最近のTVなどの経済情報では、為替相場の情報とともに
商品相場(特に原油、金)の情報が報道されています。
双方の動きは強い相関関係を見せるときがありますので基礎知識を勉強しておくと良いでしょう。
ここでは、市場の注目点についてマーケットリスク社という会社のレポートの中で
コモディティ関係の動向に詳しい人でかなり頭の切れる人の解説をご紹介しましょう。
コモディティの動向
基本的な認識としては、例えば金でしたら、
世界的な経済情勢不安などが背景で金に投資する(金を買う)ということは
金という外貨商品を購入するということです(一時は、有事の金買いとも言われておりました)。
円安局面では金価格は値上がりして円高局面では値下がりするケースが多く、
従って金価格は為替相場にそれなりの影響力を持っていて中長期的なデータで見てもどちらかが先行します。
金価格が高くなる=ドル安、原油価格が高くなる=ドル安という相関関係が、一般的です。
そこで、最近の商品相場についての有意義な解説が、下記に示したものです。
下記の表で紹介するなかでブレキジット(BREKIT)という言葉が出てきますが、
ファンダメンタルズ勉強の一つとして再認識しておきましょう。
BREKITとは?
先日のイギリスのEU離脱問題をBREKITと呼んでいますが、
これはBritain(英国)とExit(退出する)を組み合わせた造語だそうです。
国民投票でEU離脱が決定する前にイギリスは、
ドイツ同様にEU加盟国の中では代表する経済大国で経済も比較的安定しています。
この世界情勢下で各国より相当数の移民を受け入れていて社会問題となっております。
そこでイギリス国内いである程度の制限をするべきであるという不満が強まりましたが、
EU加盟国の為に政策変換は自由に出来なかったのも国民投票の結果の要因の一つと言われております。
下記の表では最近の原油、金価格動向に与えている3カ国に注目しています!
原油動向 | 金価格 | 非原油コモディティ | |
市場が注目する国 | 米国 | 英国 | 中国 |
市場を動かしている 要因 | リグ数(2月以降増加傾向にあり、今後産油量が増える可能性)…これがここ2月弱の原油価格の下落を説明している。しかしこの期間には投機筋の新規のショートポジションが積み上がった。彼らはいつか買い戻さなければならないので、それほど大きな価格下落には発展しないだろう | Brexur→質への逃避 BOJの政策決定委員会後、日本の金利が急上昇→米国金利も上昇→債券価格下落→安全資産の中でも相対的に金の需要が増えるという連想 | コモディティは中国の需要動向がカギ |
価格に影響を与える 度合いが強いのは | 供給サイド動向 | 需要サイド動向 |
上記での原油項目でのリグ数とは、
リグ稼働率の事で油田の掘削装置の意味で石油や天然ガスを探索して採掘することで
その数が増加すれば米国の生産が増えて供給も増えることから、原油価格の下落要因ということです。
逆にその数が減少すれば米国の生産、供給が減って価格上昇要因となります。
そこで上記の表ですが、面白いのは
非原油コモディティでは中国の需要がかなりの価格影響力を持ってきたことです。
そこで中国の国家統計局から中国の固定資産投資動向の資料をダウンロードしようとしましたが、
なぜかアクセスが遮断されていました。
そこで、少しばかり古い情報にはなりますが、
ビクテ投信投資顧問がリリースしたレポートを参照してみます。
レポートによれば同国GDP成長率は皆様ご存知の通り鈍化傾向で
民間部門による固定資産投資の鈍化は今年の5月時点で前年比;3.9%しかないという落ち込みです。
鉄鋼も過剰生産で余剰在庫も増えて状況で仕方ないのかもしれませんが、
民間部門は過剰生産能力の解消で必死なのですから。
しかも、縮小ばかりしていては、問題のGDP6%成長もおぼつかないことになりますので
民間部門に代わって公共部門の投資が年初から膨張しているそうです。
公共部門のレバレッジ(債務)水準の急増でサステナブル(持続可能)とは言えないということでしょうか?
まとめ
そういうわけで米国同様に世界の商品相場に多大なる影響を与えている中国は、
相も変わらずに危ない綱渡りをしているという状況下にあるということで、
上昇基調を継続していけるか否かに疑問の余地が大きいという内容でありました。
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