ファンダメンタルズ分析

覚えておきたい為替の先物取引

 

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FX取引をすでに何年もやっている投資家の方も
キャリアの短い方も結構ご存知ない方々が多いと思いますが、
為替には直物取引と先物取引の2種類があります。

直物も先物も値段が取引日に決まるのは同じですが、
簡単にいえば直物の決済は今日、先物は将来ということです。

そうです、決済日が異なるのです!

日本の投資家がFX会社や証券会社で取引しているのは、直物といいますが、
例えば、旅行で米国に行くときに銀行に行って円を売ってドルを買う、これが直物取引なのです。

実際の銀行間取引での直物取引の決済は2日後となります
(FXで取引した直物取引は、FX会社、証券会社が銀行と2日後に決済取引を行っているのです)。

ここから、先物取引の実際をお話ししたいと思います。

 

先物市場の原理

例えば、米国ではHONDAのバイクが結構人気がありますが、
来年の10 月末にアメリカの大手バイクチェーン店会社より
バイク代金1億ドルが入金される予定だと仮定します。

そして本日が10月末でドル円相場が100.00ちょうどだとします。

そして1年後(来年10 月末)においても同じレートで100.00だとすれば100億円になりますが、
これらのバイクにかかった製造コストは85億円とします。

100億円が米国から入金されるまえに何もしないで入金を待っていたら、
来年の10 月末に急激な円高になってドル円は80円まで下落してしまいました。

5億円の大損となってしまいました。

そのような事態にならないために先物市場が大切になってくるのです。

 

先物市場の決済は将来(来年10月末)でも値段を今日決まります。

値段さえ決めてしまえばHONDAの国際部財務課の担当者は
来年の10月末まで採算割れのリスクもなしに安心して他の仕事に没頭できるのです。

そこでHONDAの担当者は10月末決済分の値段を決めておこうと
みずほ銀行に来年の10月末のドル先物の売りレート(みずほの買い)を聞くのです。

ここで来年10 月末のレートを同じ100.00円でドルを売れるかというと売れません。

将来のドル円相場は基本的に直物相場より安くなるのです。

なぜならば、米国の金利のほうが円金利より高いのが理由です。

これをディスカウントレートといい、逆はプレミアムレートと市場では呼んでいます。

 

そこでその時の1年物ドル金利が2%、1年物円金利が1%と仮定します。

ここでの1年物ドル金利とは、銀行からドルを借りる時、預金する時の金利をいいます。

仮に100万円を持っていて上記の条件で1年先のドルの直物はいくらになるでしょうか?

円で持っていたら(預金)、金利は1%なので101万になりますが、
ドルで預金したら1万ドルが1万200ドルになる計算です(手数料含まず)。

 

シンプルにどちらで預金したら得かわかりますよね。

しかし、1年後のドル円相場がどうなっているか、
いくらでこの1万200ドルを円に換えられるかわからないということです。

1年後の先物が100円でしたら、102万もらえることになります。

円預金の場合は101万ですから、誰しもドル預金に走ります。

 

ということは、

 

ドル円直物   ドル1年物金利2%
1ドル100円   円1年物金利 1%   保有金額100万

円預金の場合  100万×1.01=101万
ドル預金の場合 1万ドル×1.02=102万

100万×1.01=1万ドル×1.02×X
      X=99.02

上記のように両国の金利差で先物価格は計算されます。

 

そこでHONDAの場合は、1年先に1億ドル入金予定でしたが、
ドル円相場に変動が無くて100円でいたら100億円はいることになりますが、
95円でしたら、95億円しか入らないことになります。

みずほ銀行に金利計算をして1年後のレートをだしてもらい、
そこで為替ヘッジを99円02銭で1年の先物予約をしてリスク回避をするのです。

 

期間が長ければ、リスクも大きくなり大変なことになります。

ここにもインターバンクで先物レートが
短期期間から10年物まで各通貨ペアーごとに常にプライスがたっています。

実際の輸出予約、輸入予約などの期日は商品や取引形態によって様々で年換算で計算します。

 

大手輸出企業の多くは為替変動によるリスク回避のために対銀行で輸出予約をしています。

輸入企業は逆に輸入予約で上記の例でいえば、1年後の買い予約をするのです。

その期日や決済通貨と円との金利差によっても変わってくるが、
メーカーや商社は銀行との間では実需のカバーということで
常に為替予約が行われていることを頭に入れておきましょう。

以前(個人のFX取引が認可される前)は実需原則といって
外為法によって管理されていてそれ以外の目的での外貨の売買は禁止されていた時代もありました。

NZDUSD・ニュージーランドの基本情報

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今回は、NZD特集ということで基本情報を認識いたしましょう!

ニュージーランドの基本情報

ニュージーランドはラグビーでは世界的にも最強軍団の一角として有名で、年間を通じて温暖な国です。

日本の投資家の間では、対ドル(NZDUSD)より、
対円(NZDJPY)の通貨ペアで取引される方々が圧倒的に多いとは思います。

直近では、2016年8月に政策金利を利下げして2.0%としております。

より親密感を感じるために今までのレートの推移やイメージをご紹介いたしましょう。

 

ニュージーランドのレート推移とイメージ

  • NZDはマーケットでキーウィと呼ばれていて、ニュージーランドの通貨です。
    首都は世界のFX市場の日付が変わって最初に始まる都市でウエリントンです。
    人口は410万人弱で国土は日本の4分の3ぐらいと小さな国です。
  • 金利は、最初に申し上げましたが、2016年10月現在2.0%で主要通貨に対して
    オセアニア地域兄弟のオーストラリアドルと似た動きをして中国の動向にも左右されるなどの傾向があります。
  • 尚、格付評価もAAAと高評価です。
    さらに独立前は英国の植民地で自然保護や環境問題を大切にして地球温暖化問題にも真剣に取り組み、
    雄大な自然を背景に映画のロケ地としても人気があります。
  • 国策として何故に高金利を維持しているかというと貿易、経済規模ともに小さく、
    金利を高めにして海外からの投資資金を集めているわけです。
  • 産業としては、特記するものはなくて自国製品がかなり少ないが、
    あえて言えば羊とキ-ウィの国で羊毛製品や食肉としての輸出額はそれなりにあるといいます。
  • 移民(特に中国人)も多いのですが、イメージよりも治安は安心できずに街によって異なるのだが、
    夜の街は麻薬や窃盗など結構怖いらしい。
    移民に近場のサモアやフィージーより中国人が多いのは、
    しばらく前に香港返還時にこの国とオーストラリアに相当数が安住の地を求めて移住したことも原因です。

