前回のBISの調査では、1DAY当たりの為替取引額は5.3兆ドルと公表されていて、
 そのうち米ドルで87.0%がドル取引に絡んでいると言います。
次点がユーロで33.4%、それ以降は、日本円、英国ポンド、オージードル、スイスフランの順となっています。
そして興味深いのは、下記にある世界の通貨別の取引高を見てください。
世界の通貨ペア別取引シェア
(グローバル市場における1日平均 単位:10億米ドル)
| 2007年 | 2010年 | 2013年 | 2016年 | |||||
| 通貨ペア | 取引高 | シェア | 取引高 | シェア | 取引高 | シェア | 取引高 | シェア | 
| USD/EUR | 892 | 27% | 1,098 | 28% | 1,292 | 24% | 1,173 | 23% | 
| USD/JPY | 438 | 13% | 567 | 14% | 980 | 18% | 902 | 18% | 
| USD/GBP | 384 | 12% | 360 | 9% | 473 | 9% | 470 | 9% | 
| USD/AUD | 185 | 6% | 248 | 6% | 364 | 7% | 266 | 5% | 
| USD/CAD | 126 | 4% | 182 | 5% | 200 | 4% | 218 | 4% | 
| USD/CHF | 151 | 5% | 166 | 4% | 184 | 3% | 180 | 4% | 
| USD/その他 | 669 | 20% | 749 | 19% | 1.169 | 22% | 1.248 | 25% | 
| EUR/GBP | 69 | 2% | 109 | 3% | 102 | 2% | 100 | 2% | 
| EUR/JPY | 86 | 3% | 111 | 3% | 148 | 3% | 79 | 2% | 
| EUR/CHF | 62 | 2% | 71 | 2% | 71 | 1% | 44 | 1% | 
上記の表に置いて注目すべきは、最大のシェアーは、
 米ドルとユーロの通貨ペアで2016年のデータで23%、
 それに続くのが、米ドルと日本の円の取引額だということです。
英国ポンドとA$(対US$)の取引額シェアがここ数年で減少傾向ということです。
これはBOJによる数年継続中の金融緩和が、
 米国を中心に世界中の投資家たちの関心を呼んで取引高が増えてきていると言えるでしょう。
主要国の市場規模(取引高シェア)
(グローバル市場における1日平均 単位:10億米ドル)
| 2010年 | 2013年 | 2016年 | ||||
| 地域 | 取引高 | シェア | 取引高 | シェア | 取引高 | シェア | 
| イギリス | 1853.6 | 36.8% | 2726.0 | 40.8% | 2426.1 | 37.1% | 
| アメリカ | 904.4 | 17.9% | 1262.8 | 18.9% | 1272.1 | 19.4% | 
| シンガポール | 266.0 | 5.3% | 383.1 | 5.7% | 517.2 | 7.9% | 
| 香港 | 237.6 | 4.7% | 274.6 | 4.1% | 436.6 | 6.7% | 
| 日本 | 312.3 | 6.2% | 374.2 | 5.6% | 399.0 | 6.1% | 
| フランス | 151.6 | 3.0% | 189.9 | 2.8% | 180.6 | 2.8% | 
| スイス | 249.5 | 4.9% | 216.4 | 3.2% | 156.4 | 2.4% | 
| オーストラリア | 192.1 | 3.8% | 181.7 | 2.7% | 134.8 | 2.1% | 
| ドイツ | 108.6 | 2.2% | 110.9 | 1.7% | 116.4 | 1.8% | 
| デンマーク | 120.5 | 2.4% | 117.4 | 1.8% | 100.8 | 1.5% | 
上記の国別の市場規模でおわかりになるように
 相変わらずに英国(歴史的にも非常に古くて時間帯的にも世界中の大きなプレイヤーが集結しやすい)ですが、
 面白いのは、少しずつですが米国がそのシェアを上げてきていることです。
大分前から、アジアでの金融センターとしての役割を果たしている
 シンガポール、香港が、新しいデータでも東京より出来高が多いということを知っておくべきでしょう!
いかに日本でのFX取引が急増しているとは聞いても、
 日本で個人投資家によるFX取引が認可される前
 に日本人は大きめの携帯電話でシンガポールや香港の業者と取引していたのもなんとなくうなずけます。
尚、上記の二つの表は、BIS(国債決済銀行)が発表しているデータですが、
 今回は、トップ10だけ載せたことをご了承ください。
メジャーカレンシーとマイナーカレンシー
FX市場におけるメジャーカレンシー(Major Currency)と
 それ以外の主要でない通貨をマイナーカレンシー(Minor Currency)といいます。
これはBIS 公表の通貨取引高において
 豊富に取引されている通貨が発表されているのは、上記で示しました。
これらの通貨の取引高をリクイディティLiquidity(流動性)といいます。
米ドル、ユーロ、日本円は、リクイディティの面からもメジャーカレンシーと言われてきましたが、
 通常、それに次ぐ、英ポンド、スイスフラン豪ドル、カナダドルは準メジャーカレンシーと呼ぶこともあります。
リクイデイテイが少ない、ということを端的に考えれば、それだけ取引される機会が少ないということになります
市場参加者が少なくなれば、売買の需給面の開きが生じて
 買値(BID)と売値(OFFER)のスプレッドは広がります。
ですから、マイナーカレンシー通貨ペアは、レートはワイドになりやすくなります。
ドルストレートとクロスレート
通常、マーケットでは米ドルに絡んだ通貨ペアをドルストレートといい、
 USDEUR(EURUSD), USDGBP(GBPUSD),USDJPYといった通貨ペアの交換レートをいいます。
他方で米ドルが絡まない通貨ペアをクロスレートといいます。
 EURGBP,EURCHF,EURJPY,GBPJPY,AUDJPなど。
その中で米ドルが絡んでいない対円通貨ペアをクロス円ともいいます。
 上記のEURGBP,EURCHFなどはクロスユーロともいいます。
下記が計算方法ですので参照してください。


























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