現在のカナダの政策金利は0.5%です。
すでに9回連続で据え置きとなっており、
2016年10月19日のカナダ中銀の政策金利発表も据え置きが予想されています。
日本のFX投資家の多くは
対円のCADJPY(カナダ円)の通貨ペアーで取引しているかと思いますが、
欧米市場ではUSDCAD(ドルカナダ)の取引が主流となっています。
ここでカナダについて基本知識を勉強してみましょう。
カナダドルの特徴
記事執筆時は79.30近辺で推移しています。
1990年初期あたりは対円で130円を超えていた時期もありましたが、
その後急落して1995年4月に57.76円という史上最安値を記録(その時のドル円は79.75)し、
最近のカナダ円の高値は2015年の106円となっています。
これにより、カナダドルがここ二年でスローダウンしてきている事が良くわかります。
そして同時にボラも高い通貨ペアーだと認識できます。
カナダは米国の隣国でもあることから、ドル円と同様な動きをすると言われています。
貴金属や原油の相場に左右される
資源国通貨(天然ガス、パルプも有名)として機能していますが、
原油埋蔵量は国土の広さ同様に2番目(1番はサウジ)を競っています。
原油価格を中心とした資源価格が上がるに比例して
価値が上がりやすいのが、カナダドルの特徴です。
他には、輸出相手国の約8割が隣国アメリカであることから、
他の通貨に対して米国の景気いかんでその価値がドルと連動するのも特徴です。
カナダの注目指標としては、政策金利発表、失業率、CPI,貿易収支、小売利上高、
IVE購買部協会指数、住宅着工件数などが指標に瞬時に反応しやすく、
こういった背景から、CADJPY、USDCADは短期トレードに面白い存在です。
カナダ
- 人口―3585万人(2015年)
- 首都―オタワ
- 面積―998万km2(日本の約27倍で世界NO.2
- 中央銀行―カナダ銀行(BOC)
- 国債格付け- AAA
- GDP-1.45%(2016年)
- 産業―石油、鉱物(金)、輸送機器、天然ガス、化学品、ウラン、木材
(GDPの比率は金融、通信、小売りが約70%を占める)
RBC(カナダロイヤル銀行)、TD(トロント・ドミニオン銀行)、
ノバスコシア銀行、BMO(モントリオール銀行)などは
インターバンクの中でも取引が活発で、金融業界・FX業界でも名が知れています。
カナダドルのポイント
▶︎原油価格の底入れが好材料
輸出の約3割をエネルギー関連製品が占めるカナダ経済にとって、
原油価格の底入れは好材料です。
▶︎需要の伸びは中国の状況次第
中国の財政支出に伴う堅調な需要の伸びは見られたが、今後の中国の状況次第。
イランの4月の生産量がほぼ供給能力に達したことにより増産可能性が更に低下している。
▶︎原油価格の上昇見込み
2017年7-9月期には需要超過に転じると見込まれる中で、
原油価格は同年末には同50~75ドル/バレルへ緩やかに上昇する可能性が強い。
そうなると、今後1年間のカナダドルの対円レートのレンジを
1カナダドル=74~83円と想定することができます。
▶︎カナダはG8に加盟している・・・が。
カナダは新たにロシアを加えたG8の中に入っています。
(現在の加盟国はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、ロシア)
G8に加盟していること、貿易収支や財政収支の黒字をキープしていて
格付けも最上位にランクされていていることは先進国の仲間カナダの確かな事実です。
しかし機関投資家の多くは、現状の金利面を考慮してか、
投資材料としてカナダドルを積極的には購入していません。
CADJPY&USDCADの推移 (-出典:BBGより)
最近のCADの金利推移 (-出典:BBGより)
まとめ
総論として、カナダドルはドルと連動する事を前提にした中長期ポジションか、
有事の超短期の資金の流れを狙った取引には有効です。
AUD VS NDのようにUSDCADでポジション構築してみても面白いでしょう。
動向を試す目的であれば、少額の取引を試してみるのもいいと思います。
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