 

ここ数年のNZDJPY,NZDUSDの値動き

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出典:http://zai.diamond.jp/list/fxchart/detail

 

NZDのリミット

  • NZDUSDを買う取引において金利が他の主要国通貨に比べてがスワップ金利が高い。
  • 投資資金が少額で済む。

NZDのデメリット

  • 取引をするプレーヤーが値動きが少ないので値動きが荒く激しい。
  • 最近では良くなったが、主要国通貨に比べると圧倒的に情報が少ない。
  • NZD売りから、ポジションを建てにくい(金利が原因)。

NZDの政策金利発表

  • ニュージーランドの政策金利発表は年に8回(1月、3月、4月、6月、7月、9月、10月、12月)行われるが、
    中央銀行であるRBNZによって発表される。通常は、夏時間6:45、冬時間7:45です。
  • 発表時はおおよそ事前予想通りになることが多いようだが、
    サプライズやコメントが予想と剥離した場合には、大きな動きを見せるので注意したい。
  • 過去には(2007年7月-2008年6月)政策金利が8.25%だったこともあるが、そこをピークに金利を下げている。
  • 2016年8月利下げから、2.0%から金利を変更していませんが、
    前回のコメントでもまだ緩和余地があることを言っていることから、
    NZDJPY,NZDの中期なロングポジションには、注意しましょう。
    ドル円が、明らかに上にトレンドが出てくる場合の短期ロングでしたら、
    ストップを必ず入れるように気をつけて取引いたしましょう。

人民元と人民元が抱える問題点

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もうご存知の方々も多いと思いますが、
去年の人民元の大幅利下げ(チャイナショックー世界的な株価下落要因)から1年が経過したが、
2016年10月1日よりIMF(国際通貨基金)は、
加盟国に(仮想通貨のように)資金を融通する際に通貨のような役割を果たす
SDR(特別引き出し権)に人民元を正式に組み込みました。

今までのSDRは、IMF加盟国に出資額に応じて配られていて
過剰な通貨変動を制御する目的でドル、ユーロ、円、ポンドト4通貨を混ぜる形で構成されていて
通貨危機などに陥った国々は外貨と交換することができる。

その背景ともいえるのは5年位前から、
中国の大手行はロンドンで人民元を取引や決済する為のインフラを構築して
元の国際的信用力を拡大するためにIMFにアピールしていたという事実があります。

その新たなSDR構成率は10.92%を占めてドル、ユーロに次ぐ3位になる

しかしながら、SDRは実際に市場で取引されているわけではないので
為替市場への影響は少ないということである。

 

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出典:https://apps.newyorkfed.org/markets/autorates/fxrates/external/home

 

人民元の今後の問題点

・SDR構成入り通貨の条件としてその国の輸出額,
量(中国は5年前にすでにクリアー)やその通貨が自由に使用できるか否かを挙げていましたが、
経済面でも取引基準でもIMFから正式に合格を勝ちえたということであろう。

 

・しかし、中国は人民元の国境を越えた投資目的の取引をいまだに規制していて
完全に自由に取引できるかという疑問視する事実もある。

 

・問題点として大きいのは、10月からSDRに採用はされる前から、
ロンドンを中心に国際舞台での利用拡大推進を実行してきていたのに
ブレグジットという難題に直面した格好となった。

 

・ロンドンでは、今年だけでも相当数の人民建て債が上場されているのだが、
英国がEUで自由に金融サービスを提供する権利を失うケースもあり得ないとは言えず、
人民建て金融商品を販売できなくなれば、
ロンドンをオフショア取引所と選択した中国には大変なことになりかねない。

 

・しかしながら、市場関係者によると
英国がその権利を失う可能性はかなり少ないとの見解が多いといいます。
尚、中国はリスクを考慮してフランクフルトやチューリッヒ、パリ、ダブリンなどの主要金融都市に
 ロンドンのヘッジでアプローチを展開してくるだろうと予想している。

 

・SWIFT(国際銀行通信協会)のデータでは、
国際通貨取引の決済通貨としての人民元の市場シェアは
まだ直近では1.72%程度でカナダ、日本円に次いで6位ではあるが、
今回の決定で人民元の信頼度は増して準備通貨の一角や
民間企業の決済通貨としてのニーズが上がってくる可能性は大きい。

 

・尚、G7の中で加盟していないのは日本とアメリカだけであるAIIB(アジアインフラ投資銀行)に
G20を前にカナダが加盟申請を決めたことなどからして、
10月6日のG20でも中国は経済問題を主題にもっていくだろう。

 

・尚、AIIBは近い将来にADB(アジア開発銀行)の67カ国を抜かしてくる可能性も報じられている。

 

・ちなみに麻生さんは、IMFの報道を受けて中国は国際金融機関としては
 中身が不十分で不透明な通貨管理を国際的にもよりオープンにしなければいけないとけん制発言をしている。

 

・中国は、今回の件でAIIBに加盟しない日本を含んだ米ドル経済圏に対抗して
最近に欧州や東南アジア諸国連合(ASEAN)などのドル離れの国を引き込み、
ドル基軸経済・金融社会にケンカ状をおくってきたのである。

 

中国自体の貿易総額の決済比率に占める人民元の比率は30%を超えてきているとは言うが、
 スワップ協定【お互いの通貨を融通する】締結国は33カ国で
 貿易取引で直接に人民元を使用可能な国は16カ国、
 外貨準備で人民元を加えた国は僅かに10カ国であるのが現実です

