通貨ペア徹底解析

2017年データ/ランド円動向

ランド円

2017年、ランド円の見通しはどうか?

つい数週間ほど前にあまり気にしていなかった
「ランド円の見通しについてどう思うか?」と個人投資家の友人に訊かれたので
ここ何日かずっとその動きを追っていました。

「何でこんなに8.30-35円のサポートが堅いんだろう?」と思ったら、
今朝次のようなBBG記事を目にして少しばかり原因が理解できました。

 

11月8日のトランプ勝利以降、
新興国市場の現地通貨建てソブリン債券は
軒並み大きな売り圧力に晒されていたのだが、
南アについては国内の政治リスクの後退と経済の改善傾向が注目されました。

またソブリン格付けの引き下げ懸念が遠のいたことが市場の好感を獲得し、
11月中旬の下げ幅が相対的に小さくとどまり、その後は反って上昇に転じているということです。

 

ランド円の日足チャート

ランド円チャート

参考:http://zai.diamond.jp/list/fxchart/detail?pair=ZARJPY&time=1d#charttop

 

下記のチャートは新興国市場の現地通貨建てソブリン債券指数(青)と
南アのランド建て債券指数(赤)について、
201512月末を100として基準化したものです。

ランド円チャート

なるほど、南アについては直近値117.64・
昨年8月18日に付けていた116.45という年間最高値をすでに更新していたことで
ランド高(対米ドル、そして間接的に対円)をサポートする要因がこの辺にあるようです。

 

南アフリカのファンダメンタルズを調べてみました

参考のために南アフリカのファンダメンタルズを調べてみましたので
下記の2つのチャートをご参考にしてみてください。

しかしながら、調べた段階では私の見立ては
かなりランド安(対ドル、その後対円に波及)方向に
行くしかないと思っていたのですが、結構しぶといようです。

消費者物価指数

SA-US

両国間での物価の上がり方が異なって
南アの方が物価上昇のペースが速くなってきていますが、
ランドが対アメリカドルで減価する方向に作用すると分析されると言っています。

南アフリカ債権の売買フロー

ドル/ランドチャート

ランド円チャート

一番上のチャートから日次ベースの海外投資家の南ア債券の売買フロー情報
ドル/ランドの25デルタリスクリバーサル(1ヵ月物)、
ンド円の25デルタリスクリバーサルの順です。

債券投資フローチャートでマル囲いした直近で
かなり大きな売りが出ているのが注目されます。

この辺についてBBGでは、ズマ大統領が内閣をリシャッフルし、
財相をクビにするとの観測が政治リスクとして認識されたことが市場で嫌気されたらしいとのことです。

これを反映してリスクリバーサルもランドプット需要が高まっているというのが記事の内容です。

 

この記事の冒頭のチャートでは、
ポリティカルリスクが大きく後退したとBBGでアピールしていたのに難しいものです。
(2017,2月現在)

トランプ政権誕生直後の米市場

トランプ政権後の米市場

米国以外の投資家のファイナンス詳細

 米国以外の投資家のファイナンス詳細

 上記の表を見ると、
2015年ころからかなり外国人投資家のシェアが落ち込んできていることが理解できますが、
やはりこれは米国の利上げ開始と歩調を合わせているってことでしょうか。

金利が上がれば保有債券の価値は目減りするため、
直近では中国が人民元の下落を阻止するために
保有米国債を売却して元買い原資にしているという話も出ていることで納得できます。

問題になってくるには、米国は構造上貿易赤字であることで経常赤字に結び付いている訳で、
これに輪をかけるように財政収支も直近2016年第3四半期でGDP対比3.1%の赤字となっています。

つまり、その分高い金利を払ってでも国外の投資家から資金調達しなければなりません。

 

以上のことから、
トランプが威勢のいいことを言っていられるのも今のうち・・・
そうそう長くないかもしれないという感じがしてきました。

 

チャートを見ながら解説します

米国債で流通している債務総額(米国債、社債全て)の残高は
2009年からほぼなだらかに上昇し続けています。

米国意外の投資家ファイナンスチャート

直近では14兆ドル(1600兆円弱!)という規模になり、
そのうち、米国以外の投資家によってファイナンスされているもの
上記チャートで表されているものになります。

 

海外投資家のフローチャート

そして、上記のチャートは、
TOPIXへの海外投資家のフローはここ3週間微妙ながらインフローにはなっていますが、
順張りの海外投資家も日本株の出足の悪さにしびれを切らすのは時間の問題で
明らかに11月~12月前半の流入の勢いは失われている印象です。

 

原油先物

上記のチャートを見ると、WTI原油先物はネットロングが拡大こそしていますが、
その割に原油価格は50ドル台前半であまり動きは明確ではありません。

そろそろ各国の減産順守状況が発表される頃なので新しい動きが出てきそうですが、
米国シェール産業はOPECや米国以外の非OPEC産油国とはまた別の論理で動いているので
事態がより複雑になっている面があるので難しいところです。

 

CRUDE OILの長期チャート

10年物国債先物のポジション動向

上記のチャートはCME の米10年物国債先物のポジション動向ですが、
相変わらずショート残玉が高水準で推移しています。

この意味はトランプ政策
(インフラ拡大による財政悪化⇒金利上昇という悪い循環)を見越したプレイヤーが
大勢いるとの事を表しています。

 

ドル円チャート

(参考:ブルンバーグ)2016.1.15

 

最後にドル円ですが、ドル円の20*60P&Fのチャートを見ると
リバースヘッド&ショルダーを形成するのかなと思いましたが、
どうやら113円台前半と114円台後半を
上下バウンダリーとする横這い相場になりそうな感じがします。

