2016年現在で早いもので18年もの歳月が過ぎました。
私がこの世界で働き始めたのは1970年代後半で、
そ当時はインターバンク取引だけで取引規模も小さく保守的でドメスティックな市場でした。
しかしそこから約20年、
農水産省、大蔵省、金融庁とFXを取り巻く法的規制も整備されたこともあり、
FXは今や立派な金融商品・投資商品として認められてきました。
そこで、今回は日本の投資家の皆様にとって一番臨場感があって親しみやすい
「ドル円相場」の軌跡を追ってみることにしました。
戦後からのドル円相場の推移
参考:http://ecodb.net/exchange/usd_jpy.html
上記のヒストリカル・チャートでも分かるように、
ドル円相場は第二次世界大戦後から1971年まで
1$=360円という固定相場制下で取引されていました。
その後に2年ほど308円(ニクソンショックによって360から308円へ移行)で
新しい固定相場で推移したのですが、為替レートの固定する事が困難になって変動相場制へ移行しました。
上記のチャートは「どのような要因でUSDJPYが動いてきていたか」を認識するのに便利なので
FXトレーダーとしては、頭に入れておきましょう。
変動相場制に移行した後の流れ
変動相場制への移行後は、カーターショックやプラザ合意、
欧州危機、アジア通貨危機、リーマンショックなどの荒波を経験して
1995年ごろまでは円高方向に推移しておりました。
これは戦後から日本という国が
高度成長を伴った急速な経済成長を遂げてきた結果であったともいえます。
業界では、1990年代初期(バブル崩壊)においての
経済成長率悪化や少子化と高齢化の進行で足踏みしていたわけですが、
1995年度を起点にして円安方向へ変動してきていることがわかります。
経過としてはリーマンショック(ドル売り要因)以降(2008年)、円高相場へ突入したのです。
その後の欧州危機などの世界的な金融不安の中、
安全通貨である日本円に世界の資金が集まっていた結果ともいえるでしょう。
2013年からのドル円推移
2012年にアベノミクス相場がスタートし、
2015年には121円越えを記録したドル円ですが、
2016年には100円割れまでリスクオフ・円高となります。
2016年11月に米国大統領選挙でトランプ氏が勝利した後は
109円前後まで$は買われています(ドル全面高)。
ドル円は1日の取引高は何と4兆ドルを軽く超えると言われていますが、
果たして2016年12月の利上げ予測が9割を超えてきたこの動向は
新たな円安へのターニングポイントになりえるのでしょうか?
為替動向は金融政策変更に俊敏に反応する傾向が強いために
米国が12月以降も段階的な金融引き締めをしてくるかにも市場の焦点が集まります。
個人的には会場の準備段階で論議を呼んでいる東京オリンピックに向けて
多少の円買い要因も起きる可能性はありますが、
ゆっくりとした円安方向へのトレンドが起きつつあると感じております。
今回は米国発動のトレンド変更になりえるのではと感じています。
安倍さんが4年連続でプッシュしているように、大手企業発でサラリーマンの給与水準があがり、
消費税問題を消化して2020年に向かって雇用も増え、実体経済の感覚が良い方向に浸透してくれば、
株価も上昇して消費も上がってくるのではないでしょうか。
そんな風に思えるぐらい、構図が変わってきているような感じがします。
*投資関連情報は投資の参考として情報提供のみを目的としたものであり、
FXの売買は自己責任に基づき、ご自身で判断をお願いします。
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