ディーラーの裏話

実質為替レートとは?

実質為替レート

実質為替レートとは何か?

実質為替レートとは、二国間の通貨の交換レートである為替レートを
両国の物価指数の比で割った値をいいます。

購買力の変化によって生じる為替レートの変動部分を調整したものです。

対ドルの実質円レートは、

N時点の円レート×
(基準時を
100としたN時点の米国の物価指数÷基準時を100としたN時点の日本の物価指数)

で求められます。

 

円の実質実効レートとドル円相場

円の実質実効レートとドル円相場

参考:http://style.nikkei.com/article/DGXMZO99436770Y6A400C1PPD001?channel=DF280120166591

上記のチャートは、1973年以降を対象に算出した
円の実質実効レートとUSDJPYの相場動向を表したものですが、
上下に変動しながらも、一方向に放置されることはなく、
数年単位で平均的な水準に戻る傾向を理解できます。

 

上記での実質実効レートとは、
実効為替レートにおける実質為替レートのことで
為替レートを見ることによってその国の通貨の
インフレ率の影響を除いた総合的な強さを確認することができます。

実質実効レートとは、
単一通貨のインフレ率以外の要因による強さを表す指標です。

 

投資時期と三年後の損益

円相場はドルに対する値動きばかりに注目しがちだが、
実際には様々な通貨に対して日々変動しています。

円が対ドルで上昇していても、
同時に対ユーロで下落していれば、必ずしも円高だとはいえません。

 

円の総合的な価値変化を探るために日銀はいくつかの指数を公表しています。

1つが、ドルやユーロ、英ポンド、人民元などの主要通貨に対する値動きを、
各国・地域との貿易量などを基に加重平均して求める名目実効レートです。

 

実質為替レートの例

例えば、1ドル=120円が、1ドル=100円に変化する場合、
円から見るとドルが値下がりしており、「ドル安」あるいは「円高」になったと表現する。

ただしこの時点で、日本において物価上昇がないと、
円高後の100円が事前の100円と同じ価値を持っていることになる。

しかし、米国の物価が上昇したとすると(1ドル=100円)、
新たに100円で購入できるようになった1ドルは、かつての購買力(価値)を持っていないことになる。

物価上昇率が10%ならば、事前に1ドルであった財は、1.1ドルに値上がりしており、
事後では1÷1.1ドル単位しか購入できない。

つまり100円で購入できるドルは、実質的には1÷1.1ドルの価値なので、
120円から100円までの値下がりとはなっていない。こ

のように、物価の変化まで考慮に入れた為替レートを実質為替レートと呼ぶ。

 

実質実効為替レートと名目為替レート

 

参考:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/opinion/fx/h_beginner/0067.html

上記は「実効為替レート」(青色のグラフ)と
「名目為替レート(普通の為替レート)」(赤色のグラフ)のチャートとなります。

1980年から表示されています。

これらチャートは日銀のホームページから見ることが出来ます。

 

実質実効為替レート

「実質実効為替レート」(青色のグラフ)は、2010年を基準年(100)とした指数のグラフです。

縦軸は右側を使用しますので、下に行くほど数字が小さくなります(円安方向)。

上に行くほど数字が大きくなります(円高方向)。

名目為替レート

「名目為替レート(普通の為替レート)」(赤色のグラフ)は、
東京市場のドル・円 スポット 17時時点/月中平均のグラフとなります。

縦軸は左側を使用します。

目盛の数字は右側と同じ向きですが、円安、円高が逆になっているため注意して下さい。

下に行くほど数字が小さくなりますが円高方向です。

上に行くほど数字が大きくなりますが円安方向です。

 

為替レートの種類

名目為替レート

名目為替レートとは、
我々が普段目にし、取引する際の実際の為替レートの数値のこと。

通貨ごとの物価上昇率・インフレ率の影響を受けます。

 

実質実効為替レート

実質実効為替レートとは、
日本を含む59か国・地域の物価変動や貿易量を考慮して計算された
相対的な円の実力を測るための総合的な指標のことで、
実質とは、物価変動の影響を除くことを示しています。

実効とは、貿易額に占める相手先の比率を勘案することを意味していますが、
実質実効為替レートを見ることで、
その国の通貨のインフレ率の影響を除いた総合的な強さを確認することができます。

すなわち、単一通貨のインフレ率以外の要因による強さの指標です。

実質為替レート

実質為替レートとは、名目為替レートから
両国の物価上昇率の変化を取り除いて出された為替レートの数値の事で、
為替レートを2国間の物価指数の比で割ることで物価の影響を取り除き、実質的な為替レートを算出します。

名目為替レートからインフレ率の影響を除くことで、
それ以外の要因による買われすぎ・売られすぎを確認することができます。

 

実効為替レート

実効為替レートとは、
2国間のレートでは分からない
ある国の対外競争力を測るための総合的な指標で
単一通貨の総合的な強さを確認するための指数です。

具体的には、対象となる全ての通貨と日本円との間の2通貨間為替レートを、
貿易額等で計った相対的な重要度でウエイト付けして集計・算出します。

 

名目実効為替レート

実効為替レートにおける名目為替レートのこと。

アメリカドル、ユーロ、中国人民元など各国を対象に、相手国・地域の貿易額で加重平均して算出します。

国際通貨基金(IMF)のGDPデータ

 

IMFとかBIS、世界銀行といった機関の取りまとめる統計資料は
マクロ情報の整理に大いに役立ちますが、
今では様々なウエブサイトやブログなどでも頻繁に紹介されています。

今回はIMFがWorld Economic Outlook Database(Oct 2016リリース)で取り扱っている
数多くの統計の一つである世界のGDPデータについてご紹介してみます。

 

↓↓↓サイトはこちら!

http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2016/02/weodata/index.aspx

2016年の国別GDP

IMFGDPデータ

まずは2016年の国別GDP(2015年時点での予想値ですが)は以下の通りです。

当然と言えば当然の順位かもしれませんが、
米、中、日、独、英という順番にきています。

世界1,2位が18.56兆ドルと11.39兆ドルということで
3位の日本以下を圧倒的に引き離しているのが目につきますが、
上位5か国で全世界の54.7%も占めているのです。

国土が狭く人口的にも少ない、
高齢化の進む日本はその勤勉性をもって懸命にしがみついているということなのでしょうか?