 

・最近ではアフリカ企業にも積極的に投資、アジア諸国や欧州までにもそのアプローチを強化しているが、
円建て債券がサムライ債と言われたように世界銀行がSDR建て債券を中国で発行し、
ムーラン(男装して異民族に戦いを挑んだ英雄)債と呼ばれてイメージアップも図っている。

 

・SDRした人民元の5億SDR(約700億円)の債券は三菱東京UFJや中国の国有商業銀行が引き受けたというが、
いままでの米ドルや日本円で投資した中国へのプロジェクトで
人民元ベースの収益が上がっても不明な規制で国外に持ち出せない為、
再投資か内部留保しかないという現実があるという。

 

規制面で主要国と比較しての問題点
 企業の場合は、証券投資や直接投資などの資本取引を自由に行えなくて
 海外の投資家が中国の債券や株式に投資をする場合には証券取引所等を通して
 一定の金額しか投資が出来ないとか、直接投資の場合は当局に綿密な計画の報告義務があったりするのです。
 尚、個人においては、人民元と外貨の交換(両替)は年間米ドルで5万が上限だそうです。

 

・上記のような規制があっては、海外の投資家や企業からの評判も今一なはずで
為替レートの交換レートも基準値とか不明確なレートだそうです。
このような規制を緩和しなければ真の国債通貨の仲間入りは肯定されないのです。

 

・しかし、日本のメガバンクの三菱東京UFJや三井住友銀行、
みずほ銀行は現在の規制内において今後の緩和を見据えてプロジェクトチームなどで
新しい人民元でのビジネスチャンスを広げる商品を広げてきているといいます。

 

以上のような問題点を経て、
果たして国際的な信用を勝ち得ることができるかが今後の中国の課題となりそうである。

直近の原油動向とドイツ銀行問題

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先日のOPEC非公式会合で「増産凍結合意」との報道から原油価格は前日比5.3%上昇で引けました。

それでもWTI11月ものの引け値は47.05ドルということなので
大して驚くようなレベルにきたというわけではありません。

とはいえ、チャート上ではちょっと注目に値するかと思えるような形になってきました。

 

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出典:https://www.bloomberg.co.jp/markets/currencies

 

こうやってもっともらしいトレンドラインを引くことによって、
受け取る側に先入観念を植え込んでしまうことをフレーミングというと、
最近読んだ行動ファイナンスの本で学びました。

紫で示したトライアングルは昨日に上抜け・・・より
長期のトライアングル(オレンジ)のレジスタンス@48ドルどころも突き抜けるようなら、
目先は51.67ドル(6月9日の高値)狙い、
その上の60ドルぐらいが視界に入ってくるかもしれないって感じです。

 

もう一つ、経済ニュースでも大きく報道されているドイツ銀行の経営不振についてだが、
米国の住宅担保保険ローンに絡んだ不正販売もんだ問題で
米国の司法省がドイツ銀行に140億ドル(1兆4000億円)の支払いを求めていることが明らかになりました。

ドイツ銀行の株価は報道を受けて26日には過去最安値を記録。

そこでタイムリーなのでドイツ銀行に関するデフォルト関連のチャートを載せてみました。

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出典:https://www.bloomberg.co.jp/markets/currencies

 

上記のチャートは、青のラインが株価(左軸)、
そして赤(右軸)は5年物CDSのインプライド・デフォルト・リスクです。

株価についてはまあよくここまで売り叩かれているものだと思うような展開です。

 

それに比べてCDSスプレッドは、今年1月~3月にかけて
利払い不履行懸念がクローズアップされたときに80bpsあたりから120bpsまで高騰、
その後はオーバーシュート分を戻すように低下してきており、
米司法省から140億ドルと高額の和解金をもちかけられていることが明らかになった今週でも
それほど反応はしていないようです。今後の推移が注目されます。

 

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出典:https://www.bloomberg.co.jp/markets/currencies

 

一方、オプション市場ではショート建玉は直近で183万まで膨らみ、コール建玉も137万と高水準を維持。

プットの口数が膨らむのは当然として、コールまで増えるっていうことは、
市場にはドイチェに対する公的支援を見越して
バーゲンハンティングに動いているヤツも少なくないってことなのでしょうか。

株式の空売り+コールのロングで保険をかけているという見方もできます。

 

しかしながら、ドイツ銀行の時価総額は今月初旬より時価総額がなんと2割も減少しており、
9月28日には2%程戻してはいますが、
今後のリスク志向やEURUSDの相場展開に大きな影響を与えそうなので今後の展開に注目したい。

全体の欧州の株価にも影響大でドイツ銀行と指標のストックス欧州600指数が
同じ動きをしていることにも表れています。

国民年金・厚生年金の管理運用組織「GPIF」

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2016年夏にTVや新聞でもGPIFの運用実績が発表されました。

それに対し、中高年世代はその内容に驚愕して、
将来の年金支給額は大丈夫なのか?と危機感を持ったのは記憶に新しいところです。

さて27年度の運用損失は5.3098兆円の赤字だったことを発表しました。

後ほどご紹介いたしますが、運用損失を出したのは5年ぶりで、
GPIFの高橋理事長は「実績は謙虚に受け止めるが、積立金運用が短期で上下しても、
年金給付額には直ちに影響はない」と弁明しましたが、我々中高年は先行きに大きな不安を感じます。

ここで高橋則広理事長とは、凄腕と鳴り物入りで就任したという評判を聞いたので調べてみました。

 

高橋則広氏の解説

高橋氏は、前任の三谷理事長が体調不良のために退任後に就任しました。

GPIF理事長の年収は2,148万円と高額ではあるが、
前理事長がいわゆる高値掴みの株式市場投資で、問題が山積みだった中での継承劇であったようです。

高橋理事長は、東大法科卒、農林中央金庫出身、
農中においては債権投資部、開発投資部長を歴任して運用のスペシャリストとして有名であったらしい。

しかしながら、GPIFの運用総資産139兆8249億円と
世界的にも巨額で64兆円の運用額を誇っていた農林中金の立役者であるにも関わらず、
大手海外ファンドや欧米インベストメントバンクに丸投げ運用していたという市場関係者の噂もあり、
荷が重く、ババを掴まされたのではとの意見もあるという。

 

GPIFとは?