バイアスとしては、どちらかといえばドル売りで市場は攻めたいような感じにさせてくれます。

2017年1月25日現在で今年の直近安値112.57まで下落しているので
その辺まで下押しする局面はあるかもしれませんが、
112.50を割れると111.36がターゲットになるとNY筋は言っています。

上はチャート上で気になる114.10水準を綺麗に抜けてくるまではドル買いは控えてみたい感じがします。

ビットコインVS金相場

ビットコインと金

ビットコインの相場の動向があまりにも激しいので色々と調べてみたら、
面白い事実がわかりましたのでのご紹介いたします。

ゴールドに対する価格動向をみたら実に凄い内容なのです。

 

 

ビットコインの対ドル相場の推移

先ずは平凡にビットコインの対ドル相場の推移を見てみましょう。

ビットコイン対ドル推移

ビットコイン価格は、なんとも凄い動きをしておりますが、
2013年初頭はほとんど0であったものが
その年の年末には1200ドルに迫るような勢いで上昇!

確かその時に中国政府が強硬な規制をかけて暴落した結果があります。

 

「中国の中央銀行は2013年12月初め、
Bitcoinは中国では法的に保護されておらず、
金融機関によるBitcoinの使用を禁止・・・
既存のマネーロンダリング(資金洗浄)法を修正して、
Bitcoinをより規制できる新たな法制定を検討していると報じた。」

 

その後マウントゴックスの破たんのゴタゴタもあり
200ドルを割り込む不遇の時間を過ごした後、2015年から再び上昇。

米大統領選後から時代のパラダイム変化を感じ取ったのかほぼ垂直の上げ、
そして年が明けて300ドル規模の下落と半値戻しとめまぐるしい動きだったのが理解できます。

 

ゴールドの対ドル価格とビットコインの対ドル価格

ここからが本番で、ゴールドの対ドル価格を
ビットコインの対ドル価格で割ったものを計算してチャートにしてみました。

先ずは、単に記録が取れるところまで遡ったという意味で
2010年8月から2013年末までの期間をみると下のようになります。

金とビットコイン

2010年9月には1オンスあたり20,000ビットコイン以上必要だったのが
2013年末にはほぼ1オンスあたり1.6ビットコインで買えてしまうなんて!!

あまりに変動が大きいので
対数目盛りにしないとチャートの体をなさないほどのデータになるのです。

 

しかしながら、2013年以前なんて
ビットコインの流通量は確かスズメの涙ほどでしたでしょうし、
市場を形成する以前の話だと思うので
上のチャートは余興として見ていただいてもいいのですが、
価格動向を理解する上で参照しておいてください。

事実として20,000の価値があったものが1.6へ…
通貨ペアの中ではこんな極端な動きをしているものは見当たりません。

 

*そして下記のチャートが、本題の2013年末からの相場です。

金とビットコイン

2014年の金価格の上昇は対ビットコイン相場にも反映されていますね。

その後の金の下落も良く出ています。これなら相場として成立しそうですね。

トレンドの循環もかなりきれいに出ていますので
この兆候を見ると為替をよりも儲かる可能性は大きいかもしれません。

 

ビットコインのこれから

政府による管理が絶対条件ではないことを考慮してみても、
ビットコインが通貨として普及しても不思議ではないはずで
ビットコインが金本位制に近い存在だとすると、
今後、金(ゴールド)と同じような値動きが
長く続く可能性
があるのではないかという事実が見えてきたということです。

ハードブレクジットとは?

ハードブレクジット

ブレグジットとは?

ハードブレグジットを説明する前にブレグジットを説明しておきましょう!

ブレグジット・BREXITとは、
2016年に国民投票にて決定された英国のEU離脱を指す造語であって
英国のEU離脱が決まれば政治や経済等に大きな影響が出ることから広まったもので
「British(英国:イギリス)」と「Exit(離脱)」の2つを組み合わせて造られたものです。

ハードブレグジットとは、ブレグジットに伴って、
英国が欧州の単一市場へのアクセスを失うことです。

英国が経済よりもより移民制限を優先する強硬姿勢でEU離脱交渉を行うことを意味するのです。

 

英国のEU離脱の要因

英国でEU離脱への関心が高まった背景には、
ドイツや他のEU主要国同様に他国からの移民の急増が大きな要因です。

英国は2000年以降、ブレア元首相下において
東欧などEU新規加盟国から移民を受け入れてきたのですが、
好調に推移してきた経済化の中で多くの移民を受け入れたことによって
労働力は増加してさらに移民たちを安価で雇用することができました。

これが要因で英国の経済は右肩上がりとなりましたが、
2008年のリーマンショック経過後、状況が急変してきたのです。

 

どのように急変したのか?

移民に職を奪われた失業者の不満が募って
社会福祉制度にとっても重荷となったのに加えて、
シリア内戦長期化による難民対策や、
農業に偏重したEUの分担金の予算配分へも不満が高まり
(英国はドイツやフランスに匹敵するほどEUに分担金を払っている)、
英国のEU離脱問題へと発展してきたのでした。

 

上記のような背景でハードブレグジットは欧州の単一市場へのアクセスよりも
移民の受け入れに制限をかけることを優先するEUの離脱方法といえます。

 

S&P(グローバル・レーティング)公表:
EU離脱における影響が大きい国

S&Pが公表している英国のEU離脱における影響が大きいとされている国は以下の通りです。

上から順に輸出入が多く、金融の関係が深い順に並んでいます。

  • アイルランド
  • ルクセンブルグ
  • ベルギー
  • スペイン
  • フランス
  • ドイツ
  • イタリア

ちなみに、ロシアも影響が大きい国として認識しなければいけません。

ロシアは欧州が自国産エネルギーの最大の供給先です。

欧州向けの原油輸出は全体の6割を占めており、
ブレグジットによって資源収入の減少が予想されます

またロシアの政権の要人や富裕層の多くは
資産をロンドンで監理しているため、その資産の減少が予想されます。

 