ただ労働生産性まで加味したら決して見通しは明るいとは言えません。

これが2020の予想となると下記のようになります。

 

2020年予想

2020年予想

上位4か国の構成には変化がないもののインドが5位にまで躍進してくると予想されています。

因みに2016年から2020年までの年率平均成長率を
このIMFの予想数値から計算してみると
米国:4.25%、中国:9.63%、日本:3.87%、
ドイツ:3.48%、インド:10.01%(!)となっており、
ちょっと見通しが甘いかなって感じも受けますがいかがなものでしょうか?

 

そしてこれら上位5か国の全体に占める割合は55.16%…
世界の付加価値の半分以上は上位5か国で創造されているという想定なのです。

次に国民1人あたりGDPを見てみるとちょっと泣きたくなってきます。

 

2016年国民一人あたりのGDP

2016年GDP

なんと北欧諸国が一気に上位独占という結果!

米国はせいぜい8位どまりです。

アジアではシンガポールが53,000ドル、
日本円に換算して610万円で10位、
香港は43,000ドル、490万円で17位ってところです。

あの大国ドイツでさえやっと42,000ドルで
18位で結果的に分析すると高福祉、タックスヘイブン、
小人口だが開放経済構造の国が上位に来ているイメージです。

その中で日本は上位20か国にも入らない25位というありさまで
一人当たりのGDPが約430万円・・・
ってここ数十年前と全然変わっていないというか、
むしろ低下しているのでは言う感じもしてきます。

 

2020年国民一人あたりのGDP

2020年GDP

2020年のプロジェクションでも上位の顔ぶれはほとんど変わってないですね。

日本は507万円で23位。

豪:696万円(10位)、シンガポール:687万(11位)、香港:579万(15位)

香港、シンガポールの両方への
数回の出張経験のある小生としてはあまりピンとこない中でも、
やはりチャイニーズコネクションの強さ、立地条件、
国土と人口の小ささがSPとHKに有利にはたらいているということでしょうが、
日本人とは精神性、国民気質が全然違います。

それがいいか悪いかは別問題ですが。

 

付加価値を多く稼いでいるからといって
個人が幸せであるかどうかはわかりませんが、
足腰の強い経済無くして成長発展は望めないです。

江戸時代に逆戻りできるならそれもいいのでしょうが、
細やかな情緒だけで生きていけるわけでもないですから。

FXにおける裁定取引「アービトラージ」とは?

アービトラージ

アービトラージとは何か?

アービトラージ(Arbitrageとは、
日本語では「裁定取引」と呼ばれるものですが、
もともとフランス語が英語化したもので鞘を抜くという意味だったそうです。

最初に使われたのは、ある株式市場において買った株式を
別の市場で売却して価格差を得て利益とするような裁定取引だったと言います。

これは同じ相場の商品の価格が
市場の歪みから別の場所で二つの価格で売買されることが生じ、
安いところで買い、高いところで売れば
その差をリスクなく利益として享受できるというもので、
金融の世界ではよく起こる取引といえました。

ただし、アービトラージが起きる大体の金融商品は
その利益が非常に少ないため、
大量の売買を伴わなければまとまった利益を得ることができないことがひとつのネックとなります。

 

これが転じて、同じ商品において最も良くて安いモノを調達し、
高い市場で売ることもアービトラージの一例です。

伝統的なバリューチェーンをバイパスして、
産直のような形で売ってしまうところにも利益の源泉があると言われています。

確か、私がUS MONEY MARKET視察でニューヨークにいたころ、
銀行の数あるセクションの中に
アービトラージ・セクションがあって機能していたように思えますが、
何しろ見る商品が初めてのものばかりだったので詳細は覚えておりません。

最もその頃は主要国の市場金利は高く、
色々な意味で歪みがあったため、
そこをターゲットにして大量の資金を投入して鞘を抜くことが可能だったのでしょう。

 

裁定取引は、機関投資家などが大きな資金で
サヤ抜きを狙う手法として使われるのが一般的なので、
その取引が市場全体に与える影響も比較的大きく、
マーケットを見るうえでは、その動向もチェックしたいところです。

日本経済新聞のマーケット総合面では、
株式市場の裁定取引の残高などが記載されています。

なお、裁定取引は、その取引を積極的に行う市場参加者が増えるほど、
市場の歪みが短時間で解消される方向に働くため、適正な価格形成に役立っているともいわれます。

 

FXにおける裁定取引

相対取引であるFXでは、各社の為替レートが同じとは限りません。

まれに1社だけが乖離したレートを提示することもありますが、
大分前の話ですが、そうしたレート差を利用して、
1週間で億単位の荒稼ぎをしたという個人投資家が存在しました。

そのやり方は、
その当時は2社のレートに開きがあった場合が現実的に存在し、
A社だけ一瞬レートがおかしくなって、
でもすぐにB社と同じレートに戻るとわかっていれば、
両建てで確実に収益を得ることができたのです。

現実的にも問題視された悪徳FX業者が、
一瞬だけレートがおかしくなって(現実のレートと剥離したレート)にして、
またすぐに戻すというような価格操作をやっていたことがあります。

これは、この動きを明らかに狙った
大口顧客をターゲットとしたストップ狩りだったのです。

その個人投資家に苦汁をなめさせた
ストップ狩りを発見して逆用したのが、
FXにおける裁定取引です。

 

FXにおける裁定取引は、
もしも不自然に思えるレートが実勢レートだったときのための
リスクヘッジとして両建てをするのですが、
その業者の傾向がわかってくれば、
両建てはせずに不自然なレートの方だけ取引する片バリ(ONE WAY)をすることもあります。

ただ、今の規制だらけのFX業界において
こうした不自然なレートを提示する会社はもうあまり残っていないのではないかと思います。

仕入先の異なる為替の値段が反映されるまでに時間がかかることが多かったので、
1番安いFX会社Bで買って、
買った瞬間に一番高いFX会社Fで売って利益を稼ぐという手法がとれることは事実ですが、
現在のFXアービトラージは価格の差が
ほぼゼロになってしまって不可能に近くなっているはずです。

 

株式市場における面白い現象を利用する

値動きがほとんど同じ株を2つ選ぶ。
(例えば、同じ業界の
三菱UFJと三井住友フィナンシャルグループは、
余程の事がなければほぼ連動する)