GPIFは英語でGovernment Pension Invest Fundと呼ばれ、
厚生労働省所管の独立行政法人で日本の公的年金のうち、
共済年金は別にして厚生年金&国民年金の積立金の管理と運用を行っています。

設立は、2006年4月で港区虎ノ門ヒルズ森タワー内にあり、職員は一番新しいデータで96名。

平成27年度第三四半期現在の運用資産は米国の社会保障年金信託基金についで
139兆8249億円とノルウェーの政府年金基金の運用額を超えてきています。

それまでの年金資金運用基金から収益性を追求するとともに
専門性を徹底して責任を明確化することを目的に2006年、GPIFとして改組されました。

現在はGPIFの保有している国内株式は、東証一部上場株式の時価総額の5%を超える程になり、
わずか1%の国内株式増加で市場には1兆円を超える資金が流れ込む為、
GPIFが市場に与える影響は非常に大きいと言えます。

しかしながら、日本政府の株価対策ではないか、市場介入ではないかとも言われてリスクは大きく、
多額の損失を計上しても明確には誰も責任は取らないとの意見もあります。

 

尚、海外での市場関係者の間では「世界最大級の機関投資家クジラ」との異名をとってはいるが、
理事長に集中する独任制でスタッフの詳細はわかりませんが、
経済と金融の専門家による運用委員会で合意される下部意思決定がなされて、
その運用委員会が執行部を監視している組織らしい。

但し、140兆円近い資産を運用することから、
「現行体制から合議制に移行するべきである」という意見が増えており、
今、組織変更が切実に検討されているらしい。

 

現在の疑問点

  • 政府への責任追及
    5億3000億円もの運用損を上げてしまったことについて
    高橋理事長だけではなく、菅官房長官まで年金支給への影響はないと弁明しているが、
    GPIFの株式投資比率倍増を実施させた安部政権の重大責任である。
  • 巨額な管理&運用リスクを考えても140兆円もの資金をGPIFに任せる意味はあるのか否か?
  • 本当に必要なのは、公的年金運用方針に関する議論の透明性で保有全銘柄の開示などではない。
  • GPIFは、投資配分や計判断をめぐって合議制が不可欠である。
  • 累積評価ではなく、単年評価導入を!
    BOJのマイナス金利政策によって国内債権では利益を生めずに年金財政を圧迫しているのが現状である。
    単年で評価して、リスクに対処すべきであるということ。

 

運用実績

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上記のチャートは、平成13年に運用開始以降、平成27年度第三四半期までの運用実績である。

運用実績は四半期ごとに発表されますが、
前記した前身の年金運用基金が設立された平成13年からのものです。

 

運用実績2

年度 収益額 収益率
2001年度(平成13年度) −5,874億円 −1.80%
2002年度(平成14年度) −2兆4,530億円 −5.36%
2003年度(平成15年度) +4兆8,916億円 +8.40%
2004年度(平成16年度) +2兆6,127億円 +3.39%
2005年度(平成17年度) +8兆9,619億円 +9.88%
2006年度(平成18年度) +3兆9,445億円 +3.70%
2007年度(平成19年度) −5兆5,178億円 −4.59%
2008年度(平成20年度) −9兆3,481億円 −7.57%
2009年度(平成21年度) +9兆1,850億円 +7.91%
2010年度(平成22年度) −2,999億円 −0.25%
2011年度(平成23年度) +2兆6,092億円 +2.32%
2012年度(平成24年度) +11兆2,222億円 +10.23%
2013年度(平成25年度) +10兆2,207億円 +8.64%
2014年度(平成26年度) +15兆2,922億円 +12.27%
2015年度(平成27年度) −5兆3,098億円 −3.81%
累計 +45兆4,239億円 +2.70%

2015年度には、東京の株式市場は一時2万円を回復して、
これからという時に、夏ごろからの中国株の暴落のチャイナショックの大きな影響で
運用実績急降下となったきっかけとなったといわれています。

FX市場における通貨取引シェアーと市場規模

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前回のBISの調査では、1DAY当たりの為替取引額は5.3兆ドルと公表されていて、
そのうち米ドルで87.0%がドル取引に絡んでいると言います。

次点がユーロで33.4%、それ以降は、日本円、英国ポンド、オージードル、スイスフランの順となっています。

そして興味深いのは、下記にある世界の通貨別の取引高を見てください。

 

世界の通貨ペア別取引シェア

(グローバル市場における1日平均 単位:10億米ドル)

2007年 2010年 2013年 2016年
通貨ペア 取引高 シェア 取引高 シェア 取引高 シェア 取引高 シェア
USD/EUR 892 27% 1,098 28% 1,292 24% 1,173 23%
USD/JPY 438 13% 567 14% 980 18% 902 18%
USD/GBP 384 12% 360 9% 473 9% 470 9%
USD/AUD 185 6% 248 6% 364 7% 266 5%
USD/CAD 126 4% 182 5% 200 4% 218 4%
USD/CHF 151 5% 166 4% 184 3% 180 4%
USD/その他 669 20% 749 19% 1.169 22% 1.248 25%
EUR/GBP 69 2% 109 3% 102 2% 100 2%
EUR/JPY 86 3% 111 3% 148 3% 79 2%
EUR/CHF 62 2% 71 2% 71 1% 44 1%

上記の表に置いて注目すべきは、最大のシェアーは、
米ドルとユーロの通貨ペアで2016年のデータで23%、
それに続くのが、米ドルと日本の円の取引額だということです。

英国ポンドとA$(対US$)の取引額シェアがここ数年で減少傾向ということです。

これはBOJによる数年継続中の金融緩和が、
米国を中心に世界中の投資家たちの関心を呼んで取引高が増えてきていると言える
でしょう。

 