中国の経済への影響も懸念されてきますが、
中国の英国向けの輸出額は約6兆円(2015年時点)と
意外に軽微で輸出全体の2.6%程度ですが、
海外市場不安が波及する可能性があることには注意が必要です。

 

我が国・日本にとっての影響

EU市場への足掛かりとして英国に拠点を置く日本企業は多く、
英国がEUを離脱した場合は日本企業の輸出コストが増加したり、
英国やEUへの事業の見直しも考えられますし、
英国のEU離脱は円高圧力がかかりやすく
収益面での下押し圧力がかかりやすくなることが予想されてくるのです。

 

英国に進出している日本企業

英国に進出している日本企業は、
トヨタ、日産、ホンダ、日立、
東芝、富士通、武田製薬
を代表になんと1000社程度あります。

英国に進出している日本企業の35%は卸売販売、
24%が製造業で貿易に直接関税がかかってくると日本企業の業績への影響が懸念されてきます。

 

さらに英国のEU離脱によって
他のEU加盟国にも離脱の流れが波及してくる可能性が高まりますので、
EU自体への不透明感が増し、
それ自体が世界経済へのリスクになる可能性が高まります
(ポンド売り、ユーロ売り、円買い)。

 

債券から株式へのグレートローテーションの動き

債券から株式へのグレートローテーションの動きは
なにも2016年の米大統領選が引き金を引いたというのがすべてではなく、
現に英国のハードブレクジット懸念で2016年1月中旬の状況で再燃、
ポンドはいきなりフラッシュクラッシュのように暴落して始まったが、
英株式市場はしっかりしているではないかという事実があります。

年末年始【2016-2017】より14日間は連続で上げていたではないかという事実ですが、
グローバルベースで景気が上向き傾向であることを示す一例であり、
為替動向だけをみていると
資産市場の動きをミスジャッジする要素があるのではないのでしょうか?

 

政治リスクはもちろん経済の不安定要因であり、
政治リスクによる通貨の暴落は株式市場にとってもよくあるはずはないですが、
そこまで極端なことがなければ一般に通貨安は
自国輸出セクターにとっては国際競争力の強化であるわけで
一定範囲を大きく逸脱することがなければ、ある程度歓迎したいところではないでしょうか?

 

そこで、早速にポンドの対ドル相場とFTSE100株式指数の関係を!

先ず下の図は2016年の英国民投票の6/23までのポンド相場を横軸に、
FTSE100指数の引け値を縦軸にとったものです

ポンド相場と株式指数の相関関係

一見してポンド相場と株式指数に相関関係がまるっきりないのがはっきりわかりますね。

決定係数(R2)は0.022ということが理解できますが、
この決定係数は0から1までの間を取る数値で、
モデルの説明力(独立変数ポンドの従属変数FTSE100指数の変動に及ぼす影響度)が
2%しかないということを示しています。

それが国民投票後のデータですと

 ポンド相場と株式指数の相関関係

右下に赤枠で囲ったのは国民投票直後の数日間、
市場がまだ方向性を決めあぐねていた時に付けた数値で
いわゆる外れ値(アウトライアー)という現象です。

 

それでも、ポンドが下落するにつれて株式指数が上向く、
ネガティブな相関関係が出ていることを示しています。

ネガティブといっても心理がネガティブな訳ではなく、
ポンド安は株式の上昇要因になってきているという意味です。

そしてポンド動向が株式指数の動向を説明する
説明力である決定係数は0.4698…47%に上昇していることがわかります。

 

先程に書いた外れ値の影響を除去するために
6月30日から直近までの動きにデータ範囲を調整すると下記のとおりです。

ポンド相場と株式指数の相関関係

前ページを参照するとポンド相場の英株式指数に対する説明力は
0.4865…約49%に2%ほど上昇しました。

株式市場の変動に影響を与える要素はそれこそ星の数ほどある訳ですが、
その中でも通貨動向の占める割合は約半分と決して小さなものではないのです。

因みに散布図上で赤に塗りつぶしている点は、
直近1月16日のポンド引値1.2047とFTSE100指数の引け値7,327が位置している点で、
図中に引いている回帰線(黒く細い線)を大分上回った水準で推移していることがわかります。

相場は行き過ぎると必ずその分
平均水準に回帰する(mean reversion)という説が成り立つのであれば、
ポンドが1.2ならばFTSE100は近い将来的にも
7,100の方向に向かって調整が入ることが示唆されますが、果たしてどのようになるのでしょうか?

 

2016年米選挙後の散布図

11月8から直近までの推移を散布図にしてみると(米選挙後)
なんと説明力(決定係数)が0.6105…61%にまで上昇してきているではないですか!

ポンド相場と株式指数の相関関係

それに回帰線の傾きもその上の
-3014から-9006に上昇していることが見て取れてきます。

それに、直近のポンド、FTSE100の引け値は
ほぼ回帰線上にあたることになり、
決して株式市場が楽天的に過ぎているという訳でもないようです。

 

ハードブレクジットが経済に負の影響を実質的に及ぼすということがないならば、
この回帰線が今後の指針となる、例えば5%超上方に乖離していれば株売り、
5%超下方に乖離しているならば株ロング…
そんなことを戦略も有効かと思わせる内容で面白いです。

FXにおける相関性

FXの相関関係

はじめに

最近のドル円相場をみていると
株高・円安が連動しているのが毎日の経済ニュースで理解できますが、
逆に株価が不安定になると、為替市場で円高が進む相関関係が見て取れます。

足元のわが国の株式・為替の市場動向を見ていると、
株価が不安定な展開になる時に、円が買い戻され円高が進む傾向が見られ、
株式と為替の市場にはかなり高い相関関係があることが分かる。