2つの株の値段に差が大きくなる時を待って安い方の株を買って、
高い方の株を売る(株を持っていなくても売れる方法を空売り)のだが、
2つの株の値段の差が少なくなったら決済して利益を確定をするという手法です。

 

金融業界における代表的なリスク。

  • 価格変動リスク
    →株などの値動きによって起きるリスク。
    例:買った後に値段が下がって損をした
  • 金利リスク
    →金利が上がったり下がったりすることによるリスク。
    例:住宅ローンを変動金利にしたら金利が上がっていってしまって支払総額が増えた
  • 信用リスク(デフォルトリスク)
    →お金自体がかえってこないリスク。
    例:銀行が潰れてしまって預金が返ってこなかった。お金を貸した友人が逃げてしまった。
  • 為替リスク
    →日本円から他の通貨に変えた後の為替変動によるリスク。
    例:ドル預金をしていたら、円高になってしまい円に戻したら損をしてしまった。
  • 流動性リスク
    →お金が必要な時にお金にできないリスク。
    例:養老保険を投資代わりにしたが8年経過しないと元本に戻らないと言われた。
    事業投資をしたが、10年後までは現金にできない契約だった。
  • インフレリスク
    →物の価値が上がっていき、現金の価値が下がっていくリスク。
    例:缶ジュースが110円から120円に値上がりした。欲しかった家が5%も値上がりした。
  • カントリーリスク
    →国自体の政治情勢や法規制などによって損失を受けるリスク。
    例:香港に口座を作ったら国の規制で口座が凍結されてしまった。
    アルゼンチン国債を買ったらアルゼンチンが崩壊してしまった。

以上のようなリスクがありますが、
アービトラージは価格変動リスクのみノーリスクだと言えますが、
FXアービトラージもブックメーカーアービトラージも価格変動リスクはありませんが、
価格の誤配信やアービトラージソフトの誤作動があるかもしれませんし、
FX会社やブックメーカー会社が窮地においこまれる可能性は否定できません。

価格変動リスクがノーリスクだから、
すべてのリスクが無いと考えるのは全く持って間違いです。

仲値とは何か?

仲値

仲値(なかね)とは、英語でFix Rate or Fixing Rateといいますが、
銀行などの金融機関が両替する時の為替レートの事で
毎営業日の午前9時55分の実際の為替レートを基準に決められた
その日一日の為替レートのことを言います。

為替レートは一日中常に動いていますが、
企業にとっては、その日の取引レートが決まっていると便利になります。

銀行はできるだけ安くドルを仕入れておいて、
高い仲値の水準で1日の外貨両替をこなしたいという思惑があります。

そのために9時55分までに大量に米ドルを仕入れておくことで、
9時55分の為替レートを押し上げておくという動きを取るのです。

結果として、9時から9時55分の仲値が決まる時間帯までは
米ドル/円は上昇傾向になりやすく、そのような背景で仲値制度が出来たのです。

 

仲値の主なレートと公表停止

FXに投資をしている方々は、東京時間の午前10時少し前に
仲値が決められているのをご存知だとは思いますが、ここで再認識してみましょう。

以前は、メガバンクに統合される前に
大手都市銀行の持ち回り坦当制で決めていましたが、
現在はインターバンク市場の取引レートを基準にして金融機関ごとに決定されています。

主なレート基準は、最大手の金融機関である
三菱東京UFJ銀行のものとなっているようです。

仲値は、決定後に余程大きな為替変動がない限り、
その日一日の間適用されることになります。

ただし、東京時間の15時までに仲値から1円以上の変動があった場合には、
仲値は公表停止となり、改めて仲値の決定が行われます。

 

TTB・TTM

銀行から外貨を購入する時のレートをTTBと言って、
銀行に外貨を売る時のレートの中間値をTTMと言います。

TTSとは、対顧客電信売と呼ばれるもので、
銀行から外貨を購入する時に用いられるレートです。

外貨預金を預けるレートになります。

米ドルの場合は仲 値+1円にしている銀行が多いです。

通常、他の通貨は+1円よりも高くなります。

TTBとは、対顧客電信買と呼ばれるもので、
銀行に外貨を売る時に用いられるレートです。

外貨預金を引き出す時のレートになります。

米ドルの場合は仲値-1円にしている銀行が多いです。

通常、他の通貨は-1円よりも低くなります。

 

最近のFX会社の多くは、両替業務などを上記のTTSやTTBよりも安く
市場実勢と差異のない値で少額から両替してくれるところもあります。

これは銀行よりも有利となるので知っておくと良いでしょう。

 

仲値のドル買い

日本の輸入企業は、取引先への支払いをドル建てで決済する場合が多く
(最近は、ユーロ建ても増えてきている)、
多くは決済日(5や10のつく日、市場で言うゴトー日)に円をドルに両替します。

というわけでゴトー日になると、
多くのドル需要が生まれるために
金融機関の保有するドルが不足することが結構あります。

これを「仲値不足」と呼び、
金融機関は仲値不足の解消のために、
市場を通じてドルを購入する為、
ドル円は上昇するケースがあることを認識しておきましょう。

 

ちなみに、当日にドルの需要がどれだけあるのかは不明で、
そのリスクを持たないように
金融機関は事前にドルを買うということをしないところもあります。

ドル円は歴史的に円高方向に推移していたために、
リスクヘッジとして輸出企業が事前に金融機関に為替予約をします。

その為、金融機関は輸出企業へ受け渡すドルが保有残高ベースでは不足するため、
必然的に不足分を市場でドルを調達しなければならなくなります。

 

以上のようなバックボーンがあるので、
基本的に仲値前にはドルが不足することが多い為、
ゴトー日には、仲値公表時間までの短時間で
ドル円が買われる時がありますので要注意となります。

 

特例で仲値が意識されるケース

ゴトー日以外にも仲値が意識されるケースがあります。

それは、為替レートが急激に円高に振れた場合です。

特にドル円が企業の年間予想レートを下回った後や
再びそれに近づいてきた時などでオプションの防戦買いとかも溜まっているときも同様です。

というのは、企業の予想レートでドルを調達できると
企業として為替レートで損をしませんが、
下回ったままでトレンド推移すると、いつかは米ドルに両替をしなければなりません。

企業の為替担当者は、グッドタイミングでのドルを調達が出来るか否かが重要になってくるからです。

そのような日は、為替予約がいつもより多く入るため
仲値に向けてドル円は大きく上昇する傾向にあります。

 

