FX取引を行っている投資家の方々は、もうすっかりご存知だと思いますが、
スワップ金利について説明いたします。
スワップ金利とは?
スワップ金利は、FXにおいて「スワップポイント」とも言われています。
元来、スワップという言葉は「交換」を意味していて、
外国為替市場では、SPOT(直物)とFORWARD(先物・スワップ)の売買という
二つの意味で取引されています。
日本でのFX取引の大半は、直物取引です(先物も取引できる会社もあるはず)。
簡単に言うと、日本では銀行に円を預金していても金利が低いために
金利(利息)が高い通貨を選択して外貨預金を選ぶ投資家もいますが、
これがFXになると、同様に円を売って金利の高い外貨を買うと
スワップポイントという金利収入を得ることが出来るのです。
スワップ金利とは取引通貨の日ごとに受け取れる1日当たりの金額を言います。
但し、取引する外貨が日本より金利が低い場合は、逆に利子を支払わなければいけません。
この時に基準となるのが、各国の政策金利になるのです。
ではここで、FXを取引される主要各国の政策金利をチェックしてみましょう!
現在の主要各国政策金利
年/月 | USD | EUR | GBP | AUD | CHF | CAD | NZD | ZAR | JPY | TRY |
2016/10 | – | – | – | 1.50 | – | 0.50 | – | – | – | – |
2016/09 | 0.50 | 0.00 | 0.25 | 1.50 | -1.25 | 0.50 | 2.00 | 7.00 | 0.10 | 7.50 |
2016/08 | 0.50 | 0.00 | ↓0.25 | ↓1.50 | -1.25 | 0.50 | ↓2.00 | 7.00 | 0.10 | 7.50 |
2016/07 | 0.50 | 0.00 | 0.50 | 1.75 | -1.25 | 0.50 | 2.25 | 7.00 | 0.10 | 7.50 |
2016/06 | 0.50 | 0.00 | 0.50 | 1.75 | -1.25 | 0.50 | 2.25 | 7.00 | 0.10 | 7.50 |
2016/05 | 0.50 | 0.00 | 0.50 | ↓1.75 | -1.25 | 0.50 | 2.25 | 7.00 | 0.10 | 7.50 |
2016/04 | 0.50 | 0.00 | 0.50 | 2.00 | -1.25 | 0.50 | 2.25 | 7.00 | 0.10 | 7.50 |
2016/03 | 0.50 | ↓0.00 | 0.50 | 2.00 | -1.25 | 0.50 | ↓2.25 | ↑7.00 | 0.10 | 7.50 |
2016/02 | 0.50 | 0.05 | 0.50 | 2.00 | -1.25 | 0.50 | 2.50 | 6.75 | 0.10 | 7.50 |
2016/01 | 0.50 | 0.05 | 0.50 | 2.00 | -1.25 | 0.50 | 2.50 | ↑6.75 | 0.10 | 7.50 |
2015/12 | ↑0.50 | 0.05 | 0.50 | 2.00 | -1.25 | 0.50 | ↓2.50 | 6.25 | 0.10 | 7.50 |
2015/11 | 0.50 | 0.05 | 0.50 | 2.00 | -1.25 | 0.50 | 2.75 | ↑6.25 | 0.10 | 7.50 |
※中国の政策金利は現在4.35%です。
※高金利が目立つのは、トルコリラ(7.5%)と南アランド(7.0%)。
投資家の心理と具体例
個人投資家の心理としては、例として1年間通貨の変動が無ければ、
当然ながら高金利通貨【政策金利の高い】の方が
より多い利息を受け取れるので魅力的になります。
しかし、そう簡単にいかないのがFX取引なのです。
下記はAUDJPYの推移(週足)チャートです。
参考:http://zai.diamond.jp/list/fxchart/detail?pair=AUDJPY&time=1w#charttop
これを見ながら解説していきます。
例えば高金利通貨を対円で買ったとします。
2015年10月に85円で買った豪ドル円(10万豪ドルを円で買い、850円を支払う)が
1年後の2016年10月に80円(10万豪ドルの価値は800万円)になったとしましょう。
そして、豪ドル円のスワップポイントが1万豪ドルあたり30円とします。
10万ドルですから、1日につき300円金利をもらえて
年間109,500円を金利収入でもらえることになりますが、
豪ドルの価値が下がり(あるいは円高に進行して)為替差益では500,000円の損失になります。
そうなると、差し引き390,500円の損失という評価になってしまうのです。
逆に円安トレンドに乗っかれると、為替差益で儲けて
なおかつ金利収入も受け取れることになります。(キャリートレード)
また、トルコリラ円取引でトルコリラを買って円を売るとして、
単純な計算で解説をしてみます。
この時トルコの政策金利は現状7.5%、日本は0.1%だとすれば
年率で差し引き7.4%となるスワップポイントを受け取れることが出るのです。
但し、上記の例と同様に為替リスク(為替差益)が生じてくるのです。
高金利通貨のリスク
高金利通貨は、いわゆる新興国通貨でもあって、
世界的に見れば主要国通貨に対して
流通量も市場で取引する投資家数も少ないのが現状です。
なおかつ国債金融市場に置いて、
政治的にも経済的にも主要国に対して安定度が低く、
その国の安全性【債務不履行など】も低いため、
何かアクシデントが起きたら、ものすごい勢いで下落するリスクを高く持っています。
金融市場においてその国の経済ニュースを掴む事もまだまだ難しく、
投資するにはリスクが大きすぎるという理論です。
ファンドなどは、比較的安全な投資方法を選択して巨額の資金をつぎ込み、
確実に投資実績を確保していくのが、彼らの方法です。
また、金利は主要国の中で低く設定されていますが、
有事の緊急避難通貨として一時的に巨額の資金が流入する
CHF(スイスフラン)やJPY(日本円)などはリスク時における代表的な例です。
注意しておきたいこと
この件は意外と重要なのです、心に留め置いてください。
スワップ金利・ポイントの設定は各FX会社、証券会社によって大きな差異があります。
そこで中長期で運用する場合などは、
年間ベースでのスワップ金利収入や金利支払額はバカになりません。
FX・証券会社は顧客が取引した巨額な各通貨の決済を
毎日、取引銀行(外資系銀行、メガバンク)との間で決済業務をしておりますが、
その際の金利コストが各社とも異なるのです。
ですから、顧客に対するスワップポイントの提供が、良心的な取引会社を選びましょう!
ネットでスワップ金利比較サイトを
簡単にチェックすることが出来るので、是非調べてみましょう。
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