 

その背景には、大手投資家のリスクに対する意識が高まっていることがある。

株価が軟調になると、投資家の多くは保有するリスクを軽減するために、
保有しているドル買い・円売りの持ち高を調整することが主な原因の一つでしょう。

 

何故にここ数年の間に日経平均と
ドル円相場の相関関係が強まったのかという疑問が湧いてきます。

大きな要因に挙げられるのは、日本の大企業の海外売上比率が、
90年代に比べて飛躍的に増えているという事実があります。

 

トヨタなどの自動車産業、東芝、ソニーなどの家電産業は
2000年代以降に海外売上比率を大きく増やしてきていますし、
輸入企業であったキリンやイオンなどの内需型企業においても
近年は中国を中心にアジア諸国に積極的に進出し、海外売上を増やしてきているのです。

尚、中国の人民元は米ドルとペッグしているので、
これらの企業の売上もやはり、ドル円レートが円安になる方が有利です。

というわけでこれからも日経平均とドル円相場は、
相関関係が継続する可能性が高いのではと予測されます。

 

株式投資時にもその企業のニュースや業績だけではなく、
為替レートに関する日米の政策金利や量的緩和の拡大・縮小などにも、
大きな影響があるので注視しておきましょう
(トヨタなどではドル円相場が1円違ってくると年間収益に莫大な差が出てきます)。

 

 

相関係数とは

相関係数とは、2つのデータ群の間の相関関係の度合いを示した値ですが、
相関関係とは、「一方が大きく(小さく)なると、もう片方を大きく(小さく)なる」という関係です。

相関係数自体は-1~1の値を示します。

相関係数の読み方には人によって若干違いますが、相関係数をRとすると一般的には下記のとおりです。

 

  • |R| > 0.7 強い相関
  • 0.7 >= |R| > 0.3 中相関
  • 0.3 >= |R| 無相関

 

 相関係数が0の場合、全く相関していない事を意味します。

但し、相関関係があるからと言って、そこに因果関係があるとは限らない事に注意です。

たまたま同じ動きをしていても、
その動きにはそれぞれ別の要因が働いている場合、そこに因果関係は有りません。

 

要は、トレンド発生時や継続時で
過去のデータで相関性の高い通貨ペアや金利、商品と並べて
相場の動向確認をすることが大切なのです。

同時に時代背景や世界の経済構造によって一概には言えませんが、
相関性、逆相関性の強い比較的中期のチャートを参照してみるのも有効手段です。

 

直近3カ月で相関性の高いベスト5

1.為替ドル円と米10年債金利 相関係数:0.97796(1/9)

2.為替ドル円と日経平均 相関係数:0.97327(1/9)

3.為替ドル円とNYダウ 相関係数:0.95819(1/9)

4.NY金とユーロドル 相関係数:0.95519(1/9)

5.NYダウと日経平均 相関係数:0.95377(1/9)

 

直近3カ月で逆相関性の高いベスト5

1.為替ドル円とNY金 相関係数:-0.96205(1/9)

2.NY金と米10年債金利 相関係数:-0.95758(1/9)

3.NY金とNYダウ 相関係数:-0.88692(1/9)

4.為替ドル円とNYプラチナ 相関係数:-0.74365(1/9)

5.NY金とNY原油 相関係数:-0.71610(1/9)

 

為替ドル円チャート

為替ドル円チャート

(参考資料 http://lets-gold.net/market/chart2_usdjpy-ny_gold.php

アメリカと中国の経済相関性と日本の関わり

米中相関

経済番組である大手証券のアナリストが
下記のチャートを為替コメントに使っていました。

こちらがとても興味深いものだったので紹介します。

米中相関チャート

これは、中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)の
新規受注データの3カ月移動平均値を3ヵ月先行させたものと
米10年物国債利回りに一致性がみられるというものです。

 

チャートから読み取れること

調べてみるとなんとなく方向性は確かにシンクロしているように見えます。

2013年の後半はバーナンキのテーパリングショックで
米国債利回り上昇ペースが早い
ことも確認できるし、
逆に2015年は中国の景況感の悪化にも関わらず
米国利上げ期待から米国債利回りは上昇したという点
も考えれば、

必ずしも両者の動きに一致性があるという訳ではないですが、
大まかな方向性・相関性としてはいい線行っているように見えています。

世界のGDPの1位と2位を占める大国同士の経済は
それなりに結び付き・影響度合いが強いという面は否定できないでしょう。

 

そして直近では
中国のPMI新規受注指数が底打ちから
拡大ペースを徐々に強めだしている
ところに、

米国大統領戦のトランプマジックによる米国債利回り急騰・・・
案外2017年の世界はそれほど暗くないのかも知れません。

 

米中相関チャート

この2つのデータを散布図にしてみると上のような状況が見えてきました。

これはリーマンショック発生後の2010年から
直近
201611までの期間をみています。

米国債利回りの変動を説明する変数は数限りなくある訳で、
それを中国PMI新規受注の変動だけで説明するのはもちろん無謀です。

しかし敢えて両者の相関性の高さという点に絞って見てみると
決定係数(散布図中のR2)は0.5934…59%の説明力があるということで、
まあまあ相関性が高いという結果になりました。

 

米中相関による日本への影響は?

さて、この両大国経済の好転のおこぼれを日本はどの程度享受できるでしょうか?

ある外資系証券のアナリストによれば
2017年の日経平均の高値目標は22,000とのことです。

果たしてどうなるでしょうか?