しかしながら、仲値が決定した直後、
短期売買のドル円買いポジションが決済されるために、
その後ドル円は大きく下落するケースも多々ありますが、
データ的には確かな数字ではありません。

また、トレンドに乗ってドル高が進んだ場合や、
連休やゴールデンウイークや新年直前などにも仲値に向けてドル円が買われるケースもあります。

 

※M&Aがらみの買いは仲値後に多く出てくると聞いた覚えもありますし、
また、クリスマスや正月、大型連休前には海外旅行者が外貨に両替を行うことになりますが、
1組10万円を両替するとしてもトータルでは、100億円ぐらいになるときもあり得ますので
その直前は外貨需要が増えることになります。

これらも季節要因の一つと覚えておくと良いでしょう。

 

仲値の実際

輸出入業者は大量のドルを売買しているわけですが、
実際には銀行と相対取引をしていることになります。

仲値で800万ドル買いたいとあらかじめ銀行に通知して
銀行が決めたレートで素直に売買するのが仲値決済で、
多くの輸入業者が銀行から仲値でドル円を買うことがあらかじめ決まるという理屈です。

輸出業者の多くは、あらかじめリスクヘッジとして仲値決済を行わないらしく、
輸入業者のドル買いだけが残ってしまうこととなりますが、
銀行はドル円の売りポジションを仲値で持つことになるため
ドル円相場が高ければ高いほど儲けやすいということになります。

よって、銀行へのドル円買いの注文が多ければ多いほど、
仲値に向かって買い上げることになります。

 

仲値が決まると、理論上、いったんは銀行のドル円買いが止まるはずですが、
パターンとして多いのは投機筋の決済売りが始まるケースです。

銀行は客から相対で受けたドル売りポジションも持っているわけですから、
どこの時点でカバーするかは別にして
アンカバーであれば下落すればするほど差益が取れることになります。

ドル円のレベル次第では、
仲値後にも輸入屋さんから買いオーダーが継続するケースもありますので
下がらないこともあります。

逆に上昇トレンドの継続相場ですと
仲値後にも輸出屋さんからのオーダーで売り継続になるケースもあります。

 

仲値の注意

仲値という時間の区切り【決済の区切り】はありますが、
上昇トレンドで株価も上昇で上がりっぱなしとか
下落トレンド・株価下落で下がりっぱなしというケースもあるので、
ドル円相場のレベルやムード、予約状況等を良く把握するべきです。

 

特に近々の高値や安値が近いときているときは、
海外のアニマル軍団がストップ狙いで大きな玉を投入してくることもあり、
仲値時間前後の信頼できるデーターはないはずです。

超短期トレーダーにはチャンスは多いのでしょうが、
東京タイムの午前中では相場動向の目安・材料のような感じでとらえておけば良いでしょう。

毎日の仲値時間帯には、実需のカバー・予約の為に
たくさんの企業が、毎日売買を集約している事を理解しておきましょう。

国外投資家による証券投資動向資料

世界各国の海外投資動向

2016年11月の米国大統領選挙でのトランプ勝利以降、
投資マネーの流れが激変していると言われていますが、
実際にはどの程度先進国の株式市場に流れ、
新興国市場(株式、債券とも)から流出しているのでしょうか?

具体的な数字で見てみないと納得できないじゃないかという訳で、
入手できる限りのデータをBBGから集めてみましたのでご参照ください。

 

先ずは2015年からの各国株式市場への国外投資家フローから(単位は全て100万ドルです)。

アメリカの証券投資同行

意外というべきか、米国への投資フローは、
2015年2月から2016年6月までずっとネット流出だった事がわかります。

日本の海外投資動向

欧州の海外投資動向

ブラジルの海外投資動向

南アフリカの海外投資動向

トルコの海外投資動向

インドの海外投資動向

韓国の海外投資動向

インドネシアの海外投資動向

フィリピンの海外投資動向

台湾の海外投資動向

タイ王国の海外投資動向

グラフから読み取れること

韓国や台湾といった株式市場は2016年は
投資マネーがかなり流入していたのですが、
さすがにここにきて息切れという形になっています。

ドゥテルテの虐殺政権になってから国際的な信用を失ったフィリピンは
2016年8月以降売り一辺倒、通貨安に見舞われて
インドネシアやマレーシアも厳しく売り込まれています。

タイは前国王崩御の影響で経済活動が停滞するとの懸念があるだけに無理からぬところです。

 

総括してみると世界中の投資家の資金が非常に敏感に移行しているのが理解できますが、
米国が昨年利上げを実施して2017年も年3回に分けての利上げの可能性を明言したことで
BRICSはじめ新興各国から資金が流失し始めております。

特に中国からの流失に歯止めがかかるか否かが焦点となってくるでしょう。

しかしながら、中国の投資家の多くが
ビットコインなどに資金を置き換えてきたりしているので、
世界の株式市場の動向と同様に中国の投資家動向も気になってきます。

アメリカと中国の経済相関性と日本の関わり

米中相関

経済番組である大手証券のアナリストが
下記のチャートを為替コメントに使っていました。

こちらがとても興味深いものだったので紹介します。

米中相関チャート

これは、中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)の
新規受注データの3カ月移動平均値を3ヵ月先行させたものと
米10年物国債利回りに一致性がみられるというものです。

 

チャートから読み取れること

調べてみるとなんとなく方向性は確かにシンクロしているように見えます。

2013年の後半はバーナンキのテーパリングショックで
米国債利回り上昇ペースが早い
ことも確認できるし、
逆に2015年は中国の景況感の悪化にも関わらず
米国利上げ期待から米国債利回りは上昇したという点
も考えれば、

必ずしも両者の動きに一致性があるという訳ではないですが、
大まかな方向性・相関性としてはいい線行っているように見えています。

世界のGDPの1位と2位を占める大国同士の経済は
それなりに結び付き・影響度合いが強いという面は否定できないでしょう。

 

そして直近では
中国のPMI新規受注指数が底打ちから
拡大ペースを徐々に強めだしている
ところに、

米国大統領戦のトランプマジックによる米国債利回り急騰・・・
案外2017年の世界はそれほど暗くないのかも知れません。

 

米中相関チャート

この2つのデータを散布図にしてみると上のような状況が見えてきました。

これはリーマンショック発生後の2010年から
直近
201611までの期間をみています。

米国債利回りの変動を説明する変数は数限りなくある訳で、
それを中国PMI新規受注の変動だけで説明するのはもちろん無謀です。

しかし敢えて両者の相関性の高さという点に絞って見てみると
決定係数(散布図中のR2)は0.5934…59%の説明力があるということで、
まあまあ相関性が高いという結果になりました。

 

米中相関による日本への影響は?