主要国の市場規模(取引高シェア)

(グローバル市場における1日平均 単位:10億米ドル)

2010年 2013年 2016年
地域 取引高 シェア 取引高 シェア 取引高 シェア
イギリス 1853.6 36.8% 2726.0 40.8% 2426.1 37.1%
アメリカ 904.4 17.9% 1262.8 18.9% 1272.1 19.4%
シンガポール 266.0 5.3% 383.1 5.7% 517.2 7.9%
香港 237.6 4.7% 274.6 4.1% 436.6 6.7%
日本 312.3 6.2% 374.2 5.6% 399.0 6.1%
フランス 151.6 3.0% 189.9 2.8% 180.6 2.8%
スイス 249.5 4.9% 216.4 3.2% 156.4 2.4%
オーストラリア 192.1 3.8% 181.7 2.7% 134.8 2.1%
ドイツ 108.6 2.2% 110.9 1.7% 116.4 1.8%
デンマーク 120.5 2.4% 117.4 1.8% 100.8 1.5%

上記の国別の市場規模でおわかりになるように
相変わらずに英国(歴史的にも非常に古くて時間帯的にも世界中の大きなプレイヤーが集結しやすい)ですが、
面白いのは、少しずつですが米国がそのシェアを上げてきていることです。

大分前から、アジアでの金融センターとしての役割を果たしている
シンガポール、香港が、新しいデ―タでも東京より出来高が多いということを知っておくべきでしょう!

いかに日本でのFX取引が急増しているとは聞いても、
日本で個人投資家によるFX取引が認可される前
に日本人は大きめの携帯電話でシンガポールや香港の業者と取引していたのもなんとなくうなずけます。

尚、上記の二つの表は、BIS(国債決済銀行)が発表しているデータですが、
今回は、トップ10だけ載せたことをご了承ください。

 

メジャーカレンシーとマイナーカレンシー

FX市場におけるメジャーカレンシー(Major Currency)と
それ以外の主要でない通貨をマイナーカレンシー(Minor Currency)といいます。

これはBIS 公表の通貨取引高において
豊富に取引されている通貨が発表されているのは、上記で示しました。

これらの通貨の取引高をリクイディティLiquidity(流動性)といいます。

米ドル、ユーロ、日本円は、リクイディティの面からもメジャーカレンシーと言われてきましたが、
通常、それに次ぐ、英ポンド、スイスフラン豪ドル、カナダドルは準メジャーカレンシーと呼ぶこともあります。

リクイデイテイが少ない、ということを端的に考えれば、それだけ取引される機会が少ないということになります

市場参加者が少なくなれば、売買の需給面の開きが生じて
買値(BID)と売値(OFFER)のスプレッドは広がります。

ですから、マイナーカレンシー通貨ペアは、レートはワイドになりやすくなります。

 

ドルストレートとクロスレート

通常、マーケットでは米ドルに絡んだ通貨ペアをドルストレートといい、
USDEUR(EURUSD), USDGBP(GBPUSD),USDJPYといった通貨ペアの交換レートをいいます。

他方で米ドルが絡まない通貨ペアをクロスレートといいます。
EURGBP,EURCHF,EURJPY,GBPJPY,AUDJPなど。

その中で米ドルが絡んでいない対円通貨ペアをクロス円ともいいます。
上記のEURGBP,EURCHFなどはクロスユーロともいいます。

下記が計算方法ですので参照してください。

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米雇用統計とドル円相場の関連性

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市場に影響大!
雇用情勢と米雇用統計、非農業部門雇用社数

外国為替市場のなかで特に市場に影響を与えるのがマクロ統計です。

その中で一番影響があり、
市場関係者たちにもいわば月に一回の大イベントであり、
その他主要国の貨幣価値にも影響を及ぼすのが、
「雇用情勢(Employee Situation),米雇用統計」です。

中でも、発表される項目の中で市場から注目されているのが
「非農業部門雇用者数(通称Non-Farm Payroll=NFP )」となります。

 

ファンダメンタル分析上でも重要な基礎知識

ここで簡単に、ファンダメンタル分析上でも重要な基礎知識についてお話しましょう。

米雇用統計は、アメリカ労働省労働統計局がアナウンスする失業者を労働力人口で割った統計です。

雇用統計の中では「非農業部門雇用者数」の注目度が高く、
非農業部門に属する事業所の給与払い帳簿をもとにして集計されています。

自営業、農業従事者を含まず、対事業所は40万社・従業員数は約4700万人で
全米のおおよそ30%以上を対象にしています。

失業率の計算方法は失業者数を労働力人口で割って100をかけた数値になります。

ここでいう労働力人口とは、簡単に言って16歳以上の一般人口の中から、
就業者と就業活動を行っている人たちの事を言います。

雇用統計は、原則として毎月第一金曜日に発表されます。

基本的に失業率の低下と非農業部門雇用者数の増加は、景気回復と判断されてドル買い要因となり、
FRBの利上げ判断要因となります。最近では、平均時給も重要視されてきています。

 

その他の雇用情勢のバロメーター「NFP」

そのほかにも、2日前に発表される
民間統計のADP雇用統計は、NFPの先行指標とも言われています。

しかし、その連動性、信頼性は定かではありません。

新規失業保険申請件数も雇用情勢のバロメーターの一つです。

特に雇用統計発表時は、結果が市場予想と大きく剥離した場合は
想像以上の大きな動きをするので注意が必要です。

最初はNFPに反応しますが、事前の市場のポジションの偏りや
その詳細(平均時給や前月の修正等で)行ったり来たりの動向を見せるときがあります。

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上記のチャートは、失業率とNFPと政策金利の推移が同時で見られるものです。