中国の1年債と10年債の利回りの推移

中国の1年債と10年債の利回りの推移

中国の1年債と10年債の利回りの推移

BBGの記事によると、
中央銀行が政府保有企業を主とする国内のデレバレッジを強制的に進めようと、短期のリクイディティを絞り込んだため、
1年債の利回りが急騰し、結果として10年債利回りマイナス1年債利回りとして表されるイールドギャップが縮小し、
イールドカーブはフラットニングしているということです。

 

イールドギャップ

これにより米国でもベアフラットニングとなっているようですが、
その事情は違うようです。

記事によれば10年債利回りが上昇し価格が下落する余地がまだまだあるとのこと。

新たに投資に向かうのならいいですが、
既存の長期債保有者にとっては非常に気がかりになってきます。

 

BOJは昨日長期債利回りの無軌道な上昇は容認しない姿勢を示していましたが、
中国の場合景気が上向き基調にあるだけに、
実質金利も上昇する可能性は大きくあります。

相当の資金が新興国通貨などからドルへ移行してきている現在、
2017年の動向には気が抜けなさそうです・・・。

 

 

(参照―チャート・記事ともにブルムバーグ、201612,22)

 

 

BRICs

BRICを構成するブラジル、ロシア、インド、中国は、
中国を中心に予想以上の経済成長を遂げていますが、
言葉自体は各国の頭文字を並べた進行大国を表す造語です。

少し古めのゴールドマンの予想でも来る2030年代は、
よっぽどのアクシデントが無い限り、現在のG7の経済規模を追い越して
世界経済をリードする事になるであろうと言われています。

特にすでに中国は日本とドイツのGDPを抜き去って発展を遂げていますが、
その人口や国土面積、経済規模の重要性からして
BRICs抜きでは世界経済を語れない存在になっております。

さらにBRICsの株式時価総額は
実体経済の成長率以上のペースで増加するのではと予想されています。

理由は、新規株式公開の増加、
間接金融から直接金融への移行、経済の発展に引っ張られて
GDPに対する株式時価総額の割合が上昇する可能性が強いということなのです。

BRICsの中でも2015年のIMFデータでは
1位は米国、2位は中国、3位が日本、7位インド、
9位ブラジル、12位にロシアと世界主要国の仲間入りをしていて
特に中国とインドの成長が目立っています。

政府が保有している政府系ファンドも
特に中国(中国投資有限責任公社)とロシア(準備基金)の
推定資産額が確かな伸び率を示しているという。

 

FX取引においてBRICsの通貨は取引されているのでしょうか?

ブラジルリアル

現在は、IG証券をはじめ数社で取引が可能のようです。

気になるスワップポイントは1に日1万リアルの買いにつき、
80円前後ということらしい。

但し、流動性も低く、リスクも多いのが事実である。

ブラジル・レアル円の推移

ブラジル・レアル円の推移

参考:http://ecodb.net/exchange/brl_jpy.html

2016年10月にブラジル中央銀行は4年ぶりに
政策金利を25ベイシス(0.25)引き下げて14%として
更なる大幅の利下げの可能性をコメント、
金融緩和サイクルの開始を宣言した内容でした。

というわけで近い将来に大幅な政策金利の下げが予想されています(IMF)。

 

ロシア・ルーブル

現在値は1ルーブル1.74ミドルレベルで推移。

ロシアルーブル円の推移

ロシアルーブル円の推移SBI証券)

現在は、SBI証券やIG証券、サクソバンクなどをはじめ数社から取引可能なようです。

現在の政策金利は2016年6月に50ベイシス下げて10.5%ですが、
今後さらなる利下げの可能性が大きい。スワップ金利は不明。

流動性が乏しく、金融商品の種類が少なく、今のところかなりリスキー!

 

インド・ルピー

インド・ルピー円の推移(201611月現在 1.61台後半で推移)
政策金利は
201611月現在6.25

インド・ルピー円の推移

インド・ルピー円の推移

参考:http://ecodb.net/exchange/inr_jpy.html

取引できる会社は、
IG証券、OANDA,GMOクリック証券など、スワップ不明。

 

中国人民元

政策金利は2016年11月現在で4.35%

中国人民元・円の推移

中国人民元・円の推移

参考:http://ecodb.net/exchange/cny_jpy.html

取引会社はSBI証券、セントラル短資、YJFXなど数社。

スワップレートは1-4円とまちまち。スプレッドもまちまちのようです。

 

まとめ

総論としてはBRICsの通貨はFX取引にとって安心して取引するには、
まだ時間が必要な感を感じますが、
人民元は取引する投資家も増加傾向にあると聞いていますが、
リスク管理上、少額取引を推奨します。

米国の中央銀行「FRB」

FRB

FX投資家の皆様にとってFRBという言葉は経済ニュース等で良くお聞きになり、
だいたいのイメージは理解できているとは思います。

FRBは世界の中心の米ドルを理解する上で大切なので簡単に復習してみましょう。

 

FRBとはなにか?

FRBとは(Federal Reserve Board)の略で
日本の日銀(BOJ)のように米国の中央銀行にあたり、
所在地はワシントンにあります。

構成は7名の理事、5名の地区連銀総裁(NY連銀総裁は固定で4名は持ち回り制)です。

2016年時点でのFRB議長はイエレン氏で、
副議長はよく経済ニュースでも出てくるフィッシャー氏である。

 

FRBの業務

FRBの業務は、金融政策(金利決定)を中心にした金融重要事項の全般で、
FRBの下部組織が日本でいえば日銀の地方支店のようなものです。

12の地区連邦準備銀行で実際の中央銀行業務を遂行しています。

FRB議長は、金融・経済において米国大統領に次ぐ権威と影響力を保持しています。

同様に良く聞く言葉のFEDとは、Federal Reserve System(連邦準備制度)を意味して
FRB,FOMC(連邦公開市場委員会)を含んでの米国の中央銀行制度全ての総称です。

