香港に比べると圧倒的に街全体が綺麗で洗練されているイメージです。
シンガポールはアジア屈指の金融センターとして発展を遂げた国で、
国際的な金融市場としては、香港同様に兄貴分みたいな市場かもしれません。
1980年代から90年代には個人的に有名なトレーダーが
シンガポール市場に数人いて東京のプロのトレーダーとも連絡を密にしていたはずです。
中央銀行が存在しないシンガポール
国の特徴としては、金融、貿易、サービスにおいても
東南アジアのハブ(中心となる拠点)としての存在感を示すシンガポールですが、
他国と異なり中央銀行がありません。
その代わりにシンガポール通貨金融庁(MAS)が金融政策を行ない、
通貨バスケット制という仕組みの管理もしています。
一昔前ですが、MASがアジア時間帯に市場で大きな取引をしていたという事実があります。
通貨バスケット制とは「さまざまな国の通貨に自国の為替レートを連動させる」というものですが、
通貨バスケット制では、どのような比率でどの通貨と連動させているかは非公開となっています。
その中で、基軸通貨である米ドルとの相関性は高いと言われています。
固定相場制と変動相場制の中間に位置するシンガポールドル
香港ドルは米ドルだけに連動させる固定相場制(ドルペック)、
米ドルや円などメジャーな通貨は流動的なマーケットの変動相場制で
シンガポールドルの場合はちょうどこの中間であると言われています。
国としての規模が小さい島国で、変動相場制にすると通貨の乱高下が起こるリスクがあるため、
このような政策がとられていてシンガポールの金利は低水準を維持してはいますが、
政策金利でインフレの調整をするのではなく、為替レートの安定化を求めた政策ですので、
政策金利が存在しないのが特徴です。
金利が低く変動幅が狭いことから、シンガポールドルでは
デイトレなどの為替差益を狙った売買で大きな利益には結び付けくいでしょう。
以上の理由でシンガポールドルはほかの通貨に比べると、
FXでは魅力が少なく、あまり取引する投資家は少ないのが事実です。
仮にシンガポールドルを介した売買をするなら、
近隣国の高スワップ通貨である豪ドルやNZドルと組み合わせて
金利差益を狙うやり方がありますが、それほど面白くありません。
また、シンガポールドル/円は(SGD/JPY)香港ドル/円(HKD/JPY)と
相関性が強いのも事実だということも頭に入れておくといいでしょう。
そしてシンガポール自体からは経済指標の発表はあるものの、
為替レートの方向性を操作する政策下にあって
経済指標が為替変動に及ぼす影響力はほとんどないと言っていいでしょうが、
シンガポールドル相場に影響の大きいのはアメリカの指標でしょう。
シンガポールドル円の推移
参考:http://zai.diamond.jp/list/fxchart/detail?pair=SGDJPY&time=1mon#charttop
いまだに為替の取引所取引が世界の革新的な取引所の一つである
SGX(シンガポール取引所)を活況に導いているといいますが、
少し前の2013年に同取引所は、
- AUD/USD
- AUD/JPY
- USD/SGD
- INR/USD
- KRW/USD
- KRW/JPY
といった6の引渡し可能および
引渡し不可能な新しいアジア通貨ペアの先物取引を追加していて、
最近は取り扱い通貨ペアも詳細は不明ですが増えてきていると言います。
シンガポールは2016年のBISのデータで香港、
日本のわずかに抜き去り、世界第三位の為替市場に躍り出ています。
シンガポール取引所(SGX)とは?
シンガポール取引所(SGX)は、
東南アジアのシンガポールにある総合取引所をいいます。
これは、1999年12月に
「シンガポール国際金融取引所(SIMEX:Singapore International Monetary Exchange)」と
「シンガポール証券取引所(SES:Stock Exchange of Singapore)」の合併により設立されたもので、
現物取引とデリバティブ取引の両方を取り扱っています。
(前身のSIMEXは、1984年にアジア初の金融先物取引所として取引を開始し、
その後、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)と同一の制度・規則に改組し、
CMEとの相互決済が可能となった)
世界の主要取引所間での国際競争が激しくなる中、
SGXは様々な規制緩和や大胆な改革を実施し、世界的な取引所を目指しています。
また、アジア各国をはじめ、
欧米やオーストラリアなど海外の取引所との関係強化にも熱心で、
アジア市場と欧米市場をつなぐ「重要な金融センター」として世界的にも存在感を増しています。
SGXでは、アジアの通貨11ペアの先物取引ができるそうで同時に、
証拠金オフセットにより資本効率を高めることが出来ると言います。
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