古くは2007年秋口に政策金利が当時には5.25%から4.75%に引き下げられてから、
しばらく利下げが継続されてきたのが良くわかります。

こうしてチャートで復習すると面白いと思うのですが、
失業率自体は、2009年には最悪10%まで悪化して穏やかに回復傾向にあります。

NFPは、2009年月にはー65.5万人と悪化して
2008年3月から2009年12月までマイナスの非農業部門雇用者数であったように思います。

ちなみに直近の9月2日発表の雇用統計内容は以下のとおりです。

非農業部門雇用者数は+15.1万人(予想+18万人)。

修正事項は、7月の+25.5万人は+27.5万人へ上方修正、
6月の+29.2万人は+27.1万人へと下方修正。

失業率は市場予想の4.8%を上回り、3カ月連続の4.9%という内容でした。

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雇用統計(特にNFP)の推移とドル円相場のリンクしたチャートが無かったので
上記チャートと前頁のチャートを参照にしてご覧になってください。

過去にどのような状況下でドル円相場が推移してきたかよく理解いただけるはずです。

すぐ迫っている次回のFOMCに何か参考になればと思います。

コモディ市場状況を把握する

コモディ市場ヘッダー画像

最近のTVなどの経済情報では、為替相場の情報とともに
商品相場(特に原油、金)の情報が報道されています。

双方の動きは強い相関関係を見せるときがありますので基礎知識を勉強しておくと良いでしょう。

ここでは、市場の注目点についてマーケットリスク社という会社のレポートの中で
コモディティ関係の動向に詳しい人でかなり頭の切れる人の解説をご紹介しましょう。

 

コモディティの動向

基本的な認識としては、例えば金でしたら、
世界的な経済情勢不安などが背景で金に投資する(金を買う)ということは
金という外貨商品を購入するということです(一時は、有事の金買いとも言われておりました)。

円安局面では金価格は値上がりして円高局面では値下がりするケースが多く、
従って金価格は為替相場にそれなりの影響力を持っていて中長期的なデータで見てもどちらかが先行します。

金価格が高くなる=ドル安、原油価格が高くなる=ドル安という相関関係が、一般的です。

そこで、最近の商品相場についての有意義な解説が、下記に示したものです。

下記の表で紹介するなかでブレキジット(BREKIT)という言葉が出てきますが、
ファンダメンタルズ勉強の一つとして再認識しておきましょう。

 

BREKITとは?

先日のイギリスのEU離脱問題をBREKITと呼んでいますが、
これはBritain(英国)とExit(退出する)を組み合わせた造語だそうです。

国民投票でEU離脱が決定する前にイギリスは、
ドイツ同様にEU加盟国の中では代表する経済大国で経済も比較的安定しています。

この世界情勢下で各国より相当数の移民を受け入れていて社会問題となっております。

そこでイギリス国内いである程度の制限をするべきであるという不満が強まりましたが、
EU加盟国の為に政策変換は自由に出来なかったのも国民投票の結果の要因の一つと言われております。

下記の表では最近の原油、金価格動向に与えている3カ国に注目しています!

原油動向 金価格 非原油コモディティ
市場が注目する国 米国 英国 中国
市場を動かしている
要因
リグ数(2月以降増加傾向にあり、今後産油量が増える可能性)…これがここ2月弱の原油価格の下落を説明している。しかしこの期間には投機筋の新規のショートポジションが積み上がった。彼らはいつか買い戻さなければならないので、それほど大きな価格下落には発展しないだろう Brexur→質への逃避
BOJの政策決定委員会後、日本の金利が急上昇→米国金利も上昇→債券価格下落→安全資産の中でも相対的に金の需要が増えるという連想
コモディティは中国の需要動向がカギ
価格に影響を与える
度合いが強いのは
供給サイド動向 需要サイド動向

 

上記での原油項目でのリグ数とは、
リグ稼働率の事で油田の掘削装置の意味で石油や天然ガスを探索して採掘することで
その数が増加すれば米国の生産が増えて供給も増えることから、原油価格の下落要因
ということです。

逆にその数が減少すれば米国の生産、供給が減って価格上昇要因となります。

そこで上記の表ですが、面白いのは
非原油コモディティでは中国の需要がかなりの価格影響力を持ってきたことです。

そこで中国の国家統計局から中国の固定資産投資動向の資料をダウンロードしようとしましたが、
なぜかアクセスが遮断されていました。

そこで、少しばかり古い情報にはなりますが、
ビクテ投信投資顧問がリリースしたレポートを参照してみます。

 

レポートによれば同国GDP成長率は皆様ご存知の通り鈍化傾向で
民間部門による固定資産投資の鈍化は今年の5月時点で前年比;3.9%しかないという落ち込み
です。

鉄鋼も過剰生産で余剰在庫も増えて状況で仕方ないのかもしれませんが、
民間部門は過剰生産能力の解消で必死なのですから。

しかも、縮小ばかりしていては、問題のGDP6%成長もおぼつかないことになりますので
民間部門に代わって公共部門の投資が年初から膨張しているそうです。

公共部門のレバレッジ(債務)水準の急増でサステナブル(持続可能)とは言えないということでしょうか?

 

まとめ

そういうわけで米国同様に世界の商品相場に多大なる影響を与えている中国は、
相も変わらずに危ない綱渡りをしているという状況下にあるということで、
上昇基調を継続していけるか否かに疑問の余地が大きい
という内容でありました。

政策金利と物価上昇率を把握する

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この主題もFX取引をやる上で重要なことなので再認識してみましょう。

米国のFOMCに代表される金融主要国の中央銀行が実施する政策金利発表は、
為替市場の動向に大きな影響を与えます。

中央銀行が政策金利を利上げすれば、金利上昇見通しとなり、その通貨は買われます。

逆に政策金利を下げれば、金利下落見通しとなり、その通貨は売られます。

金利を上げるときは金融引き締め、金利を下げるときは金融緩和といいます。

 

しかしながら、そのアナウンスの後の当局者のコメントによって
市場は違った印象を感じて逆に動くこともあります。

というのは、市場にはすでにその情報は織り込み済みで
すでにその方向に動いてしまっているときもあるのです。

ですから、そのような政策金利に関する情報やマーケットの匂いをいち早く感じ取ることが大切です。

 

