記念すべき第1回は、世界の基軸通貨のアメリカ合衆国の通貨『ドル』と
日本人の自国通貨の『円』の通貨ペアのドル円です!
それでは早速見て行きましょう。
アメリカ合衆国
アメリカ合衆国は人口3億人以上、面積は日本の25倍の960万平方kmと2非常に大きな国です。
政策金利は0.5%と低金利です。
2011年8月S&Pは、アメリカの長期格付けを史上初の、トリプルAからAA+に引き下げ、
超大国アメリカの地位に陰りが見えたものの、その発言力、政治力は圧倒的に日本を上回ります。
また、2012年6月に開催されたメキシコG20で、
オバマ大統領の「通貨を過小評価させるための市場介入をすべきではないとG20が合意した」という発言で、
日本政府(日銀)は円高を是正するための為替介入が出来なくなり、歴史的な円高局面に突入しました。
このように、日本への影響力は非常に強く、
世界的にももっとも注目を集めているのがアメリカ合衆国です。
ドル円の歴史
戦後のドル円は1ドル360円からスタートしています。
しかしこの後一貫して、アメリカの経済や政治的圧力によりドル安傾向が続いています。
1985年のプラザ合意ではドル安を誘発する為市場初めての協調介入が行われ、
その後も引き続きドル安をアメリカが容認した為、1995年には1ドルが79円まで下落しています。
かつての円高の要因として、アメリカの方が日本より金利が高い、金利差があげられます。
金利差は一時的なドル上昇を引き起こすものの、結局通貨の価値が下落。
同時にドル円も下落を続けました。
またプラザ合意以降、日本の輸出が黒字続きなのも円高要因の一つです。
しかしリーマンショック以降、日米両国がゼロに近い金利に陥り、金利差が無くなった事。
近年日本の貿易先がアメリカより中国、新興国へ移りつつある事。
更に東日本大震災で一時的に貿易赤字に陥った事により、ドル円下落要は減少していると言えます。
ただしアメリカの政治力はまだ圧倒的に強い為、
アメリカがドル安容認の動きを見せれば、再びドル円は下落するでしょう。
ドル円に影響を与える要因
他通貨とのクロス円の取引の動きが、ドル円にも非常に大きな影響を及ぼします。
例えば、ギリシャ問題等のヨーロッパの危機でリスクが高まると
ユーロ円の売りが始まり、結果ドル円の売りも加速します。
日本円は世界市場では安全通貨として捉えられていて、
市場にリスクがあると考えると投資家達がドルやユーロを売り、円を買うという傾向があります。
逆に世界市場が安定してくると、円を売り、
豪ドルやニュージーランドドル等の高金利通貨を買うという
俗にいう円キャリートレードが行われ、
円の価値が下がり相対的にドルの価値があがるので、ドル円は上昇する傾向が見られます。
もう一つの要因は、アメリカの金融政策です。
アメリカの経済政策は、一度決定すると継続する傾向にあります。
現在アメリカは緩和政策をとっていますが、
これがいつまで続き、いつ引き締めに転ずるかが、ドル円上昇の時期を見極める鍵となるでしょう。
ドル円はこう攻めよう!
アメリカの緩和政策がとられている間は、ドル円の上昇はあまり期待できません。
ただ、世界的な景気減速の不安が高まる時、一時的ではあるものの、ドル円の上昇が期待できます。
それはまだドルが、世界で最も信頼出来る通貨として認識されている為です。
2007年から行われているアメリカの金融緩和により、アメリカはドル安を容認しています。
しかしこれが解除されない限りは、
ドル円の上昇は一時的なもので結局は下落に転ずるという事を、頭に入れておきましょう。
また起こり得るドル円が上昇する状況は、
ドルだけで無く債券や株も同時に下がった時アメリカが下落を止める為、ドル高誘発に動く時です。
日銀が大規模な緩和策を打ち出した時も、上昇する要因の一つと言えるでしょう。
そして市場不安が消え、世界的な景気回復、
そしてアメリカの景気回復が起こる時も同様、ドル円は上昇すると言えます。
これらの時期を、常にニュース等でアンテナを張り、
相場を見ながら予測する事で、トレードを有利に導くことが出来るようになります。
逆に言えば、そういった大きなニュースが無い限りは
ドル円は売りの方が有利という見方が強いのが現状です。
まとめ
さて、第1回という事でもっともメジャーなドル円についてレポートしてみました。
ただ、この情報は普遍的なものではなく、
今後の世界情勢の変化によってトレンドが転換する可能性は大いにあります。
ですので、ぜひ世界の動きにアンテナを立てて、
常に情報をアップデートしながらご自身のトレードを行っていくようにしましょう。
次はユーロに関してレポートさせて頂きます。
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