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中国通貨・人民元の価格下落

2016年の指標を見てみると、中国の通貨の人民元の落ち方は尋常ではありません。

一応、経済成長は6%後半を維持しているものの、
北京や上海の不動産バブルの高騰で、当局は都市ごとに色々な規制を考案して、
不動産投資への規制・抑制に本気で取り組み始めています。

人民元の週足チャート

人民元の週足チャート

参考:http://zai.diamond.jp/list/fxchart/detail?pair=CNHJPY&time=1w#charttop

ここで自国通貨が通貨危機のように安くなると、
経済に悪影響が多発して潰れるほどに困惑する(デフォルト)のでは?という疑問があります。

 

実例を上げて考えてみよう

会社や国家が外貨建ての負債を持っているとき、
例えば現在の日本が1200兆円の借金が明らかになったとします。

それを現在の価格で105円時にドル建て債券で調達すると、
1200兆円÷105円で「約11.43兆$」の債権を発行した事になります。

借金は、全部ドル建ての日本国債でドル債は返済期にはドル返済になるのです。

例えば、満期時の返済時には円安進行が激しくなり、1ドル=150円になってしまったとしましょう

11.43$を返却する時は、約1864兆円の円を用意する事になります。

 

ということで外貨建ての借金をしている企業や国は、
急激な自国通貨安が深刻なのですが、日本の場合は外貨建ての借金はしていないし、
外貨建ての国債も発行していないケースでは、通貨安で潰れることは正解とは言えません。

中国のケースは、特に対ドルで外貨建て債務が多くて
国よりもむしろ民間企業が、現在の人民元安でドル建て債務の返済に
四苦八苦してしまうということなのです。

 

日本人は通貨売買に馴染みがある

我々日本人が為替にニーズを感じるのは海外を旅する時の両替ぐらいでしたので、
欧米、特に国同士が隣接した国々に別々の通貨があった時など(ユーロ発足以前)には、
当たり前のように隣国の通貨の売買を行っています。

そのため、通貨価値を理解しているし、金融の仕組みも実生活になじんでいるのです。

日本が円安を強調するとアメリカにけん制されるように、米国の失業率が増加します。

輸出産業国の日本は円安によって貿易収支が黒字化して潤いますが、
他の主要国・相手国の仕事を剥奪してしまうになります。

 

アルゼンチンの場合は、外貨建て国債発行をしていたケースで
デフォルト寸前になっていたのがいい例です。

日本の場合は外国人が保有する国債はほぼ100%日本円建てということです
(政府が自国通貨建てで他国から借りた負債に相当する)。

理論的には、日本のように自国立て通貨で国債発行をしていれば危険度はなく、
国債発行時の金利の水準が上昇してくれれば、
BOJが買いオペ(日本が国債を買い取りの実行)で金利を抑制すればいいことなのです。

 

 米国ヘッジファンドが期末に株を売るという情報

ヘッジファンドが期末の評価の為に保有していた株を売って
米国へ【円売りドル買い】送金すると言った話があると聞きましたが、
これについては疑問を感じます。

というのは、米国では時価会計システムの国ですので
毎日持っている株や債券の評価を時価で評価する方法を採用しているからです。

期末に慌てて売買しなくても、毎日評価が出ているのです。

特にヘッジファンドはパーフェクトな時価会計をしているので、
この見解は間違えであるでしょう。

あえて言うのなら、期末に向かって収益目標は達成しているので
ポジション調整をして新たな期に立ち向かおうとするのでしたら、話はわかります。

 

先物取引の重要性

直接利益や損出に関係しないのでご存知ない人も多いかと思いますが、
今日の外国為替市場で「ドル円は105円10-15レベルです」といったニュースをTVでよく聞きます。

この取引は直物取引(SPOT)で、市場での決済は2日後になります。

直物と先物の相違点は、決済日が2日後か将来かという違いです。

 

日本のTOYOTAの例

例えば、日本が誇るTOYOTAの例をあげてみましょう。

トヨタは先物取引で来年4月末決済時のプライスを決定させるために、
例えば三井住友銀行に
「来年4月末のドルの先物をいくらで売れるか(三井住友の買いがいくらか)」
と聞くことになります。(この場合、三井住友がレートを出します)