12もある連邦準備銀行Federal Reserve BankでこれもFRB
集合体で1つの中央銀行としての意味合いが強く、
英国のBOE,日本のBOJのような単体の中央銀行とは、イメージが異なります。

よくある連邦準備銀行総裁の声明が金融・経済に重要な意味を持つのはそのためである。

  • 第1地区:ボストン連邦準備銀行
  • 第2地区:ニューヨーク連邦準備銀行
  • 第3地区:フィラデルフィア連邦準備銀行
  • 第4地区:クリブランド連邦準備銀行
  • 第5地区:リッチモンド連邦準備銀行
  • 第6地区:アロランタ連邦準備銀行
  • 第7地区:シカゴ連邦準備銀行
  • 第8地区:セントルイス連邦準備銀行
  • 第9地区:ミネアポリス連邦準備銀行
  • 第10地区:カンサスシテイ連邦準備銀行
  • 第11地区:ダラス連邦準備銀行
  • 第12地区:サンフランシスコ連邦準備銀行以上

各地域の連邦準備銀行は、各地域の中央銀行としての役目を果たしていて
独自性のある経済データを正確に分析して
FRBの金融政策の基礎とされている。

 

議長イエレン氏

何故ゆえにFRBやイエレン議長、
フィッシャー副議長のコメントが重要視されるかというと、
彼らの一言が世界の株価・為替動向に大きな影響力があるからなのです。

イエレン議長は、女性で初めてのFRB議長で
サンフランシスコ連銀総裁とFRB副議長も務めた才女でもあります。

イエレン議長は、米国の金融緩和政策の貢献者と、高い評価を得ています。

副議長のフィッシャー氏は、何と元イスラエル中央銀行総裁で、
MILT教授時代には有名なバ―ナンキさんやECBトップのドラギさんへ影響力が大きい。

FRBの仕事

FRBの仕事は、現実的に政策金利を果たして何%上げるか下げるかを決定する事で、
その協議を行う会議が
FOMCと思えておけばわかりやすいと思います。

 トランプ氏が次期大統領に決まった現在、
ドル安志向者でありながら、早期での利上げを吠えていたトランプ氏が
どのようにイエレン氏及び当局要人たちと意見をすり合わせていくかが焦点となりそうである。

しかしながら、先日のロイター社の記事の内容からすると
雇用と賃金の上昇を支援するFRBとトランプ氏の公約が合致するために
早いうちに強調する可能性がありそうだとしている。

トランプ氏のまだ見ぬ財政政策・未知なる政治手腕への期待感が強く、
果たしてトランプノミクスみたいな効果がスタートするのかは
FRBとの連携にかかっているかもしれません。

米FOMC政策金利発表

米FOMC政策金利発表

参考:http://fx.minkabu.jp/indicators/01001

次回での金利上げ期待が高まっているFOMC発表予定は2016年12月15日です。

ここでは2000年以降の米国の政策金利を載せてみました!

 ※青は利率が下がった月、赤は利率が上がった月をあらわしています。

アメリカの政策金利の推移(2010年~2016年)です。
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2016年 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5
2015年 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.5
2014年 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25
2013年 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25
2012年 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25
2011年 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25
2010年 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25

 

アメリカの政策金利の推移(2000年~2009年)です。
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2009年 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25 0.25
2008年 3 3 2.25 2.25 2 2 2 2 2 1 1 0.25
2007年 5.25 5.25 5.25 5.25 5.25 5.25 5.25 5.25 4.75 4.5 4.5 4.25
2006年 4.5 4.5 4.75 4.75 5 5.25 5.25 5.25 5.25 5.25 5.25 5.25
2005年 2.25 2.5 2.75 2.75 3 3.25 3.25 3.5 3.75 3.75 4 4.25
2004年 1 1 1 1 1 1.25 1.25 1.5 1.75 1.75 2 2.25
2003年 1.25 1.25 1.25 1.25 1.25 1 1 1 1 1 1 1
2002年 1.75 1.75 1.75 1.75 1.75 1.75 1.75 1.75 1.75 1.75 1.25 1.25
2001年 5.5 5.5 5 4.5 4 3.75 3.75 3.5 3 2.5 2 1.75
2000年 5.5 5.75 6 6 6.5 6.5 6.5 6.5 6.5 6.5 6.5 6.5

参考:http://seisakukinri.nekokuro.jp/496

 

 

2016年米大統領選トランプ勝利後の米市場の考察

トランプ

2016年11月に成立したトランプ政権により、
米国では金融とインフラ関連業種に先買いが入っているようです。

2200ドルを抜けてきたS&P500の当該業種及び
悪影響が心配されている情報技術セクターの状況を見てみました。

S&P500情報技術セクター

S&P500情報技術セクター

2015年末を起点として金融セクターは15%上昇していますが、
公益事業は6月時点の+20%からなだらかに下げて今はたったの5%アップとなっています。

表を見てみると、なぜか世間で言われているのと大分違うデータが出ています。

逆に情報技術は2月時点の15%超のダウンから今は10%超アップになっているのです。

そこで米大統領選前日の11月7日を基準に騰落率をみてみると…

Post presidential election return
金融 公益事業 情報技術
12.01% -5.14% 0.72%

金融セクターは規制緩和が見込まれるのを材料に上昇が目立っています。

トランプ氏のせいでとんだ災難になってしまっているのが南米です。

Post US election performance
ブラジルボベス USD/BRL メキシコボルサ指数 USD/MXN
-3.23% 5.75% -5.96% 11.03%

特にドル/メキシコペソでのペソ安、そしてボルサ株式指数の転落ぶりはひどいものです。

グラフ

日本の公募投信の資金吸収で花形役を務めていたREIT市場は
金利上昇による借り入れコスト高によって
大統領選挙前から悪影響が懸念されていましたが、
上記チャートは為替の影響を受けない
それぞれの国の通貨ベースデータを載せてみました。