さて、この両大国経済の好転のおこぼれを日本はどの程度享受できるでしょうか?

ある外資系証券のアナリストによれば
2017年の日経平均の高値目標は22,000とのことです。

果たしてどうなるでしょうか?

中国の1年債と10年債の利回りの推移

中国の1年債と10年債の利回りの推移

中国の1年債と10年債の利回りの推移

BBGの記事によると、
中央銀行が政府保有企業を主とする国内のデレバレッジを強制的に進めようと、短期のリクイディティを絞り込んだため、
1年債の利回りが急騰し、結果として10年債利回りマイナス1年債利回りとして表されるイールドギャップが縮小し、
イールドカーブはフラットニングしているということです。

 

イールドギャップ

これにより米国でもベアフラットニングとなっているようですが、
その事情は違うようです。

記事によれば10年債利回りが上昇し価格が下落する余地がまだまだあるとのこと。

新たに投資に向かうのならいいですが、
既存の長期債保有者にとっては非常に気がかりになってきます。

 

BOJは昨日長期債利回りの無軌道な上昇は容認しない姿勢を示していましたが、
中国の場合景気が上向き基調にあるだけに、
実質金利も上昇する可能性は大きくあります。

相当の資金が新興国通貨などからドルへ移行してきている現在、
2017年の動向には気が抜けなさそうです・・・。

 

 

(参照―チャート・記事ともにブルムバーグ、201612,22)

 

 

LDN市場とNY市場、トレーダーの裏話

LDN市場とNY市場

FX市場のゴールデンタイム

FXにおいてニューヨークタイムは、
ロンドンタイムとも重なることもあり出来高もよく、
俗に言うヘッジファンドに代表されるビッグプレーヤーもこの時間帯に参入してくるため、
「FX市場のゴールデンタイム」と言えましょう。

FX市場の一日の始まりは東京の早朝時間(4:00AM)、
ニュージーランドのウェリントン市場から始まり、
NY市場で一日を終わります(約1時間NYとNZは重なる)。

大別すれば、オセアニア・アジア・ヨーロッパ・ニューヨークの順で為替市場は流れています。

 

前週からの剥離プライスで始まる「窓が開く」現象

但し、週明けの口明けのウェリントンは、
その前の週のニューヨーク終値から、何かの理由、
もしくは大手プレイヤーの仕掛け等で剥離したプライスで始まることが多々あります。

その時間は市場参加者も少ないので、原因不明で大きな動きをすることがあるのです。

前週終値から、大きく剥離して始まることを
FX業界では「窓が開く」と表現して
こうなってしまうと、チャート上も線がつながらなくなります。

ロンドン市場と中国経済

尚、金融市場の歴史としてはロンドン市場のほうが先輩です。

近代では世界の基軸通貨としてのアメリカドルや
ダウ平均、米債券利回りに直接影響を与える米経済指標には
世界中のトレ―ダ―が注目しているわけです。

そして、データの信頼性には疑問を持たれているものの、
中国の経済指標にも市場関係者は注目をしています。

それだけ中国経済の動向が世界経済・金融に与える影響が
以前よりも強くなってきたということです。

 

世界の投資家が注目するアメリカの経済指標

世界の投資家は、細部にわたってアメリカの経済指標に注意を払い、
FX市場を舞台に例えれば、基軸通貨である米ドルを主人公、
助演役をユーロが演じていることになります。

ロンドン市場とニューヨーク市場は営業時間が約4時間重なっていて、
ロンドンでの欧州の経済指標やドイツの経済指標、
ニューヨークでの米経済指標に注目して重きをおいています。

FX取引は、世界中のビッグプレーヤーが出てくるこの時間帯に集中します。

特にロンドンやニューヨークのトレーダー(銀行・証券・機関投資家・メーカー・商社等)は
フレックス勤務を設けることで、各時間帯に有事に備えて瞬時に対応できる体制を取っています。

日本のメガバンクや外資系銀行、大手証券などでも
ロンドン当番やNY当番といったようにシフトを組んでいます。

情報網が発達した現代では自宅でも出先でも取引はできますが、
取引の為の情報や設備が不十分だからです。

 

*東京・ロンドン・ニューヨークの取引時間帯(冬時間)

東京・ロンドン・ニューヨークの取引時間帯(冬時間)

東京・ロンドン・ニューヨークの取引時間帯(冬時間)

参考:http://www.ifinance.ne.jp/learn/currency/crm_8.html

上記は欧米諸国に合わせられた11月―3月のウインタータイムです。

 

*東京・ロンドン・ニューヨークの取引時間帯(夏時間)

東京・ロンドン・ニューヨークの取引時間帯(夏時間)

東京・ロンドン・ニューヨークの取引時間帯(夏時間)

参考:http://www.ifinance.ne.jp/learn/currency/crm_8.html

 

2016年は、11月7日に冬時間に移行しましたが、
冬時間は主要な米経済指標の発表は東京時間22:30がメインになります。

 

FX取引の三大市場

ロンドン・ニューヨーク・東京を合わせて三大市場とは言われますが、
BISによる最新のデータによると市場別の出来高では、東京は厳密に3位ではありません。

  • ロンドン   (37.1%)
  • ニューヨーク (19.4%)
  • シンガポール (7.9%)
  • 香港     (6.7%)
  • 日本     (6.1%)
  • フランス   (2.8%)
  • スイス    (2.4%)
  • オーストラリア(2.1%)以下、ドイツ、カナダ、オランダ、中国etc.

