実質為替レートとは何か?
実質為替レートとは、二国間の通貨の交換レートである為替レートを
両国の物価指数の比で割った値をいいます。
購買力の変化によって生じる為替レートの変動部分を調整したものです。
対ドルの実質円レートは、
N時点の円レート×
(基準時を100としたN時点の米国の物価指数÷基準時を100としたN時点の日本の物価指数)
で求められます。
円の実質実効レートとドル円相場
参考:http://style.nikkei.com/article/DGXMZO99436770Y6A400C1PPD001?channel=DF280120166591
上記のチャートは、1973年以降を対象に算出した
円の実質実効レートとUSDJPYの相場動向を表したものですが、
上下に変動しながらも、一方向に放置されることはなく、
数年単位で平均的な水準に戻る傾向を理解できます。
上記での実質実効レートとは、
実効為替レートにおける実質為替レートのことで
為替レートを見ることによってその国の通貨の
インフレ率の影響を除いた総合的な強さを確認することができます。
実質実効レートとは、
単一通貨のインフレ率以外の要因による強さを表す指標です。
円相場はドルに対する値動きばかりに注目しがちだが、
実際には様々な通貨に対して日々変動しています。
円が対ドルで上昇していても、
同時に対ユーロで下落していれば、必ずしも円高だとはいえません。
円の総合的な価値変化を探るために日銀はいくつかの指数を公表しています。
1つが、ドルやユーロ、英ポンド、人民元などの主要通貨に対する値動きを、
各国・地域との貿易量などを基に加重平均して求める名目実効レートです。
実質為替レートの例
例えば、1ドル=120円が、1ドル=100円に変化する場合、
円から見るとドルが値下がりしており、「ドル安」あるいは「円高」になったと表現する。
ただしこの時点で、日本において物価上昇がないと、
円高後の100円が事前の100円と同じ価値を持っていることになる。
しかし、米国の物価が上昇したとすると(1ドル=100円)、
新たに100円で購入できるようになった1ドルは、かつての購買力(価値)を持っていないことになる。
物価上昇率が10%ならば、事前に1ドルであった財は、1.1ドルに値上がりしており、
事後では1÷1.1ドル単位しか購入できない。
つまり100円で購入できるドルは、実質的には1÷1.1ドルの価値なので、
120円から100円までの値下がりとはなっていない。
このように、物価の変化まで考慮に入れた為替レートを実質為替レートと呼ぶ。
参考:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/opinion/fx/h_beginner/0067.html
上記は「実効為替レート」(青色のグラフ)と
「名目為替レート(普通の為替レート)」(赤色のグラフ)のチャートとなります。
1980年から表示されています。
これらチャートは日銀のホームページから見ることが出来ます。
実質実効為替レート
「実質実効為替レート」(青色のグラフ)は、2010年を基準年(100)とした指数のグラフです。
縦軸は右側を使用しますので、下に行くほど数字が小さくなります(円安方向)。
上に行くほど数字が大きくなります(円高方向)。
名目為替レート
「名目為替レート(普通の為替レート)」(赤色のグラフ)は、
東京市場のドル・円 スポット 17時時点/月中平均のグラフとなります。
縦軸は左側を使用します。
目盛の数字は右側と同じ向きですが、円安、円高が逆になっているため注意して下さい。
下に行くほど数字が小さくなりますが円高方向です。
上に行くほど数字が大きくなりますが円安方向です。
為替レートの種類
名目為替レート
名目為替レートとは、
我々が普段目にし、取引する際の実際の為替レートの数値のこと。
通貨ごとの物価上昇率・インフレ率の影響を受けます。
実質実効為替レート
実質実効為替レートとは、
日本を含む59か国・地域の物価変動や貿易量を考慮して計算された
相対的な円の実力を測るための総合的な指標のことで、
実質とは、物価変動の影響を除くことを示しています。
実効とは、貿易額に占める相手先の比率を勘案することを意味していますが、
実質実効為替レートを見ることで、
その国の通貨のインフレ率の影響を除いた総合的な強さを確認することができます。
すなわち、単一通貨のインフレ率以外の要因による強さの指標です。
実質為替レート
実質為替レートとは、名目為替レートから
両国の物価上昇率の変化を取り除いて出された為替レートの数値の事で、
為替レートを2国間の物価指数の比で割ることで物価の影響を取り除き、実質的な為替レートを算出します。
名目為替レートからインフレ率の影響を除くことで、
それ以外の要因による買われすぎ・売られすぎを確認することができます。
実効為替レート
実効為替レートとは、
2国間のレートでは分からない
ある国の対外競争力を測るための総合的な指標で
単一通貨の総合的な強さを確認するための指数です。
具体的には、対象となる全ての通貨と日本円との間の2通貨間為替レートを、
貿易額等で計った相対的な重要度でウエイト付けして集計・算出します。
名目実効為替レート
実効為替レートにおける名目為替レートのこと。
アメリカドル、ユーロ、中国人民元など各国を対象に、相手国・地域の貿易額で加重平均して算出します。
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