注意-REITとは、米国で生まれて投資家から集めた資金で
商業施設・病院・マンション・オフィスビルなどの不動産を購入して
売買益や賃貸料の成果の資金を投資家たちへ分配する金融商品で投資信託の一角です。

尚、J-REITは2001年から証券取引所に上場されています。

日本グラフ

全体の流れを博するためにあえて起点を2010年末と少し長くとっていますが、
今年6月末以降の騰落率をみてみると下記のとおりです。

  • USREIT :-2.79%
  • EURO REIT:-0.15%
  • JREIT    :-2.96%

ということで、何のことはない、
JREITがUSREITよりもパフォーマンスを落としている事がわかります。

というわけで大統領選後は主要国で株価、国債利回りの急上昇―金利上昇で
資金調達が容易でなくなってきているのが理解できます。

チャート

上記のチャートは、今年前半のリスクオフ期間に
好パフォーマンスを挙げていた資産クラスの推移をみたものですが、
それぞれにピークを打つ時期は異なりますが、
やはり11月に入ってからの下げ方は尋常ではありません。

特に30年債のイールド上昇(価格下落)のインパクトの大きさが目立ちますし、
昨年末からのイールドの下げ分(30%)を全て吐き出してしまいました。

注意
・US HY CORP BONDとは米ドル建て高利回り事業債のこと。
・US GOVERNMENT &AGENCY BONDとは政府系機関債券のこと。

チャート

上記のチャートはS&P500指数($ベース)と
TOPIX(\ベース)の2016年初来の状況ですが、
S&Pは8%上昇してTOPIXに関しては一時20%以上の下落を見せていたが、
まだ、マイナス圏ではありますが、直近で―5%までに大きな回復を見せています。

Post US election performance
US HY Corp Bond JPY Gold US30YT Yield US Govt &
Agency Bonds
S&P500 Topix
-0.36% -7.16% -7.28% -16.09% -2.69% 3.43% 6.22%

米30年債のイールドについてはイールドの上昇分≒価格の下落分として表しています。

また円は対ドルで7.16%下落したことを表しています。

                             (チャート出所―ブルムバーグ)

LDN市場とNY市場、トレーダーの裏話

LDN市場とNY市場

FX市場のゴールデンタイム

FXにおいてニューヨークタイムは、
ロンドンタイムとも重なることもあり出来高もよく、
俗に言うヘッジファンドに代表されるビッグプレーヤーもこの時間帯に参入してくるため、
「FX市場のゴールデンタイム」と言えましょう。

FX市場の一日の始まりは東京の早朝時間(4:00AM)、
ニュージーランドのウェリントン市場から始まり、
NY市場で一日を終わります(約1時間NYとNZは重なる)。

大別すれば、オセアニア・アジア・ヨーロッパ・ニューヨークの順で為替市場は流れています。

 

前週からの剥離プライスで始まる「窓が開く」現象

但し、週明けの口明けのウェリントンは、
その前の週のニューヨーク終値から、何かの理由、
もしくは大手プレイヤーの仕掛け等で剥離したプライスで始まることが多々あります。

その時間は市場参加者も少ないので、原因不明で大きな動きをすることがあるのです。

前週終値から、大きく剥離して始まることを
FX業界では「窓が開く」と表現して
こうなってしまうと、チャート上も線がつながらなくなります。

ロンドン市場と中国経済

尚、金融市場の歴史としてはロンドン市場のほうが先輩です。

近代では世界の基軸通貨としてのアメリカドルや
ダウ平均、米債券利回りに直接影響を与える米経済指標には
世界中のトレ―ダ―が注目しているわけです。

そして、データの信頼性には疑問を持たれているものの、
中国の経済指標にも市場関係者は注目をしています。

それだけ中国経済の動向が世界経済・金融に与える影響が
以前よりも強くなってきたということです。

 

世界の投資家が注目するアメリカの経済指標

世界の投資家は、細部にわたってアメリカの経済指標に注意を払い、
FX市場を舞台に例えれば、基軸通貨である米ドルを主人公、
助演役をユーロが演じていることになります。

ロンドン市場とニューヨーク市場は営業時間が約4時間重なっていて、
ロンドンでの欧州の経済指標やドイツの経済指標、
ニューヨークでの米経済指標に注目して重きをおいています。

FX取引は、世界中のビッグプレーヤーが出てくるこの時間帯に集中します。

特にロンドンやニューヨークのトレーダー(銀行・証券・機関投資家・メーカー・商社等)は
フレックス勤務を設けることで、各時間帯に有事に備えて瞬時に対応できる体制を取っています。

日本のメガバンクや外資系銀行、大手証券などでも
ロンドン当番やNY当番といったようにシフトを組んでいます。

情報網が発達した現代では自宅でも出先でも取引はできますが、
取引の為の情報や設備が不十分だからです。

 

*東京・ロンドン・ニューヨークの取引時間帯(冬時間)

東京・ロンドン・ニューヨークの取引時間帯(冬時間)

東京・ロンドン・ニューヨークの取引時間帯(冬時間)

参考:http://www.ifinance.ne.jp/learn/currency/crm_8.html

上記は欧米諸国に合わせられた11月―3月のウインタータイムです。

 

*東京・ロンドン・ニューヨークの取引時間帯(夏時間)

東京・ロンドン・ニューヨークの取引時間帯(夏時間)

東京・ロンドン・ニューヨークの取引時間帯(夏時間)

参考:http://www.ifinance.ne.jp/learn/currency/crm_8.html

 

2016年は、11月7日に冬時間に移行しましたが、
冬時間は主要な米経済指標の発表は東京時間22:30がメインになります。

 

FX取引の三大市場

ロンドン・ニューヨーク・東京を合わせて三大市場とは言われますが、
BISによる最新のデータによると市場別の出来高では、東京は厳密に3位ではありません。

  • ロンドン   (37.1%)
  • ニューヨーク (19.4%)
  • シンガポール (7.9%)
  • 香港     (6.7%)
  • 日本     (6.1%)
  • フランス   (2.8%)
  • スイス    (2.4%)
  • オーストラリア(2.1%)以下、ドイツ、カナダ、オランダ、中国etc.