今日現在ドル円相場は1ドル=105.00だとしますが、
来年4月末に105円で1ドルを売れるかというとそのプライスでは売れません。

直物と先物の相場が違ってくるからです。

簡単にいうとドル先物価格は直物価格より安くなるのです。

なぜかというと米国の金利が日本より高いからです。

 

このようにFXでは金利が高い通貨のほうが先物では直物より安くなるのです。

が、これを市場ではディスカウントと言いますが、
逆のケースはプレミアムと呼んでいます。

どれだけ先物が安くなるかは2国間の金利の差で計算されるのです。

 

例えば、
ドル円が現在1ドル=105.00円
1年物のドル金利が4%
1年物の円金利が1%としましょう。

*1年物円金利とは銀行から1年間円を借りたり、預金する際の金利。

そこで保有資金を円貨で105万円とします。

円預金で1年保有すると金利分が10,500円付いて1106,500円となります。

ドル預金にするとまず直物市場で円を売ってドルを買います(手数料抜き)

買ったドルで1年間保有すると105万持ってますから、
1万ドルと金利分500ドルで10,500ドルを手にできます。

今日・直物のレート、円金利、ドル金利は決定されていて理解できますが、
わからないのは1年後にいくらでドルから円に両替でできるかに絞られます。

そこで先物の値段を決めておこうとする取引をします。

円が1年後に現在の直物レートより下がってしまったら、損出を出してしまうからです。

結局、TOYOTAは1年後に1万ドルの入金(決済)を約束しても
今の105円より安いレートでドルを売って円を買いなおすのです。

その約束取引をすることによって、
少しぐらい安くても大きな変動による為替リスクを軽減して
トヨタの1年後の円貨での収入金額が決定できるのです。

 

通常、FXとは個人取引が日本で認可される前は、
このように輸出・輸入メーカーや石油会社などの実需決済の為の取引なのです。

実際にはヘッジファンドの多くはこの先物取引で多額の収益を上げていたのです。

日米の金利差が大きかった時に先物取引で金利差を読んで
上での期日前での反対取引などのオペレーションなどで儲けていたのです。

このような基本的な知識・仕組みは、ぜひ覚えておきましょう。

人民元と人民元が抱える問題点

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もうご存知の方々も多いと思いますが、
去年の人民元の大幅利下げ(チャイナショックー世界的な株価下落要因)から1年が経過したが、
2016年10月1日よりIMF(国際通貨基金)は、
加盟国に(仮想通貨のように)資金を融通する際に通貨のような役割を果たす
SDR(特別引き出し権)に人民元を正式に組み込みました。

今までのSDRは、IMF加盟国に出資額に応じて配られていて
過剰な通貨変動を制御する目的でドル、ユーロ、円、ポンドト4通貨を混ぜる形で構成されていて
通貨危機などに陥った国々は外貨と交換することができる。

その背景ともいえるのは5年位前から、
中国の大手行はロンドンで人民元を取引や決済する為のインフラを構築して
元の国際的信用力を拡大するためにIMFにアピールしていたという事実があります。

その新たなSDR構成率は10.92%を占めてドル、ユーロに次ぐ3位になる

しかしながら、SDRは実際に市場で取引されているわけではないので
為替市場への影響は少ないということである。

 

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出典:https://apps.newyorkfed.org/markets/autorates/fxrates/external/home

 

人民元の今後の問題点

・SDR構成入り通貨の条件としてその国の輸出額,
量(中国は5年前にすでにクリアー)やその通貨が自由に使用できるか否かを挙げていましたが、
経済面でも取引基準でもIMFから正式に合格を勝ちえたということであろう。

 

・しかし、中国は人民元の国境を越えた投資目的の取引をいまだに規制していて
完全に自由に取引できるかという疑問視する事実もある。

 

