アメリカ

トランプ・トレード・トレイサー

トランプ・トレード・トレイサー

BOAメリルリンチのアナリストが紹介した記事に、
「米国大統領選でトランプが勝利してから、
市場がどのポジションを取ってきたかが一発で分かる!」
といった内容の記事があり、印象深かったので記事にしてみます。

 

2016年3月までのデータ

2016年3月チャート

上記は

ファイナンシャル・セレクト・セクター SPDR ETF価格
 ÷ iシェアーズ米国債20年超ETF価格

の結果を昨年3月末からフォローしたもので、
チャートが上に行くほど金融株式の価格上昇、
或いは米国長期債ETFの価格下落の度合いが強まることを意味しています。

緑で○囲いしたところがまさしく、米大統領選後で金融株が爆上げした時期を示すものです。

また、そのころから米国金利上昇が顕著になり、
12月のFOMCで利上げが実際行われた時の声明で
2017年の追加利上げの回数を巡ってタカ派的な論調が鮮明となったことで、
いよいよ米国債売りに拍車がかかりました。

よってこのチャートは更に上昇したわけです。

 

そして、一昨日の米連銀関係者のタカ派発言、
昨日のトランプ氏の議会演説を経てこの指標の上昇が再点火したということになります。

 

トランプ・トレード・トレイサーとして見るのも面白いのですが、
せっかくなのでデータがもっと長期で取れるので、
いっそのこと2007年、サブプライム危機直前から追ってみようということで、
視覚化したものが下のチャートです。

 

2007年以降FTFシェア価格

 

これを見ると当然ながら、
サブプライム~リーマン危機時の
金融株の落ち込み方が痛いほどよく伝わってきます。

直近の数値0.20というのは2014年前半の0.17を抜いてきており、
当面は金融株買い/長期債売り、
或いはその両方が同時進行する勢いが強く推移する予感をはらんでいるようです。

しかしながら、トランプさんのお手並み次第で
それがどこまで行くのかはわからないとも言えます。(参照―ブルムバーグ)

アメリカと中国の経済相関性と日本の関わり

米中相関

経済番組である大手証券のアナリストが
下記のチャートを為替コメントに使っていました。

こちらがとても興味深いものだったので紹介します。

米中相関チャート

これは、中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)の
新規受注データの3カ月移動平均値を3ヵ月先行させたものと
米10年物国債利回りに一致性がみられるというものです。

 

チャートから読み取れること

調べてみるとなんとなく方向性は確かにシンクロしているように見えます。

2013年の後半はバーナンキのテーパリングショックで
米国債利回り上昇ペースが早い
ことも確認できるし、
逆に2015年は中国の景況感の悪化にも関わらず
米国利上げ期待から米国債利回りは上昇したという点
も考えれば、

必ずしも両者の動きに一致性があるという訳ではないですが、
大まかな方向性・相関性としてはいい線行っているように見えています。

世界のGDPの1位と2位を占める大国同士の経済は
それなりに結び付き・影響度合いが強いという面は否定できないでしょう。

 

そして直近では
中国のPMI新規受注指数が底打ちから
拡大ペースを徐々に強めだしている
ところに、

米国大統領戦のトランプマジックによる米国債利回り急騰・・・
案外2017年の世界はそれほど暗くないのかも知れません。

 

米中相関チャート

この2つのデータを散布図にしてみると上のような状況が見えてきました。

これはリーマンショック発生後の2010年から
直近
201611までの期間をみています。

米国債利回りの変動を説明する変数は数限りなくある訳で、
それを中国PMI新規受注の変動だけで説明するのはもちろん無謀です。

しかし敢えて両者の相関性の高さという点に絞って見てみると
決定係数(散布図中のR2)は0.5934…59%の説明力があるということで、
まあまあ相関性が高いという結果になりました。

 

米中相関による日本への影響は?

さて、この両大国経済の好転のおこぼれを日本はどの程度享受できるでしょうか?

ある外資系証券のアナリストによれば
2017年の日経平均の高値目標は22,000とのことです。

果たしてどうなるでしょうか?

中国の1年債と10年債の利回りの推移

中国の1年債と10年債の利回りの推移

中国の1年債と10年債の利回りの推移

BBGの記事によると、
中央銀行が政府保有企業を主とする国内のデレバレッジを強制的に進めようと、短期のリクイディティを絞り込んだため、
1年債の利回りが急騰し、結果として10年債利回りマイナス1年債利回りとして表されるイールドギャップが縮小し、
イールドカーブはフラットニングしているということです。

 

イールドギャップ

これにより米国でもベアフラットニングとなっているようですが、
その事情は違うようです。

記事によれば10年債利回りが上昇し価格が下落する余地がまだまだあるとのこと。

新たに投資に向かうのならいいですが、
既存の長期債保有者にとっては非常に気がかりになってきます。

 

BOJは昨日長期債利回りの無軌道な上昇は容認しない姿勢を示していましたが、
中国の場合景気が上向き基調にあるだけに、
実質金利も上昇する可能性は大きくあります。

相当の資金が新興国通貨などからドルへ移行してきている現在、
2017年の動向には気が抜けなさそうです・・・。

 

 

(参照―チャート・記事ともにブルムバーグ、201612,22)