 

市場の規模はロンドン市場のターンオーバー(出来高)が圧倒的に大きく、
実際のトレーディングル―ムの雰囲気も違います。

個人的にはNYのほうが好きですが、とくにロンドン市場は金融市場としての歴史が古く、
この業界ではアーリー・ヨーロピアンと呼ばれる
アジア時間に合わせてロンドンの早朝に出勤し、東京時間のクローズ前から仕掛けてくるプレーヤーが、
東京時間の動きを参照に色々なパターンで仕掛けてきます。

また、ロンドンフィックス
(ロンドンの仲値の決定時間-冬時間は東京時間で25:00)
あたりに決済する手法も多々あります。

他にも、日本の5日・10日や月末要因などと同様に
ロンドンも月末や季節事情などで実需の大きなカバーなどが出てくるケースも多いのです。

さらにこの時間帯に集中的に大きな動きをすることが多く、出来高も巨額になります。

通貨ペアではEURGBP,EURUSDなどがロンドンフィックス時に大きく動きます。

フランクフルトやチューリッヒなどからの大きなオーダーもこの時間帯に集中します。

 

ロンドンとNYのトレーダー事情

ロンドンの為替業務従事者の一風変わった制度とトレーダー事情

今は実情が変わってきてはいますが、
ロンドンの為替業務従事者には昔の大英帝国の文化の影響があるのか?
若年のディーラー・ブローカーの最初の仕事は「ホワイトボーダー」と言う
顧客のオーダーや情報をディリングルームの中にある
大きなホワイトボードに先輩の指示通りに書きこむ仕事です。

他にも取引業務のお手伝いや、昼飯の注文とりやドリンクのお使い小僧を何年か経験してから、
いよいよマーケットデビューとなります。

その何年かで勉強や手法を習得して一人前として認められるのです。

他にも仕事帰りにはお決まりのようにパブでギネス等を軽くひっかけて帰宅を急ぐのです。

パブでの同業者との会話も勉強の機会ですが、
週末には頭に包帯がぐるぐると巻かれていたり杖をついて出勤してくる人も結構いるのです。

というのは、彼らジュニアトレーダーの多くは、
週末にはクラブチームでサッカーかラグビーをやっていて
日本人みたいに夜の街には遅くまで残りません。

金融界であるシティには100件近くの会員制プライベートカジノがあり、
日本人のトレーダーの多くは他にあまり遊び所がないので結構ハマっています。

ロンドンは土地柄曇りの日が多くて、あまり気分が晴れないのは私だけでしょうか。

 

NYのトレーダー事情

日本市場がまだ金融市場としては未成熟だったころに痛感したのですが、
NYにはスポットやフォーワードなどのFXセクション、金利専門のセクション、
オプションのセクション、現先のセクション、米国債のセクション、
アービトラージュセクション、商品のセクションなどといった
数多い金融商品別のセクションがありました。

当時は電子取引が主流でなかったために
受話器を片手にしたスタッフの怒涛のような叫び声が部屋中に飛び交い、取引をしておりました。

今では、ほとんど電子取引なので静かになったとは思いますが、
相場が荒れたらどうなるのかは分かりません。

東京市場とは雲泥の差で、取引形態を覚えるだけでも大変な時間がかかります。

最近では名門大学を卒業した金融工学のMBA取得者などの
数学系エリートも業界に入ってきているようですが、
人種豊富で昔堅気のトレーダーもたくさんいるはずなので稼いだら早々にリタイアし、
40代で離職して牧場をやったり、違う仕事に移ったりする人もいます。

ロンドン同様に坦当先をもつ顧客相手の取引や
自己ポジションだけで勝負するトレーダーなどは、その実績を基本に年棒で給与をもらいます。

大リーグ同様に人の出入りも激しく、実力本位の評価基準でした。

隣に座っていた感じのいいトレーダーが次の日には見当たらずに、
ちょいと先のライバル会社で働き始めていたなんてことも日常茶飯事でした。

NYの夜は、飯屋は旨いし、日本料理屋もやたら多く、
ライブハウスも多く、遊びに行くところは多種多様です。

しかしながら、ロンドンフィックス後に市場が大人しくなってしまうことも多いので、
トレーダーは比較的に早く帰宅します。

個人的にプライベートな時間は、
アジア市場でいえばシンガポールの夜より香港の夜のほうが面白いように、
ロンドンよりニューヨークの方が何をするにも圧倒的に面白いということです。

後は仕事柄、座りっぱなしでモニタからも目が離せず、
ストレスもたまり、運動不足になるのでジムによって帰宅する人も多かったと思います。

 

双方の市場ともトレーダーたちは、
仕事の内容はともかく、儲けてなんぼの世界ですから
自己管理をして仕事に対しては熱心に取り組んでいました。

バジェット(目標額)を上回れば、
インセンティブ・ボーナスももらえるケースもある為、
彼らは結構必死で仕事をしています。

もちろん、一定の給与を毎年もらえる契約ではなく
成果による見直しも毎年契約時に行われ、
思うような収益が稼げていない時などには突然に首を言い渡されてしまうケースもあるなど、
FXトレーダーの世界は実力重視の世界なのであります。