金融政策と物価の関連性

だいたい理解されている投資家の方は多いと思いますが、
中央銀行が利下げをすれば、個人や企業が銀行から借り入れする金利は下がる訳ですから、
その意欲は強まって出回ってくる資金量は増加します。

個人や民間企業の購買意欲が強まると必然的に物価は上がってくるという理屈です。

これをインフレーション(インフレ)といいます。

 

その際に中央銀行は俗にいう
買いオペ(日銀が民間銀行から国債などの有価証券を買い取ること)も
同時に実施して資金を供給するわけです。

このオペレーションを日銀が行うことによって金利(超短期)の低下を誘導します。

逆に米国のように雇用情勢や景気が改善して過熱し始めると
売りオペ
(市場から資金を吸収するために日銀保有の国債などの有価証券を売却する)をして
景気を引き締める事になります。

上記のように景気の判断基準とされているのが、物価上昇率【消費者物価】となりますが、
日銀は物価下落率が大きいと判断した時は、利下げを含めた金融緩和を実施し、
物価上昇幅が大きなときは利上げを含めた金融引き締めを行うことで
物価調整、安定を目指しているのです。

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日本の場合は、現在、黒田日銀総裁が発表する金融政策決定委員会で
政策金利の変動の有無やオペレーションの内容を発表します。

現状確認ですが、マイナス金利政策導入後、約半年経過した日本ですが
金利全般が低下して企業も個人も資金借り換え動向は目立ちましたが、
投資も消費も期待買いの状況で物価が上がってきた実態感は感じられません。

その上、消費者物価の上昇率はいまだにマイナス圏で
物価の上昇ムードも数値、実態感でもありません。

一応、日銀は物価目標2%をうたってはいますが、
欧州、中国、英国をはじめとして先行きに不安感があります。

借入金利が下がって資金調達が楽になった割には、
個人、企業の運用実績が悪化して副作用が出てきました。

このようなバックボーンで日銀はこのような副作用と物価の上昇問題をしっかり検証して
目標である2%の物価目標達成のためにどんな金融政策を打ち出すか注目が集まっています。

 

誘導目標

例えば、次回の金融政策決定会合でマイナス金利を深堀するとしたら、
その目標数値に誘導することが必要で瞬時に決定できず、
民間に資金供給をしたり、吸収したりすることで政策金利の目標数値に事前に誘導するということです。

その過程にある、無担保コール翌日物市場の事を知っておきましょう!

参加者が、金融機関同士が超短期の資金を融通しあうコール市場で、
短資会社で取引されていて信用力が非常に高く、無担保で取引されている市場です。

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上記の無担保コールとは、短期金融市場のインターバンク市場(銀行間市場)で
市場参加者は日銀や短資会社、メガバンク、邦銀、外銀、証券会社、生損保会社、投資信託、政府系などで
金融機関マネ-・アト・コールとも呼ばれて短期資金が調達できることでコール市場と呼ばれます。

取引時間は、原則朝8時から夕方5時までですが、実際は4時過ぎには取引を終了します。

前ページの金融市場の表のなかで
日銀が実際にコントロールできるのは無担保コール金利などの翌日物だけです。

日本で一番短い期間で一番低い金利しかコントロールできない一方で
無担保コール金利は、円金利の原点でもあるのです。

別の言い方をすれば、いわゆる金利政策の主戦場なのです。

無担保コール金利は、一般の方々には知られていない馴染みのない金利であり、短期金融市場なのです。

そして日銀はここでの資金のやり取りをスムーズに出来ない限り、金融政策を運営できないことになり、
国債の売買や企業の社債発行等にも何らかの支障が生じてしまうのです。

その為に日銀のオペレーション担当する日銀金融市場局は、
短資会社に市場参加者の動向の調査や、金融機関の調達状況を常にヒアリングして市場動向をつかみながら、
オペレーションのタイミングやその金額を判断するのです。

というわけで黒田さんが記者会見等でスピーチする場合も、市場関係者に考えを伝える上で
金融市場局の現場担当者は電話で常に市場と親密に接してなければならないのです。

その無担保コール翌日物は金融機関同士の超短期な資金のやり取りを行うコール取引で
担保を必要とせずに資金をやりとりする際の金利のことでオーバーナイト(O/N)と言って
翌日を意味して、その    O/N取引とは、資金を今日借りて(貸して)、翌日返す(返済される)ものです。

理論としては、基本的には買いオペや売りオペなどのオペレーションで政策金利を誘導するわけですから、
市場の金利もこの政策金利に連動するはずですし、
利下げされればその国の通貨は売られ、利上げされればその通貨は買われるということです。

しかし、日本の場合は、長期にわたって0金利政策状態を継続していたので
金利低下も必ずしも通貨安とならない場合を考える必要があるし、
金利差をベースとして考えた方がいいでしょう。

 

物価目標

主要国の中央銀行が、政策金利を変更するために物価目標(上昇率)は欠かせないことはお話ししましたが、
金融政策の主要ターゲットである物価上昇率の水準をどの辺を目標値にしているのかという疑問が湧いてきます。

米国を別にして主要国の金融緩和継続状態の今、この論点は難しいのですが、
FRB,BOJ,ECB等の主要国の中央銀行は、金融政策の主要な基準としているのは物価上昇率でプラス2%です。

そのプラス2%から、実際にどれくらい離れているのか、
どのタイミングでその中央銀行が金融緩和するか、金融引き締めするのかが重要になります。

例えば、日本の物価上昇率がプラス1%に低迷しているとしたら、
利下げ見通し継続、利上げは当分の間は期待できないということになります。

その逆で米国の物価上昇率がプラス2%ちょうどとしたら、
利上げはあるかもしれないとの予想もあり得るということです。

 

まとめ

総論としては、内外金利差が為替の変動要因になるとは言っても単純ではなくて、
これから将来的に政策金利が上昇していくと予想される通貨が上昇し、
これから政策金利が下がっていくと予想される通貨が売られるというデ―タが強い
ということです。