 

市場の規模はロンドン市場のターンオーバー(出来高)が圧倒的に大きく、
実際のトレーディングル―ムの雰囲気も違います。

個人的にはNYのほうが好きですが、とくにロンドン市場は金融市場としての歴史が古く、
この業界ではアーリー・ヨーロピアンと呼ばれる
アジア時間に合わせてロンドンの早朝に出勤し、東京時間のクローズ前から仕掛けてくるプレーヤーが、
東京時間の動きを参照に色々なパターンで仕掛けてきます。

また、ロンドンフィックス
(ロンドンの仲値の決定時間-冬時間は東京時間で25:00)
あたりに決済する手法も多々あります。

他にも、日本の5日・10日や月末要因などと同様に
ロンドンも月末や季節事情などで実需の大きなカバーなどが出てくるケースも多いのです。

さらにこの時間帯に集中的に大きな動きをすることが多く、出来高も巨額になります。

通貨ペアではEURGBP,EURUSDなどがロンドンフィックス時に大きく動きます。

フランクフルトやチューリッヒなどからの大きなオーダーもこの時間帯に集中します。

 

ロンドンとNYのトレーダー事情

ロンドンの為替業務従事者の一風変わった制度とトレーダー事情

今は実情が変わってきてはいますが、
ロンドンの為替業務従事者には昔の大英帝国の文化の影響があるのか?
若年のディーラー・ブローカーの最初の仕事は「ホワイトボーダー」と言う
顧客のオーダーや情報をディリングルームの中にある
大きなホワイトボードに先輩の指示通りに書きこむ仕事です。

他にも取引業務のお手伝いや、昼飯の注文とりやドリンクのお使い小僧を何年か経験してから、
いよいよマーケットデビューとなります。

その何年かで勉強や手法を習得して一人前として認められるのです。

他にも仕事帰りにはお決まりのようにパブでギネス等を軽くひっかけて帰宅を急ぐのです。

パブでの同業者との会話も勉強の機会ですが、
週末には頭に包帯がぐるぐると巻かれていたり杖をついて出勤してくる人も結構いるのです。

というのは、彼らジュニアトレーダーの多くは、
週末にはクラブチームでサッカーかラグビーをやっていて
日本人みたいに夜の街には遅くまで残りません。

金融界であるシティには100件近くの会員制プライベートカジノがあり、
日本人のトレーダーの多くは他にあまり遊び所がないので結構ハマっています。

ロンドンは土地柄曇りの日が多くて、あまり気分が晴れないのは私だけでしょうか。

 

NYのトレーダー事情

日本市場がまだ金融市場としては未成熟だったころに痛感したのですが、
NYにはスポットやフォーワードなどのFXセクション、金利専門のセクション、
オプションのセクション、現先のセクション、米国債のセクション、
アービトラージュセクション、商品のセクションなどといった
数多い金融商品別のセクションがありました。

当時は電子取引が主流でなかったために
受話器を片手にしたスタッフの怒涛のような叫び声が部屋中に飛び交い、取引をしておりました。

今では、ほとんど電子取引なので静かになったとは思いますが、
相場が荒れたらどうなるのかは分かりません。

東京市場とは雲泥の差で、取引形態を覚えるだけでも大変な時間がかかります。

最近では名門大学を卒業した金融工学のMBA取得者などの
数学系エリートも業界に入ってきているようですが、
人種豊富で昔堅気のトレーダーもたくさんいるはずなので稼いだら早々にリタイアし、
40代で離職して牧場をやったり、違う仕事に移ったりする人もいます。

ロンドン同様に坦当先をもつ顧客相手の取引や
自己ポジションだけで勝負するトレーダーなどは、その実績を基本に年棒で給与をもらいます。

大リーグ同様に人の出入りも激しく、実力本位の評価基準でした。

隣に座っていた感じのいいトレーダーが次の日には見当たらずに、
ちょいと先のライバル会社で働き始めていたなんてことも日常茶飯事でした。

NYの夜は、飯屋は旨いし、日本料理屋もやたら多く、
ライブハウスも多く、遊びに行くところは多種多様です。

しかしながら、ロンドンフィックス後に市場が大人しくなってしまうことも多いので、
トレーダーは比較的に早く帰宅します。

個人的にプライベートな時間は、
アジア市場でいえばシンガポールの夜より香港の夜のほうが面白いように、
ロンドンよりニューヨークの方が何をするにも圧倒的に面白いということです。

後は仕事柄、座りっぱなしでモニタからも目が離せず、
ストレスもたまり、運動不足になるのでジムによって帰宅する人も多かったと思います。

 

双方の市場ともトレーダーたちは、
仕事の内容はともかく、儲けてなんぼの世界ですから
自己管理をして仕事に対しては熱心に取り組んでいました。

バジェット(目標額)を上回れば、
インセンティブ・ボーナスももらえるケースもある為、
彼らは結構必死で仕事をしています。

もちろん、一定の給与を毎年もらえる契約ではなく
成果による見直しも毎年契約時に行われ、
思うような収益が稼げていない時などには突然に首を言い渡されてしまうケースもあるなど、
FXトレーダーの世界は実力重視の世界なのであります。

戦後からのドル円の推移

米ドル

日本でのFX取引が1998年に認可・スタートし、
2016年現在で早いもので18年もの歳月が過ぎました。

私がこの世界で働き始めたのは1970年代後半で、
そ当時はインターバンク取引だけで取引規模も小さく保守的でドメスティックな市場でした。

しかしそこから約20年、
農水産省、大蔵省、金融庁とFXを取り巻く法的規制も整備されたこともあり、
FXは今や立派な金融商品・投資商品として認められてきました。

そこで、今回は日本の投資家の皆様にとって一番臨場感があって親しみやすい
「ドル円相場」の軌跡を追ってみることにしました。

 

戦後からのドル円相場の推移

戦後からのドル円相場の推移

参考:http://ecodb.net/exchange/usd_jpy.html

 

上記のヒストリカル・チャートでも分かるように、
ドル円相場は第二次世界大戦後から1971年まで
1=360円という固定相場制下で取引されていました。

その後に2年ほど308円(ニクソンショックによって360から308円へ移行)
新しい固定相場で推移したのですが、為替レートの固定する事が困難になって変動相場制へ移行しました。

上記のチャートは「どのような要因でUSDJPYが動いてきていたか」を認識するのに便利なので
FXトレーダーとしては、頭に入れておきましょう。

 

変動相場制に移行した後の流れ

変動相場制への移行後は、カ―ターショックプラザ合意、
欧州危機、アジア通貨危機、リーマンショックなど
の荒波を経験して
1995年ごろまでは円高方向に推移しておりました。

これは戦後から日本という国が
高度成長を伴った急速な経済成長を遂げてきた結果であったともいえます。

業界では、1990年代初期(バブル崩壊)においての
経済成長率悪化や少子化と高齢化の進行で足踏みしていたわけですが、
1995年度を起点にして円安方向へ変動してきていることがわかります。

経過としてはリーマンショック(ドル売り要因)以降(2008年)、円高相場へ突入したのです。

その後の欧州危機などの世界的な金融不安の中、
安全通貨である日本円に世界の資金が集まっていた結果ともいえるでしょう。

 

2013年からのドル円推移

2013年からのドル円推移チャート

 

2012年にアベノミクス相場がスタートし、
2015年には121円越えを記録したドル円ですが、
2016年には100円割れまでリスクオフ・円高となります。

2016年11月に米国大統領選挙でトランプ氏が勝利した後は
109円前後まで$は買われています(ドル全面高)。

ドル円は1日の取引高は何と4兆ドルを軽く超えると言われていますが、
果たして2016年12月の利上げ予測が9割を超えてきたこの動向は
新たな円安へのターニングポイントになりえるのでしょうか?