・問題点として大きいのは、10月からSDRに採用はされる前から、
ロンドンを中心に国際舞台での利用拡大推進を実行してきていたのに
ブレグジットという難題に直面した格好となった。

 

・ロンドンでは、今年だけでも相当数の人民建て債が上場されているのだが、
英国がEUで自由に金融サービスを提供する権利を失うケースもあり得ないとは言えず、
人民建て金融商品を販売できなくなれば、
ロンドンをオフショア取引所と選択した中国には大変なことになりかねない。

 

・しかしながら、市場関係者によると
英国がその権利を失う可能性はかなり少ないとの見解が多いといいます。
尚、中国はリスクを考慮してフランクフルトやチューリッヒ、パリ、ダブリンなどの主要金融都市に
 ロンドンのヘッジでアプローチを展開してくるだろうと予想している。

 

・SWIFT(国際銀行通信協会)のデータでは、
国際通貨取引の決済通貨としての人民元の市場シェアは
まだ直近では1.72%程度でカナダ、日本円に次いで6位ではあるが、
今回の決定で人民元の信頼度は増して準備通貨の一角や
民間企業の決済通貨としてのニーズが上がってくる可能性は大きい。

 

・尚、G7の中で加盟していないのは日本とアメリカだけであるAIIB(アジアインフラ投資銀行)に
G20を前にカナダが加盟申請を決めたことなどからして、
10月6日のG20でも中国は経済問題を主題にもっていくだろう。

 

・尚、AIIBは近い将来にADB(アジア開発銀行)の67カ国を抜かしてくる可能性も報じられている。

 

・ちなみに麻生さんは、IMFの報道を受けて中国は国際金融機関としては
 中身が不十分で不透明な通貨管理を国際的にもよりオープンにしなければいけないとけん制発言をしている。

 

・中国は、今回の件でAIIBに加盟しない日本を含んだ米ドル経済圏に対抗して
最近に欧州や東南アジア諸国連合(ASEAN)などのドル離れの国を引き込み、
ドル基軸経済・金融社会にケンカ状をおくってきたのである。

 

中国自体の貿易総額の決済比率に占める人民元の比率は30%を超えてきているとは言うが、
 スワップ協定【お互いの通貨を融通する】締結国は33カ国で
 貿易取引で直接に人民元を使用可能な国は16カ国、
 外貨準備で人民元を加えた国は僅かに10カ国であるのが現実です

 

・最近ではアフリカ企業にも積極的に投資、アジア諸国や欧州までにもそのアプローチを強化しているが、
円建て債券がサムライ債と言われたように世界銀行がSDR建て債券を中国で発行し、
ムーラン(男装して異民族に戦いを挑んだ英雄)債と呼ばれてイメージアップも図っている。

 

・SDRした人民元の5億SDR(約700億円)の債券は三菱東京UFJや中国の国有商業銀行が引き受けたというが、
いままでの米ドルや日本円で投資した中国へのプロジェクトで
人民元ベースの収益が上がっても不明な規制で国外に持ち出せない為、
再投資か内部留保しかないという現実があるという。

 

規制面で主要国と比較しての問題点
 企業の場合は、証券投資や直接投資などの資本取引を自由に行えなくて
 海外の投資家が中国の債券や株式に投資をする場合には証券取引所等を通して
 一定の金額しか投資が出来ないとか、直接投資の場合は当局に綿密な計画の報告義務があったりするのです。
 尚、個人においては、人民元と外貨の交換(両替)は年間米ドルで5万が上限だそうです。

 

・上記のような規制があっては、海外の投資家や企業からの評判も今一なはずで
為替レートの交換レートも基準値とか不明確なレートだそうです。
このような規制を緩和しなければ真の国債通貨の仲間入りは肯定されないのです。

 

・しかし、日本のメガバンクの三菱東京UFJや三井住友銀行、
みずほ銀行は現在の規制内において今後の緩和を見据えてプロジェクトチームなどで
新しい人民元でのビジネスチャンスを広げる商品を広げてきているといいます。

 

以上のような問題点を経て、
果たして国際的な信用を勝ち得ることができるかが今後の中国の課題となりそうである。