頻繁にIMFという言葉が出てきますが、
学生のころに習った国際通貨基金の事です。
IMFといえば、主要国の金融問題に
平然とコメントしたりしていますが、少し復習してみましょう。
IMF(国際通貨基金)の基本的なデータ
IMF(International Monetary Fund、国際通貨基金)は、
1944年(昭和19年)7月の、いわゆるブレトン・ウッズ会議
(米国ニュー・ハンプシャー州ブレトン・ウッズで開催された連合国国際通貨金融会議)で創立が決定、
同会議で調印された「国際通貨基金協定(IMF協定)」により
1947年(昭和22年)3月に業務を開始した国際機関です。
*2016年(平成28年)9月末時点での加盟国は189か国です。
IMFの主な目的
IMFの主な目的は、加盟国の為替政策の監視(サーベイランス)や、
国際収支が著しく悪化した加盟国に対して融資を実施することなどを通じて、(1)国際貿易の促進、
(2)加盟国の高水準の雇用と国民所得の増大、
(3)為替の安定、などに寄与.
主な会合には、年1回秋に開催される年次総会と呼ばれる世界銀行と合同の総務会、
原則年2回開催される国際通貨金融委員会
(IMFC、International Monetary and Financial Committee)などがあり、
日本銀行からも総裁が出席しています。(出元-BOJ)
1980年代には累積債務国の救済が中心でしたが、
1990年代初頭の東西冷戦終了を機に、IMFの出番はますます増えてきました。
1990年代に入ると東欧並びに旧ソ連諸国の市場経済への移行支援
1994年のメキシコ通貨危機
1997年のアジア通貨危機に関わる経済支援
以上のように主導的な役割を果たしました。
リーマン・ショック後のギリシャ支援も覚えてらっしゃる投資家の方も多いでしょう。
IMFは加盟国の経済の安定を図るために活動している国際機関で
代表である専務理事はフランスの政治家/弁護士のクリスティーヌ・ラガルド氏です。
その目的は前文と重なりますが、わかりやすいので再認識しておきましょう!
・通貨と為替相場の安定化
・国際収支の赤字国や発展途上国への金融・技術支援
・経済危機にある国への金融支援
非常事態を防止するための監視と
解決加盟各国が等しく一票を有する国際連合の総会と異なり、
IMFでは出資額を反映した意思決定が行われます。
出資割合は米国の17.41%を筆頭に
日本6.46%、中国6.39%、ドイツ5.59%など、主要国が上位に並んでいます。
この通貨の番人としての看板を背負っているIMFですが、
出資割合からなのかという疑問が湧きますが、
実は、重要事項の議決には85%の同意が必要ですが、
上で触れたように米国の出資割合は17.41%で本部が米国ワシントンにあり
事実上の支配権(拒否権)を握っていると言われているのです。
尚、IMFの歴代トップは欧州出身。
新興国に厳しい政策を求めてきたと批判されてきたIMFが
欧州諸国にいい加減な支援をすると問題視されますし、
米国や欧州の一国だけではなく、問題は複雑です。
ユーロ圏において、欧州の一国の救済問題で程遠い国にいる日本人も
国際金融市場を安定させてほしいと痛感はしているものの、
移民問題同様に欧州の一国のそのために払う犠牲に対する欧州諸国の国民の反発は非常に強く、
英国の後追いのEU離脱劇が起こらないとは限りません。
(参考:IMF)
( JOI 国際金融機関便覧(IMF)2016 )
コメントを残す