為替動向は金融政策変更に俊敏に反応する傾向が強いために
米国が12月以降も段階的な金融引き締めをしてくるかにも市場の焦点が集まります。

個人的には会場の準備段階で論議を呼んでいる東京オリンピックに向けて
多少の円買い要因も起きる可能性はありますが、
ゆっくりとした円安方向へのトレンドが起きつつあると感じております。

今回は米国発動のトレンド変更になりえるのではと感じています。

安倍さんが4年連続でプッシュしているように、大手企業発でサラリーマンの給与水準があがり、
消費税問題を消化して2020年に向かって雇用も増え、実体経済の感覚が良い方向に浸透してくれば、
株価も上昇して消費も上がってくるのではないでしょうか。

そんな風に思えるぐらい、構図が変わってきているような感じがします。

 

*投資関連情報は投資の参考として情報提供のみを目的としたものであり、
FXの売買は自己責任に基づき、ご自身で判断をお願いします。

 

生命保険の運用とFX

生保の運用とFX

意外と知らない生保とFXの関係

生保の玉や商社やメーカの予約や実需のカバーが入ったことにより、
大きな玉が動く、実際に動いたという話はよく耳にするものです。

実は、生保や損保による対外投資はドル円の動向に大きな関係があるのです。

海外金融商品で運用するには円売り・ドル買い・外貨買いの必要性が生まれてきて
その金額は、生保だけでも大変な金額になるし、円高防止効果にも貢献しているのです。

各保険会社は運用実績を出す必要があり、
安価でネット販売を得意とする外資系に対抗しながらどのように実績を上げていくのか?
日本の生保業界がどうなっているのかを調べてみました。

 

生保業界が持つ問題点

BOJマイナス金利政策による厳しい現実

BOJのマイナス金利政策の継続で、生保業界にも激しいアゲインストの風が吹き荒れています。

生保の厳しい運用難において保険料の値上がりも現実化し、
バランスシートの悪化現象が現実的に起きています。

生保ももちろん相当量の国債を保持していますが、
その特徴である長期の資金調達・運用に四苦八苦している状況です。

 

逆ザヤ傾向が強まっている

低金利状況で制覇が契約者に約束・保証している運用利回りが低下し、
2016年に入ってからも逆ザヤ傾向が大手であってもニュースで流されています。

 

利回り低下の国債が増える、生保の運用ターゲット商品

現実的には生保の運用ターゲット商品は、利回り低下の国債が圧倒的に増えてきています。

次いで、外国証券、国内証券、社債、地方債、不動産の順となっています。

 

高利率の契約が責任準備金の40%を突破

以前に販売した高利率の契約は、
現在でも個人年金・個人保険の責任準備金の約40%を超えてきているといいます。

 

リスク経験のため、我慢経営の会社が増えている

マイナス金利政策による金利水準の一段の低下で経営体力が圧迫されている中、
現状、これからの生保が取るべき選択肢は限定されています。

株式や外貨建て資産等への積極的な投資によるリスクテイクがあるとは考えにくいとはいえ、
現状の金融政策を考慮すれば、リスク削減やコスト抑制といった
我慢の経営に徹する会社が多くなってくるのは無理もないのかもしれません。

 

これからの生保業界に求められるもの

長期保証商品の開発

日本の最大の問題点である高齢化が議論されている現代社会で、
生保は貯蓄性を伴う長期保障の商品開発の必要性・ニーズが問われています。

 

高齢化社会に対処すべきアイデアと実行力

世界的に普及している低金利環境では、
魅力ある貯蓄性商品(顧客が運用リスクを全面的に負うタイプの商品を除く)を
提供する事が非常に困難な状況下で、
特に高齢者社会に対処すべきアイデア・実行力を求められています。

 

円高リスク込み・ヘッジなしの利回り追求の動き

個人てきな意見ですが、
生保大手は多数の従業員の人数カットや人件費の削減、
保養所も含めた手持ち不動産資産の売却などでこの逆境をしのぐ戦略を
いの一番に挙げるのではと思っていました。

2016年11月に発表された大手生保10社の運用計画によると、
今まで敬遠されていたコスト度外視の為替ヘッジなしの
「オープン外債」への投資増加を試みるパーセンテージが拡大しているとの内容に驚きました。

実に10社中、5社が積み増し計画をするとのことです。

傾向としては、運用戦略でリスクを伴う運用への大胆な変更を実施するといいます。

 10社のうちに5社がオープン外債を増やすということは、
米国債メインであった海外金融商品の投資を、円高を恐れて為替ヘッジをかけた商品から、
ヘッジコストの価格上昇も原因の一つですが、
長期保険戦略の一環として僅かでも高い利回りの商品での運用額を増額しているのです。

実際に調査してみると、米国債での運用は想像外のコストがかかるのです。

米国債10年物利回りは約1.8%だとすると、
コストを抜いた仕上がりリターンは、なんと0.2%前後であるといいます。

7月には一時的ではあるが仕上がり、リターンはマイナスになってしまったとのことです(
その裏にはドル資金の調達コストの高騰があります)。

 

運用計画の内容

1.特に100円前後のレベルであれば、
為替ヘッジをかけずに外債をかっていく意欲満々ということらしい。

その総額は、外債購入の為に大手生保が外債の積極購入を始めれば、
総額は巨額(2016年度の対外証券投資は10兆円兆)になり、
円売り&ドル買いが基本となって円安へのつかえ棒にもなりえるのです。