そのほかにも雇用情勢だとか様々な要因で政策金利が変更されるケースもありますが、
少なくとも物価上昇率と政策金利の動向だけは把握しておきたいところです。

FXカバーディーラーの基本的な稼ぎ方

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FXカバーディーラーの意志決定プロセス

トレーダー(個人投資家)側はスプレッドが狭いほど有利

あたりまえのことですが、FXでトレードをするにあたってはスプレッドは狭いほどいいですね。

FX会社を選ぶ基準ではおそらく最重要項目でしょう。

これがどういうことなのか、念のため確認しておきましょう。

 

FX会社の売買画面はだいたい次のようになっています。

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画面の右側の数値をASK(またはOFFER)といい、買い注文を出すと約定するレートです。

画面の左側の数値をBIDといい、売り注文を出すと約定するレートです。

これは、今あなたが注文を出したらこのレートで約定しますよ、という情報をFX会社が提示しています。

各社でツールはまちまちですが、この2つのレートが常時提示されていることと、
右がASKで左がBIDというのはおそらく世界共通だと思います。

 

このASKとBIDの差(表では2.1銭)をスプレッドといいます

当然ですが、常にBIDよりASKが大きなレートになります。

もしそうでなくて BID > ASK であれば、
買いと売りを同時に出せばスプレッドの分だけ顧客に必ず利益が出てしまい、
必勝法ができてしまいますので、そういうことはありません。

 

スプレッドによってどれだけ利益にインパクトがあるか

 

レート変動とスプレッドが利益に与える影響(ドル/円 1万通貨の場合)

スプレッド 為替レート自体の変動→
↓(PIP) 0.01円 0.05円 0.1円 1円
0.0 100円 500円 1000円 10000円
0.2 80円 480円 980円 9980円
0.4 60円 460円 960円 9960円
0.6 40円 440円 940円 9940円
0.8 20円 420円 920円 9920円
1.0 0円 400円 900円 9900円

※100PIP=1円

 

上記の表を見ると、短期売買指向の顧客ほどスプレッドが重要であることがよくわかると思います。

スプレッドが0PIPと1PIPの場合で比べると、
1円(100PIP)の動きを狙う中長期トレードなら利益の1%が失われるだけで済みますが、
0.05円(5PIP)の動きを狙う短期売買なら利益の20%が失われてしまいます。

損失になってロスカットする場合もスプレッド分の支払いは発生するので、
短期売買であるほど、取引頻度が高いほどスプレッドが重要であることがわかると思います。

 

▶︎余談

これは予断となりますが、この時は日韓ワールドカップの時期でしたが
FX自体が日本で始まったばかりなので、スプレッドが非常に広かったのを覚えています。

売買手数料まで取られていたので、それも考慮すると10pip程度動かないと利益にならない状態でした。

短期売買は不可能な水準です。

それでも、FXの登場前は比較対象が銀行の外貨預金だったので、
それに比べればスプレッドは狭いしレバレッジもかけられるし、
「すごいサービスが出てきたなあ」と感心したのを覚えています。今となってはかわいいものです。

 

顧客注文を次々と受けるディーラー(FX会社)側の損益

顧客の損益はレート変化とスプレッドで決まる単純なものですが、
では顧客とは逆にディーラー側の損益がどうなるかを見てみます。

ディーラーは多数の顧客を抱えていますし、ドル/円の顧客取引が1日2万件に達しているものがありました。

これは、平均して4秒に1回注文が入ることになります。

注文の多い時間帯では1~2秒に1回になるので、ディーラー業務を手動で行うのは非常に忙しくなります。

レートの動きだけでなく、顧客の注文動向も頭に入れて意思決定しなければいけません!

例えば、以下のような具合に次々に状況が変化します。

ディーラーの立場で発生する注文の例

10:00:00 顧客Aから10万ドルの買
10:00:00 顧客Bから10万ドルの売
10:00:04 顧客Cから20万ドルの買
10:00:08 顧客Dから10万ドルの買
10:00:10 顧客Eから30万ドルの売

全くレートが動かない状態でシミュレートすると――

話をシンプルにするために、

  • 全くレートが動かない(ASK=108.00, BID=107.99)
  • インターバンク市場のことはまだ考慮しない

と仮定します。

するとディーラーの損益状況は以下のようになります。

時刻 注文 約定レート 未カバー数量 ディーラーの確定利益
10:00:00 顧客Aから10万ドルの買 108.00 +10万
10:00:00 顧客Bから10万ドルの売 107.99 0 1000円
10:00:04 顧客Cから20万ドルの買 108.00 +20万
10:00:08 顧客Dから10万ドルの買 108.00 +30万
10:00:10 顧客Eから30万ドルの売 107.99 0 3000円

 

「未カバー数量」とは、顧客からの注文を受けて約定させたあと、
まだインターバンク市場に流していない数量ということです。

ディーラーがマーケットに対して取っているポジションの量ともいえます。

この例では、同一の時刻「10:00:00」に別々の顧客から反対向きの注文を2つ受けたので、
スプレッドの分だけが丸ごとディーラーの利益になります。ここは重要なポイントです。

顧客AとBはもちろんお互いのことを全く知らず、
提示されているASKとBIDレートに注文を出しただけですが、
ディーラー側はその2つの注文を相殺して差額のスプレッドを利益とすることができるのです。

もちろん、現実には「レートが全く動かない」ということはないですし、
顧客AとBのように反対向きの注文で潰しあってくれず
同一方向の注文が次々とやってきてポジションが積みあがることも多いので非現実的な仮定ではありますが、
スプレッドがディーラーの利益の源泉であることは感覚としてつかめたのではないでしょうか。

 

これだけだとディーラーは寝ているだけで儲かり続けるような印象がありますが、
それは「レートが動かない」というやや無理のある仮定をおいていたからです。

もちろん現実にはそうではなく、レートが動くときには機敏な判断が求められます。