいのは11月の米国大統領選挙ではないかと思います。今のところ、クリントン氏優位のようですが、両候補とも決定的な強い支持を受けてはいません。BREXITにも見たように、選挙の不確実性は高いので、もし予想外の結果になったときは、BREXIT以上に金融市場、特に円には影響が大きいのではないかと思っています。
夏休みが終わって金融政策などのイベント結果待ちを理由に様子見、薄商いが続く硬直したマーケットですが、さらに先にある不確実性を意識しているのかもしれません。
シンプルですが、素敵なレポートですね。参考にしたいです。
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