今回の記事では、トルコリラスワップについて解説します。
ですがその前に、簡単なトルコの知識を身につけておきましょう。
トルコという国
- トルコの人口は約8000万人
その数は、近い将来にはドイツを抜いてEU加盟国でも
有数の人口を誇るようになる可能性が強いと言われるほどです。 - VISTAの一員
トルコはベトナム、南ア、インドネシア、アルゼンチンとともに
BRICSに次ぐVISTAの一国です。 - トルコの産業は武器サービス業が中心
産業は地理的有利生を武器(欧州とアジアの中間)サービス業を中心に
工業、観光、輸出(自動車)が主体。 - インフレが起こりやすい
いまだい経常赤字、対外債務が問題視されていてインフレが起こりやすい。 - 経常赤字になりやすい
経済成長していると内需が増え、
それにより輸入が増える現象が起こり経常赤字となりやすい。 - 新興国経済の典型をいっている
経済成長しているとお金が必要になるため、
外国から借金してでもインフラ整備と対外債務を増やしやすい。(新興国経済の典型)
通貨変動の背景
2005年1月1日、ハイパーインフレの為に
トルコはデノミを実施しIMF管理下となりましたが、翌年よりEU加盟を交渉。
リーマンショック後、リスク回避のためにトルコリラは下落トレンドに突入して
その後の円高圧力で下落は継続中です。
トルコリラは対米ドルでも売られていていますが、
更なるリスクオフになると、円買い意欲によりまた下落する可能性もあります。
但し、2016年7月のクーデター失敗事件で
37円近くから現在の水準の34円ミドルに至っています。
政情鎮圧は緩やかに進んでいるという情報もありながらも
継続的にテロのニュースが聞こえてきており、
しかしその状況下でも経済成長率は2009年以降プラスで成長継続、
2015年3.8%で2016年もIMF推定ではありますが、同水準との評価を受けています。
結論としては、世界経済が好転してトルコ国内の政情が安定してくれば
トルコリラ上昇の可能性もあるというところで、ジャッジは難しいところです。
※現在の政策金利は2016年10月現在で
7.50%となり2015年2月の下げからは据え置きとなっています。
今後は不透明ながら、対円でも7.50%というのは美味しいかと思います。
トルコリラのスワップ金利(スワップポイント)
問題はここです。
一日当たりのトルコリラのスワップ金利は、各社まちまちで大きな隔たりが実在します。
金利支払い金額が高額なので
売りからポジションを持つ投資家はいらっしゃらないはずで、
買いの場合の1リラあたり35円から115円と信じられないくらい差異が凄く大きくなっています。
そのため、取引会社はその会社の信用性や取引規模、知名度などを
慎重に探って厳選する必要があります。
トルコの政策金利推移
下記はトルコの政策金利の推移を表にまとめたものです。
年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2016年 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | ||
2015年 | 7.75 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 |
2014年 | 10.00 | 10.00 | 10.00 | 10.00 | 9.50 | 8.75 | 8.25 | 8.25 | 8.25 | 8.25 | 8.25 | 8.25 |
2013年 | 5.50 | 5.50 | 5.50 | 5.00 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 |
2012年 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.50 |
2011年 | 6.25 | 6.25 | 6.25 | 6.25 | 6.25 | 6.25 | 6.25 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 |
2010年 | 6.50 | 6.50 | 6.50 | 6.50 | 7.00 | 7.00 | 7.00 | 7.00 | 7.00 | 7.00 | 7.00 | 6.50 |
2009年 | 13.00 | 11.50 | 10.50 | 9.75 | 9.25 | 8.75 | 8.25 | 7.75 | 7.25 | 6.75 | 6.50 | 6.50 |
2008年 | 15.50 | 15.25 | 15.25 | 15.75 | 15.75 | 16.25 | 16.75 | 16.75 | 16.75 | 16.75 | 16.25 | 15.00 |
参考:http://www.miyako-kankou.com/try.html
▶︎政策金利の変更の可能性
トルコリラ・対ドルで最安値更新をしているため
今後の政策金利の変更があり得るのではないか、ということが表から読み取れます。
▶︎トルコリラ円と政策金利の相関性
2013年からの4.50%から10.00%という金融引き締めを経て、
2014年からの10%-7.5%と大幅な緩和策で現状なNO CHANGEとなっています。
トルコリラ円と政策金利の相関性は
下に指し示したチャートのようにあまり感じられないのが妙なところです。
▶︎トルコリラ下落の原因は?
最近のトルコリラの下落の原因としては、
世界経済情勢の悪化やクーデター、国内テロが要因としては大きいはずです。
以上のことから、個人的にはどこが上昇転機になるか分からないので
もちろん浅いストップ売りは入れながら、
取引金額を押さえて超長期でキャリーする方法を推奨します。
参考のために、トルコリラの推移を日足と週足で載せてみました。
トルコリラ円日足
参考:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/data/try.html
トルコリラ円週足
参考:http://zai.diamond.jp/list/fxchart/detail?pair=TRYJPY&time=1w#charttop
チャートを見てみると、クーデター前の37円あたりに大切なレジスタンスがあるが、
チャート的には39円、42円後半を超えてくるようだと
キャリートレードの妙味が出てきそうです。
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