序章
最近では、デイトレードやデイトレという言葉をよく耳にするようになりましたが、
みなさんはこの言葉の意味をご存知ですか?
FXにおいてデイトレードとは、英語での「Day Trade」の事を意味しています。
日本語にすると、いわゆる「日計り取引」の事です。
デイトレードとは新しくポジションを作ってその日のうちに決済する売買手法で、
この手法を専門に行うトレーダーを「デイトレーダー(Day Trader)」と呼んでいます。
買ったり、売ったりして建玉(たてぎょく)したポジションを
瞬時に決済(スキャルピング)して1日に何十回もトレードするケースと、
一日のうちで数回だけ取引するというケースも同様にデイトレードと言います。
デイトレードは、特に為替取引(FX)を初めて取引する初心者の方、
時間に制約のあるサラリーマンや専業主婦、学生などに人気の取引手法です。
人気の理由は、外出先でも気軽に携帯等で取引が行えること、
時間にゆとりのある人は自宅のデスクに座りっぱなしで
パソコンに張り付いて取引が行えるなどの理由が挙げられます。
しかし、人気の取引手法でありながら、取引のルールや成り行きでのポジションの建て方など、
デイトレードの注意事項を把握していないがためにFXで収益を出せない投資家が多くいます。
スキャルピング取引のように数ピップス(利ざやポイント)を取るのか、
数十ピップスを狙いにいくのか・・・
時には100ピップス以上の収益を上げるのを狙いに行く可能性もあるでしょう。
デイトレードの長所短所や注意すべきことを知らずに、
値ごろ感や自分の感覚に頼ってFX取引をするほとんどの投資家が負けているはずです。
ここからは、FXデイトレードにおける注意すべき事項やポイントを具体的にご紹介させていただきます。
ファンダメンタル分析や建玉のタイミングに有効なテクニカル分析についても触れてまいります。
デイトレードのメリット&デメリット
メリット
- デイトレードはルール通り良いタイミングで取引を継続できているときは、
相場で勝つ確率が上がり、収益の増加が見込める。 - デイトレードはポジションを翌日に持ち越さないため安心して就寝することができる。
- デイトレードは初心者でも取引をスタートしやすい。
- デイトレードは時間が許す限り、何回も取引できる。
デメリット
- デイトレードは大きな収益が出せるポジションを持てた時でも時間的な制約で決済となる。
- デイトレードは一日中、チャートや為替動向に注視しなければならない。
- デイトレードは短期取引のため、チャート上で「だまし」となるサインが発生しやすい。
- デイトレードはスイングトレードなどの中長期トレードに比べると体力と時間が必要となる。
デイトレード取引に有効な時間帯とは?
デイトレードは24時間取引できますが、
その中でも取引を行う場合は以下の二つに該当する時間帯を選択するのが賢明です。
- 短期勝負の為に流動性の高い時間帯
- 主要国の経済指標が発表され、相場が動きやすい時間帯
順位としては下記のようになります。
- 米国の経済指標が発表される時間帯で季節によって時間帯は違うが、
21:00-24:00(初心者にはリスク高め。) - 時間に余裕のある人は、欧州の経済指標が発表され始める
17:00-24:00(NY指標発表時間になる前に夕食や入浴の休憩をを取れる。) - 東京時間スタートから、昼前まで。
09:00-11:30ぐらいまで(但し、日本当局の重要な発言や指標発表は昼過ぎも多いので注意)。
オセアニ アで特に人気のオーストラリアの重要な経済指標は東京時間の午前中が多く、
NZの経済指標の発表は、早朝もあります。
尚、日本の株式市場、ドル円相場に影響力が大きくなってきた
中国の経済指標発表も東京時間午前中がほとんどです。
尚、3のケースでは以下の2点も注目しておきたいポイントです。
- 09:55分ごろに仲値が決定され、仲値に向けて円安が進行して
10:00以降にスローダウンするなど、この時間帯に相場が活性化するケースが多いこと。 - トレーダーが早めのランチに出る前に短期ポジションを決済するなどの理由から、
11:00-11:30ぐらいも動くケースがあること。
注釈:仲値とはTTMとも呼ばれて銀行などの金融機関が、外貨売買において用いる基準レートの事です。
対顧客購入レート(TTB)と対顧客売却レート(TTS)の中間値となります。
デイトレードで勝率を上げるために必要なこと
デイトレードを行う上で考えるのは「いかに勝つか?」ということです。
ここでは、勝率を上げる為に重要なことを説明します。
▶自分に合った勝ちパターンが多い取引スタイルを見つけ出すこと
デイトレードではスキャルピング取引も含めて、利用するチャートの確立など、
自分にあった勝ちパターンが多い取引スタイルを見つけだしましょう。
▶初心者の内は自分に合ったチャートを参考にデイトレードを進めること
初心者の内は、最も大切なエントリーポイントがわかり易い
自分にあったチャートを参考に慎重に始めていきましょう。(単純な短い時間足の移動平均線を推奨します。)
▶自分で決めた損切りルールを徹底的に実行すること
デイトレードでは思うように相場が動かなくても
多少のロスは出ても、自分で決めた損切りルールは徹底的に実行しましょう。
▶FXに対する知識、興味を膨らませること
業界用語やファンダメンタル分析に必要な知識(毎日のように発表される主要国の各経済指標の内容)を磨く。
1日に15-30分でいいので、常に不明点を抱えずに前向きに勉強してFXに対する知識、興味を膨らませましょう。
その日に取引する通貨ペアを選択する
▶トレンドが出ているボラティリティが高い通貨ペアを選択する
臨機応変に決めても良いとは思いますが、デイトレードに慣れてきたら、
その日にトレンドが出ている状態のボラティリティ(ボラ)が高い通貨ペアを選択します。
初心者の内はドル円、オージー円、ユーロ円を選択するのが、危険度も少なくおすすめします。
対ドルでユーロドル、オージードルとか英国の重要指標の発表(金利政策等)があるときは、
リスクは大きいですが、ポンド円はボラが高く、面白いでしょう。
▶主要国の経済指標発表に合わせて選択する
主要国の経済指標発表に合わせ、短期で集中してストップを浅めにして瞬時の収益を狙うのもいいでしょう。
例えば、豪州の重要経済指標の発表時は、オージー円をメインに 取引し、
同様に欧州時間はユーロドルとか目標を定めて取引をすることです。
市場では経済指標時だけの大きいブレを狙って取引するトレーダーも少なくありま せん。
但し、早い時間に構築したポジションは通常プロの世界では、
経済指標の前にはスクエアー(ポジションを閉じて)にしてリスクを軽減し、発表時間に備えるのが通常です
(FXはギャンブルではありません)。
まとめ
経験上、デイトレードで特に超短期トレードで取引回数を重ねる手法はかなり体力と時間が必要です。
人間の集中力(6時間がベストと言われている)を考慮すると長時間の取引はストレスがたまります。
そのため、デイトレード取引を行う際には、自分がFX取引をする時間を決定しておくことをおすすめします。
また、デイトレードの手法はあちこちで謳われていますが、
大切なのは自分の取引レベルや生活スタイルに合わせた「自分にあったパターン」を見つけることです。
そのパターンを見つけ出し、自在に使いこなすことが出来るようになることが、
FXの勝率を上げるために必要不可欠です。
大変参考になりました。
有難うございます。