為替介入(exchange intervention operation)とは?
為替介入とは外国為替平衡操作とも呼ばれ、
外国為替相場を安定させる事を目的に、
財務省や中央銀行など通貨当局が外国為替市場で実施する
通貨(外国為替)の売買取引のことをいいます。
急激な為替相場の変動が
実態経済や企業収益などに悪影響を及ぼすのを抑えることを目的に実施されるもので、
日本では、財務大臣が円相場の安定を実現するために用いる手段として位置付けられており、
財務大臣の権限において日本銀行・BOJが実施しています。
単独介入
一つの国・地域が単独で実施して行うもの
協調介入
複数の国・地域の通貨当局が協議して
同時または連続的に為替介入を行うもの
一般的には、当局者が市場にて口先介入やレートチェックをし、
インパクトを与えても効果が見られない時に行います。
急激なドル安円高の局面では円売りドル買い介入を実施し、
また急激なドル高円安の局面では円買いドル売り介入を実施し、
為替相場の変動を抑えようと市場動向を調整しようとするのです。
外国為替市場で、実際に介入が行われた時の金額や規模の詳細については、
財務省が毎月月末に公表する月次ベースで
外国為替平衡操作の実施状況や四半期に公表する
外国為替平衡操作の実施状況で見ることが出来ます。
1999年-2000年には頻繁にドル買い介入が実施されていた!
日時 | 金額 | 通貨ペア |
1999年1月12日 | 6563 | 米ドル買い・日本円売り |
1999年6月10日 | 1665 | 米ドル買い・日本円売り |
6月14日 | 14059 | 米ドル買い・日本円売り |
6月18日 | 4379 | ユーロ買い・日本円売り |
6月21日 | 9272 | 米ドル買い・日本円売り |
1999年7月5日 | 7837 | 米ドル買い・日本円売り |
7月20日 | 1792 | 米ドル買い・日本円売り |
7月21日 | 4052 | 米ドル買い・日本円売り |
1999年9月10日 | 6401 | 米ドル買い・日本円売り |
9月14日 | 3794 | 米ドル買い・日本円売り |
1999年11月29日 | 7244 | 米ドル買い・日本円売り |
11月30日 | 4104 | 米ドル買い・日本円売り |
1999年12月24日 | 3704 | 米ドル買い・日本円売り |
2000年1月4日 | 5753 | 米ドル買い・日本円売り |
2000年3月8日 | 1501 | 米ドル買い・日本円売り |
3月15日 | 8468 | 米ドル買い・日本円売り |
2000年4月3日 | 13854 | 米ドル買い・日本円売り |
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上記の表を参照すると、2001年の9月の介入については、
その後の上昇トレンドを形成するきっかけともなるタイミングに介入を行ったこともあり、
後で振り返ってみると、かなり効果的な介入であった事実は理解できます。
しかし、2002年の5月-6月に行われた円売り介入は、
円高の流れに歯止めがかからず、
市場には影響力を与えられなかった為替介入であったとの印象があります。
印象的なのは、2003年1月から2004年3月にかけて行われた為替介入ですが、
期間、投入金額ともに当局が気合を入れて実施していたのですが、
円高トレンドを食い止められずに効果が見られませんでした。
(市場参加者はBOJの介入がひとまず収まると売りまくって稼いでいた)
データ的にも円高局面で当局が口先介入や実際の介入を行って
トレンド転換に傾斜したことはほとんどなく、
逆に介入後にドル売りを仕掛ける手法が有効であったと言えます。
介入の種類
- 口先介入-本邦要人の市場へ圧力発言
- 覆面介入-市場へは公表せずに隠密に介入(2011年)
- 協調介入-複数の中央銀行が協力して介入。
- 委託介入-海外時間帯に他国の中央銀行に委託して介入
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