2.その上に米国10年債の期限を20年まで運用期日を延長して
将来の金利上げに期待して運用する方法を取っている生保もいるという。

3.世界的な低金利情勢下に置いて、
米債だけではなくサウジの起債や他国の債券での運用に
クレジットリスクを取っての運用も継続していく姿勢を表明しているとの内容である。

しかしながら、為替動向によって大差があるが、
この長期かつ大胆な運用計画で実際の運用成績が急速に改善してくるかは、
少々ですが疑問を感じてしまいます。

FX投資家の皆様は、少しだけ生保の対外投資の実情をお分かりになってくれたらと思います。

FXカバーディーラーの基本的な稼ぎ方

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FXカバーディーラーの意志決定プロセス

トレーダー(個人投資家)側はスプレッドが狭いほど有利

あたりまえのことですが、FXでトレードをするにあたってはスプレッドは狭いほどいいですね。

FX会社を選ぶ基準ではおそらく最重要項目でしょう。

これがどういうことなのか、念のため確認しておきましょう。

 

FX会社の売買画面はだいたい次のようになっています。

スクリーンショット 2016-10-11 15.51.32

 

画面の右側の数値をASK(またはOFFER)といい、買い注文を出すと約定するレートです。

画面の左側の数値をBIDといい、売り注文を出すと約定するレートです。

これは、今あなたが注文を出したらこのレートで約定しますよ、という情報をFX会社が提示しています。

各社でツールはまちまちですが、この2つのレートが常時提示されていることと、
右がASKで左がBIDというのはおそらく世界共通だと思います。

 

このASKとBIDの差(表では2.1銭)をスプレッドといいます

当然ですが、常にBIDよりASKが大きなレートになります。

もしそうでなくて BID > ASK であれば、
買いと売りを同時に出せばスプレッドの分だけ顧客に必ず利益が出てしまい、
必勝法ができてしまいますので、そういうことはありません。

 

スプレッドによってどれだけ利益にインパクトがあるか

 

レート変動とスプレッドが利益に与える影響(ドル/円 1万通貨の場合)

スプレッド 為替レート自体の変動→
↓(PIP) 0.01円 0.05円 0.1円 1円
0.0 100円 500円 1000円 10000円
0.2 80円 480円 980円 9980円
0.4 60円 460円 960円 9960円
0.6 40円 440円 940円 9940円
0.8 20円 420円 920円 9920円
1.0 0円 400円 900円 9900円

※100PIP=1円

 

上記の表を見ると、短期売買指向の顧客ほどスプレッドが重要であることがよくわかると思います。

スプレッドが0PIPと1PIPの場合で比べると、
1円(100PIP)の動きを狙う中長期トレードなら利益の1%が失われるだけで済みますが、
0.05円(5PIP)の動きを狙う短期売買なら利益の20%が失われてしまいます。

損失になってロスカットする場合もスプレッド分の支払いは発生するので、
短期売買であるほど、取引頻度が高いほどスプレッドが重要であることがわかると思います。

 

▶︎余談

これは予断となりますが、この時は日韓ワールドカップの時期でしたが
FX自体が日本で始まったばかりなので、スプレッドが非常に広かったのを覚えています。

売買手数料まで取られていたので、それも考慮すると10pip程度動かないと利益にならない状態でした。

短期売買は不可能な水準です。

それでも、FXの登場前は比較対象が銀行の外貨預金だったので、
それに比べればスプレッドは狭いしレバレッジもかけられるし、
「すごいサービスが出てきたなあ」と感心したのを覚えています。今となってはかわいいものです。

 

顧客注文を次々と受けるディーラー(FX会社)側の損益

顧客の損益はレート変化とスプレッドで決まる単純なものですが、
では顧客とは逆にディーラー側の損益がどうなるかを見てみます。

ディーラーは多数の顧客を抱えていますし、ドル/円の顧客取引が1日2万件に達しているものがありました。

これは、平均して4秒に1回注文が入ることになります。

注文の多い時間帯では1~2秒に1回になるので、ディーラー業務を手動で行うのは非常に忙しくなります。

レートの動きだけでなく、顧客の注文動向も頭に入れて意思決定しなければいけません!

例えば、以下のような具合に次々に状況が変化します。

ディーラーの立場で発生する注文の例

10:00:00 顧客Aから10万ドルの買
10:00:00 顧客Bから10万ドルの売
10:00:04 顧客Cから20万ドルの買
10:00:08 顧客Dから10万ドルの買
10:00:10 顧客Eから30万ドルの売

全くレートが動かない状態でシミュレートすると――

話をシンプルにするために、

  • 全くレートが動かない(ASK=108.00, BID=107.99)
  • インターバンク市場のことはまだ考慮しない

と仮定します。

するとディーラーの損益状況は以下のようになります。

時刻 注文 約定レート 未カバー数量 ディーラーの確定利益
10:00:00 顧客Aから10万ドルの買 108.00 +10万
10:00:00 顧客Bから10万ドルの売 107.99 0 1000円
10:00:04 顧客Cから20万ドルの買 108.00 +20万
10:00:08 顧客Dから10万ドルの買 108.00 +30万
10:00:10 顧客Eから30万ドルの売 107.99 0 3000円

 

「未カバー数量」とは、顧客からの注文を受けて約定させたあと、
まだインターバンク市場に流していない数量ということです。

ディーラーがマーケットに対して取っているポジションの量ともいえます。

この例では、同一の時刻「10:00:00」に別々の顧客から反対向きの注文を2つ受けたので、
スプレッドの分だけが丸ごとディーラーの利益になります。ここは重要なポイントです。

顧客AとBはもちろんお互いのことを全く知らず、
提示されているASKとBIDレートに注文を出しただけですが、
ディーラー側はその2つの注文を相殺して差額のスプレッドを利益とすることができるのです。

もちろん、現実には「レートが全く動かない」ということはないですし、
顧客AとBのように反対向きの注文で潰しあってくれず
同一方向の注文が次々とやってきてポジションが積みあがることも多いので非現実的な仮定ではありますが、
スプレッドがディーラーの利益の源泉であることは感覚としてつかめたのではないでしょうか。

 

これだけだとディーラーは寝ているだけで儲かり続けるような印象がありますが、
それは「レートが動かない」というやや無理のある仮定をおいていたからです。

もちろん現実にはそうではなく、レートが動くときには機敏な判断が求められます。